夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『テラビシアにかける橋』

2008年07月03日 | 映画(た行)
『テラビシアにかける橋』(原題:Bridge to Terabithia)
監督:ガボア・クスポ
出演:ジョシュ・ハッチャーソン,アンナソフィア・ロブ,ズーイー・デシャネル,
   ロバート・パトリック,ケイト・バトラー,ベイリー・マディソン他

約30年前に出版された、ロングセラー児童文学の映画化。
『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』のような
ファンタジーばりばりの作品を予想していたら、
ひと味ちがっていました。

田舎町に、両親と4人の姉妹と暮らす、12歳のジェス。
生活は困難を窮め、父以外の唯一の男手であるジェスは、
何かと家の手伝いをするように言われる。

趣味は絵を描くこと。スケッチブックを片時も手放さない。
絵を描くことだけに没頭し、ほとんど口をきかないジェスを、姉たちは変人扱い。
姉のお下がりの靴を履く彼を同級生はあざ笑い、
女番長である上級生ジャニスからもいじめられる。

ある日、転校生がやって来る。
彼女はジェスの隣家に引っ越してきた美少女レスリー。
勝ち気な彼女は、ジャニスの嫌がらせにも屈することがない。
男子のかけっこにも飛び入りで参加し、
堂々の走りぶりで、ジェスに僅差で勝利する。
さらには、国語の時間に作文の才能を見せつけたレスリー。
おもしろくない同級生らは、レスリーのことも疎む。

クラスで完璧に浮いた存在となったジェスとレスリーは、
放課後を一緒に過ごすようになる。
ジェスが決して近づかなかった森だったが、
怖いもの知らずのレスリーに引きずられるようにして入ってみると、
そこはまるで秘密基地。
森に閉じこめられた捕虜を解放するため、
ジェスとレスリーは闘う準備を始める。

ファンタジーの世界は、あくまでふたりの頭の中で起きていること。
想像は想像として描かれているのが新鮮でした。
思いを巡らせば、そこに浮かびあがる森の巨人や兵士たち。
想像の世界から一旦出れば、
家族や学校の問題もきっちり描かれていて、
それに対するふたりの態度にも共感をおぼえます。

国語のマイヤーズ先生、音楽のエドマンズ先生はGood Job。
厳格なマイヤーズ先生が、あるときジェスにかける言葉もいいし、
美人でユーモアたっぷりのエドマンズ先生は、
いつも「ちゃんと見てるよ」のオーラが。

父親役が『ターミネーター2』(1991)のT-1000の俳優なので、
あのツルっとした顔がどうもロボットっぽく見えます(笑)。
見慣れれば大丈夫でしたけど。

こうして大人になってゆく。大人向けのファンタジーです。

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