夜な夜なシネマ

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『チェイサー』

2010年05月18日 | 映画(た行)
〈おことわり〉
 この日記には、香港の作品を韓国の作品とした誤った記述があり、
 後日、読者の方からご指摘を受け、お詫びの日記を書きました。
 あらためてお礼とお詫びを申し上げます。
 後日の日記をご覧ください。

『チェイサー』(英題:The Chaser)
監督:ナ・ホンジン
出演:キム・ユンソク,ハ・ジョンウ,ソ・ヨンヒ,チョン・インギ,
   パク・ヒョジュ,キム・ユジョン,ク・ヌボン他

ちょうど1年前に公開、秋にDVDが発売された韓国の作品。
観るのに体力を要しそうで先延ばしにしていましたが、
先日、TSUTAYA DISCASのスポットレンタルにて。

本作が監督のデビュー作とは末恐ろしい、いや、素晴らしい。
予想どおり、観たあとはドッと疲れ、凹み、しばらく放心状態でした。
2004年に実際に起きた連続猟奇殺人事件に基づいています。

訳あって刑事を辞めさせられるはめになり、
今はデリバリーヘルスを経営しているジュンホ。
このところ、店の女の子が数名、仕事に出たきり失踪しており、
客から電話がかかっても、デリヘル嬢を用意するのにひと苦労。

その日も、デリヘル嬢が出払ったあとに電話が。
困ったジュンホは、風邪を引いて休んでいるミジンの家まで押しかけ、
何が何でも仕事に出ろと怒鳴り散らす。
シングルマザーのミジンは仕方なく、幼い娘に数時間で戻るからと言い聞かせ、
客との待ち合わせ場所へ出向く。

ジュンホは、これまでデリヘル嬢が失踪した日に電話してきた客と、
今からミジンが会うはずの客の電話番号が同じであることに気づく。
その客がデリヘル嬢をよそへ売り飛ばしていると思い込んだジュンホは、
客の家へ着いたら、場所をこっそりメールしてくるようにミジンに伝える。

ところが、いくら待てどもミジンからの連絡はない。
心配したジュンホが住宅街へ車を走らせると、ミジンの車を発見。
その頃、ミジンは絶望的な気持ちで猟奇殺人犯と対峙していた。

荒削りな部分は見えるものの、その息もつかせぬ展開に圧倒されます。
前半は短気で喧嘩っ早いジュンホの言動にはしばしば笑わされますが、
後半はただのデリヘル嬢売り飛ばし事件ではないと悟ったジュンホが、
走って走って走ります。
ラストも一筋縄では行かず、非情さに愕然。(T_T)

韓国映画のリメイクといえば、
『インファナル・アフェア』(2002)のリメイク、
『ディパーテッド』(2006)がありますが、
本作も同じくレオナルド・ディカプリオがリメイク権を獲得して、
ハリウッド・リメイクが決定しているそうです。

純愛を描いた韓国映画も良いけれど、
こんな男泣きのバイオレンス映画を見せられると、凹みつつも、
スゲぇな、韓国、と思うのでした。傑作です。

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