夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ギフト 僕がきみに残せるもの』

2017年08月29日 | 映画(か行)
『ギフト 僕がきみに残せるもの』(原題:Gleason)
監督:クレイ・トゥイール

水曜日は2週連続で節電のために全館休業
のっぴきならない事情があるとき以外は休むようにとのお達しで、
当然そんな事情はないから休み。
シネコン上映作品はほとんど観尽くしてしまっているため、久々にシネマート心斎橋へ。
映画1本無料になるポイントがあるけれど、レディースデーに使うのはもったいない。
期限は3カ月以上先なので、この日は使わずに3本ハシゴ。

ところでシネマート心斎橋は、心斎橋ビッグステップの4階にあります。
同じ階にライブハウスのビッグキャットがあり、
夜にライブが開催される日は若者が並んでいるのを見かけます。
この日は朝10時前だというのにすでに行列ができていて、しかもジジババばかり(失礼)。
いったい何があるのかと思ったら、浪花演歌倶楽部による“流行歌ライブ”だとか。
Vol.252って、252回目ということ? 凄すぎるぜ演歌。
朝のアメ村に似合わなすぎるけど、演歌でも何でも、歌を楽しむのは素敵です。

さて、3本ハシゴの1本目はドキュメンタリー。

アメリカンフットボール好きなら知っているであろう名前、スティーヴ・グリーソン。
“アイス・バケツ・チャレンジ”の発起人としても有名です。

1977年生まれ、現在40歳の彼は、ワシントン州東部のスポケーン出身。
ワシントン州立大のアメフト部で活躍し、卒業後はニューオーリンズ・セインツに入団。
2006年、ハリケーン“カトリーナ”がニューオーリンズを襲い、同地が壊滅。
被災後初めてのホームゲームでスティーヴがスーパープレイ。
チームが劇的な勝利を飾って、スティーヴは一躍英雄となりました。

引退後も華やかに、妻ミシェルや友人たちに囲まれて暮らしていたのに、
ある日、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されます。
ちょうどミシェルの妊娠が判明したばかり。
スティーヴはまだ見ぬわが子に向けてビデオダイアリーを撮りはじめます。

徐々に口が回らなくなり、体を動かせなくなるスティーヴ。
そのビデオダイアリーの映像をもとに綴られた作品です。

本人がすごいのはもちろんのことですが、奥さんがすごい。
明るく前向きな彼女は、介護は自分の仕事だからと、
スティーヴと自宅で暮らすことにこだわり、
息子リヴァースが生まれてからも決して人任せにはしません。

そんな彼女も時に疲れ果ててぐったり。
いつしか彼女に面倒をみてもらうことが普通になってしまったスティーヴは、
彼女からの思いやりが感じられないとか、やることが雑だとか、不平を言ったりもして。
この辺りは言い返すのも面倒だったようにも思いますが、
言い返すことなく、自分の非を認めるところがまたえらい。

キャッチボールはできなくても、父親としてできることはある。
スティーヴのことをすごいなぁと思いつつ、
いちばんすごいのはミシェルだと思うのは、同性だからでしょうか。

どれもこれも、お金があるからこそ叶うことだなぁとは思います。
その辺りはシビアな目で見てしまったりするけれど、
高額な機器のことなど、ALS患者の置かれた現状を知るためにも観ておきたい作品。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『打ち上げ花火、下から見る... | トップ | 『LUCK-KEY/ラッキー』 »

映画(か行)」カテゴリの最新記事