夜な夜なシネマ

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今年観た映画50音順〈あ行〉

2016年12月22日 | 映画(あ行)
15回目となりました恒例におつきあいください。

今日現在、劇場で観た作品についてはすべてUP済み。
ここに挙げるのはそれ以外のDVDで観たものです。
今日までに書きそびれた作品を挙げるだけなので、
好きだったとか嫌いだったとかは関係なし。
どれも今年DVD化された作品です。ネタバレ御免。

《あ》
『at Home アットホーム』
2014年の日本作品。原作は本多孝好の同名短編。
5人家族の森山家。夫の和彦(竹野内豊)、妻の皐月(松雪泰子)と、
長男の淳(坂口健太郎)、長女の明日香(黒島結菜)、次男の隆史(池田優斗)は、
とても仲の良い幸せな家族に見えるが、実はそうではない。
前科者の和彦は空き巣泥棒で稼ぎ、皐月は結婚詐欺師
淳は刑務所で和彦と同房だったゲンジ(國村隼)のもと偽造職人として修行中。
ある日、皐月がターゲットにしていた男に誘拐監禁されてしまい……。
あらすじを知らずにほんわかした話を予想して観はじめたら青天の霹靂。
というのは大げさですが(笑)、5人は血のつながりのない擬似家族。
皐月は夫からDVを受けていた主婦、淳は両親から無視され、
明日香は父親から性的虐待を、隆史も両親から監禁虐待を受けており、
和彦と偶然出会った彼らが、いわば和彦に盗み出されたようなもの。
それぞれ想像を絶するほど辛い過去を持つ彼らの結束は固く、
暗い話でありながらもまさにアットホームなラストシーンにほろり。

《い》
『祈りのちから』(原題:War Room)
2015年のアメリカ作品。
不動産会社に勤務するエリザベス。夫のトニーは製薬会社のトップ営業。
おかげでいい家を手に入れてハイレベルの暮らしを保てているが、
夫婦の仲は冷え切り、顔を合わせれば喧嘩ばかり。
まだ幼い一人娘のダニエルは、そんな両親の様子に心を痛めている。
あるとき売却希望の顧客で老婦人のクララのもとを訪ねたエリザベスは、
悩みを抱えていることを見抜かれ、「祈り」について説かれる。
クララから「祈るための小さな部屋」を自宅に設けることを勧められ、
クローゼットの中を片づけると、さまざまな祈りを捧げるようになったエリザベス。
するといがみあってばかりだった夫との間に変化が見えはじめ……。
監督のアレックス・ケンドリックはジョージア州の副牧師なのだそうです。
信者に「あなたの人生に影響を与えるものは」というアンケートを取ったら、
「教会」という答えはトップ10にも入らず。
ならば上位にランクインした「映画」を自分で撮ってやろうじゃないかと思ったとか。
エンドロールを見れば“ケンドリック”だらけ。
一族でこういうことをやっているのだと思うと、怪しい宗教かと訝ってしまいますが、
これは素直に面白い。人を罵るよりも、その人のために祈るほうがいい。
ダニエルが没頭するダブルダッチ(縄跳び)のシーンに、こんな競技があるのかと驚きました。

《う》
『ウッドローン』(原題:Woodlawn)
2015年のアメリカ作品。日本では劇場未公開。実話が基。
人種差別の激しいアメリカ・アラバマ州。
1973年、国による差別廃止令が下り、白人・黒人の共学校となったウッドローン高校。
黒人のトニー・ネイサンはアメフト部に入部するが、人種差別はまだまだ残っている。
チーム内での対立に頭を悩ませるコーチのジェラルドの前に聖職者のハンクが現れ、
説法することで選手たちのわだかまりを解決してゆく。
するとチームの空気は徐々に変化を見せ、連勝を収めるようになるのだが……。
トニーは1979年から1987年までマイアミ・ドルフィンズに在籍した選手。
差別するように教育を受けてきた人たちに差別するなと言っても無理。
黒人選手を出せば白人の客が怒るし、とにかく目立っては駄目だという風潮。
こういう事実があったということは興味深く観ましたが、
ちょっと宗教色が濃すぎて、心に響きにくいのが残念です。

《え》
『エージェント・ウルトラ』(原題:American Ultra)
2015年のアメリカ作品。
共になんとなくブレイクした作品のイメージから抜けきれずにいる2人の共演。
片田舎のコンビニでバイトする若者マイクは典型的なダメ男だが、
唯一誇れるのが美人で性格もいい恋人フィービー。
なぜ自分とつきあってくれているのかわからないが、この幸せは逃したくない。
ある日、コンビニ客から意味不明の言葉をかけられたマイクはいきなり覚醒。
直後に襲いかかってきた暴漢をスプーン1本でいとも簡単に退治する。
実は彼はかつてCIAのマインドコントロールの実験台となった凄腕エージェント
実験の中止に伴ってその記憶を消去されたのだが、このたび彼を暗殺する司令が出たのだ。
コンビニ客はマイクを育て上げた上官で、彼を見殺しにできずに洗脳を解いたらしい。
CIAから追われるはめになったマイクはフィービーを連れて逃げるのだが……。
見た目イケてないジェシーに格好良い役というのは多分に無理がありますが、
暇つぶしに観るにはそこそこの面白さ。
悪友役でジョン・レグイザモが出演しているのが嬉しい。巻き添えを食って死んじゃうけど。

《お》
『お盆の弟』
2015年の日本作品。
映画を1本撮ったきりで鳴かず飛ばずの映画監督・タカシ(渋川清彦)。
妻(渡辺真起子)から離婚前提でとりあえず別居したいと言われて困惑。
大腸癌の手術を終えたばかりの兄・マサル(光石研)の看病を口実に群馬の実家へ舞い戻る。
新作映画さえ撮れば妻とヨリを戻せると信じ、
地元の焼き饅頭屋の息子でシナリオライター志望の悪友・藤村(岡田浩暉)に脚本を頼む。
カノジョいない歴40年の藤村は、婚活で相手を見つけたらしく、
彼女の友だちを無理矢理タカシに紹介すると言う。
渋々会ったその女性・涼子(河井青葉)は想像以上の美人で性格も良さそう。
術後にふさぎがちのマサルのお嫁さん候補にどうかとタカシは考えるのだが……。
監督は『キャッチボール屋』(2005)の大崎章。以来2作目となるのが本作で、
タカシが撮った1本きりの映画を『キャッチボール屋』としているところが自虐的。
全編モノクロの意味があったかどうかは疑問ですが、役者で見せるゆるゆる系。
嫌いじゃないです。

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