『七人樂隊』(原題:七人樂隊)
監督:サモ・ハン,アン・ホイ,パトリック・タム,ユエン・ウーピン,
ジョニー・トー,リンゴ・ラム,ツイ・ハーク
出演:ティミー・ハン,フランシス・ン,ジェニファー・ユー,ユン・ワー,ン・ウィンシー,トニー・ウー,
ミミ・クン,サイモン・ヤム,チョン・ダッミン,ラム・シュー,ローレンス・ラウ他
塚口サンサン劇場にて、前述の『きっと地上には満点の星』の次に。
1950年代から未来まで、さまざまな時代を舞台に展開していきます。
第1話『稽古』(監督:サモ・ハン)。
厳しい師匠のもと、連日練習に明け暮れる弟子たち。
師匠が階下の部屋にいる間はサボろうと皆で連携していたのに、ある日それがバレて……。
もとはサモ・ハン・キンポーを名乗っていた監督の自伝的物語なのだそうです。
師匠がいなくても練習をサボらなくなった弟子たち、エライ。
第2話『校長先生』(監督:アン・ホイ)。
悪ガキたちを厳しく、しかし寛容に指導する校長先生。
一方、まだ若い女性教諭は慈愛に満ち、優しいまなざしで子どもたちを見つめる。
数十年後の同窓会の日、その女性教諭はすでに他界していて……。
教室でおしっこを漏らしてしまった児童への女性教諭の対処の仕方が素晴らしかった。
第3話『別れの夜』(監督:パトリック・タム)。
大恋愛中の男女だったが、女性が両親と共にロンドンへ移住することが決まる。
寂しくてたまらない男性は女性を避けがち。
引っ越し前夜、女性は男性を呼び出して、自らを捧げようとするのだが……。
今宵の飛行機が自分たちの上に墜落してくれたら永遠に一緒にいられるのに、
というつぶやきが面白かった。
第4話『回帰』(監督:ユエン・ウーピン)。
移住する息子一家に誘われても、香港から出たくないという老人。
移住前に訪ねてきた孫娘から英語を習う代わりに護身術を教える。
数年後、戻ってきた息子一家。孫娘との再会。
香港が好きだ、そんな老人の思いがひしひしと伝わってきます。
第5話『ぼろ儲け』(監督:ジョニー・トー)。
3人のまだ若い男女は、投資で大儲けしようと日々相談。
飲食店で買い時をはかっていると、そのときが到来。
ところが、発注すべき番号と、飲食店のメニュー番号を間違えて……。
大損のはずが大儲けって、こんな話が普通はないでしょう。夢はあるけど。
第6話『道に迷う』(監督:リンゴ・ラム)。
移住先から香港にしばし帰ってきた男性とその家族。
妻と息子と待ち合わせしたものの、様変わりした街に驚くばかり。
なかなかたどり着けずにいる男性の心によみがえる昔の風景。
ようやく妻子の後ろ姿を見つけたのに……。
第7話『深い会話』(監督:ツイ・ハーク)
最終話は人を食ったような話です(笑)。
精神科医と患者ふたりの会話をガラス越しに聴く医者たち。
と思いきや、精神科医と思っていたほうが患者!?
第6話までに登場した監督の名前や、香港の有名女優の名前が飛び交います。
個人的には第4話と第6話が好きです。
知らない国の話なのに、郷愁を感じました。