夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『デビルズ・バックボーン』

2005年02月14日 | 映画(た行)
『デビルズ・バックボーン』(原題:El Espinazo del Diablo)
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:フェルナンド・ティエルブ,マリサ・パレデス,フェデリコ・ルッピ,
   エドゥアルド・ノリエガ他

公開時のキャッチコピーは「お願い、ぼくの恨みをはらして」。
PG-12にも指定された怨霊ホラー!

ホラー苦手な私が、ホラーと言えどもどうしても観たくて、
過去に映画館まで足を運んだ作品は、
『サンタ・サングレ 聖なる血』(1989)と『アザーズ』(2001)。
いずれもメキシコやスペインが舞台だったり製作だったりで、
本作はと言えばメキシコ人監督によるスペインの作品。
どうも私はスペイン語圏のホラーに興味を惹かれるようです。

内戦下のスペイン。
人里から遠く離れた荒地に建つサンタ・ルシア孤児院。
父を亡くした少年カルロスが連れてこられる。

義足の女院長カルメンと老いた教師カザレスが、カルロスを院内へと招き入れる。
外の明るい日射しとは対照的に薄暗く、
カザレスの部屋には奇形児を漬けたラム酒の瓶が並んでいる。

カルロスに与えられたのは12番のベッド。
それは、謎の死を遂げたとされる少年サンティが以前使用していたものだった。

その夜、どこからともなくカルロスを呼ぶ声が。
人影を感じてカーテンを引くが、そこには誰もいない。
突然水差しが倒れ、ほかの孤児たちも目を覚ます。
「新入りが水をこぼした」と罵られ、
カルロスは番長格のハイメとともに、外の倉庫まで水を汲みに行くことに。

とっとと水を汲んで倉庫を後にするハイメ。
カルロスが手間取っていると、倉庫の地下にある貯水池からまた声がする。
そして、腐りかけた少年の姿をした幽霊が。
それはサンティだった。一目散に逃げ出すカルロス。

それ以降、カルロスの前にはたびたびサンティが現れるようになる。
恐怖に怯えながらも、サンティが何かを訴えたいような気がして、
カルロスはサンティの死の秘密を探りはじめる。

心臓バクバクの恐怖を味わいたい人にはまったく不向きな、
真面目に戦争の悲劇を描いた秀作だと思います。
なかなかお互いを受け入れられない孤児たちが信頼を築いていく過程や、
彼らが事件の真相を知って復讐を誓う姿に共感。

公開予定時期が池田附属小事件と重なって延期。
去年の公開決定後には、横浜の胎児廃棄事件を思い起こさせるということで
ポスターが撤去されたといういわくつき。
でも実際は映像美溢れる切ない良品です。
ホラーにハマリそう。

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