12回目となりました恒例におつきあいください。
今年観た合計本数はまだざっくりとしか数えていません。
それは31日にしっかり数えることにして。
昨年同様、20日までに劇場で観た作品についてはすべてUP済みなので、
ここに挙げるのはそれ以外のDVDで観たものばかり。
あくまで書きそびれていた作品を挙げているだけなので、
好きだったとか嫌いだったとかは関係なし。
どれも今年レンタルが開始されました。
製作年が2011年以前の作品についてはそれを明記しています。
これらは去年もしくは今年公開され、今年DVD化された作品です。
ネタバレ御免。
《あ》
『アシュラ』
1970年に連載されたジョージ秋山の衝撃的な漫画を映画化。
15世紀中頃の京都では、飢饉に重なるように応仁の乱が起こり、
世の中は飢えに苦しむ人びとと死体だらけ。
そんな時代に産み落とされたアシュラは、本能の赴くまま、
人をも喰らってケダモノとして生き延びる。
地頭の息子を食いちぎったアシュラは追われる身となるが、
傷だらけで倒れていた彼を風車小屋に匿ったのが美しい女性、若狭。
若狭と過ごすうちに言葉を覚え、人間らしい感情も芽生えていくのだが……。
75分の中編アニメながら、内容が内容だけにヘヴィー級。
人は、心を持っている。僧侶の言葉が印象深く残ります。
《い》
『偽りなき者』(英題:The Hunt)
『光のほうへ』(2010)のトマス・ヴィンターベア監督によるデンマーク作品。
デンマークの小さな町に暮らすバツ1、42歳の男性ルーカス。
閉校により教師の職を失ったが、幼稚園に再就職。
優しく穏やかな人柄が園児たちにも大人気、誰しもが彼にかまってほしがる。
ルーカスの親友テオの娘であるクララもそのうちのひとり。
想いを伝えようと手作りの品を彼に贈るが、受け取ってもらえない。
ルーカスから拒絶されたと感じたクララは、校長に思わず嘘をついてしまう。
年頃の兄が友だちと交わす猥談を小耳に挟んだ直後だったこともあり、
想像力豊かなクララの話はルーカスから性的虐待を受けた話へと変化。
ルーカスが懸命に潔白を訴えようとも、大人たちはクララの話のみを信じ……。
残酷なシーンはないのにただただ辛く、観ていられないほどでした。
けれども、ルーカスの息子マルクスと、マルクスの名付け親であるブルーン一家だけは、
町中から迫害を受けるルーカスに味方し、守ろうとします。
ルーカスの表情に彼の無実を悟ったテオが、妻の反対を押し切ってルーカスのもとを訪れ、
料理と酒を差し入れるシーンもとてもいい。
再び町の人に受け入れられてエンディングと思いきや、
彼を疑い、恨みを持ちつづける人物がまだいるのだというエンディングに、やるせない気持ちが。
いろいろ考えさせられる、辛くても観ておくべき一作だと思いました。
《う》
『ウェイバック 脱出6500km』(原題:The Way Back)
2010年のアメリカ/アラブ/ポーランド作品。
1940年、スターリン体制下のソ連。
無実のスパイ容疑で逮捕されたポーランド兵士ヤヌシュは、
シベリアの強制労働収容所へ送られる。
過酷な労働条件下で次々と命を落とす囚人たち。
猛吹雪の日、ヤヌシュは収容所で出会った6人と脱走を図り、辛くも成功。
食糧も装備も乏しいまま、ひたすら南へ向かって歩く。
実在のポーランド兵士による回顧録の映画化ですが、真偽のほどはわからず、
監督もフィクションであると話していました。
が、ノンフィクションかと思うほどのリアルさで、見応えあり。
6,500kmを歩きつづけてインドへたどり着いたときにはグッと来ました。
《え》
『エイリアンバスターズ』(原題:The Watch)
結構豪華な顔ぶれなのに、日本では未公開だったアメリカ作品。
オハイオ州の田舎町で“コストコ”の店長を務めるエヴァン。
ある夜、警備員のアントニオが何者かに惨殺されたことから、
町の安全を守ろうと、エヴァンは自警団の結成を住民に呼びかける。
それに応じたのがボブ、フランクリン、ジャマルカスの3人。
4人が“ご近所ウォッチャー”として活動を開始したところ、
見るもおぞましい姿のエイリアンが地球(というのかコストコ)を狙っていることがわかり……。
ベン・スティラー、ヴィンス・ヴォーンというコメディの鉄板に、
『マネーボール』(2011)のピーター役だったジョナ・ヒルと、楽しげでしょ。
なんだかコストコに行きたくなってしまう作品です。
《お》
『オレンジと太陽』(原題:Orange and Sunshine)
2010年のイギリス作品。
社会派の名匠ケン・ローチ監督の息子、ジム・ローチの長編デビュー作品。
1986年、イギリスのノッテインガム。
社会福祉士のマーガレットは、オーストラリアの孤児院で育った女性シャーロットから相談を受ける。
やがて、イギリスとオーストラリアの間で、
1970年まで非合法な“児童移民”が国策としておこなわれていたことが判明。
イギリスの貧困家庭の児童を養子縁組もせずに船に乗せ、
オーストラリアへ送り込んでいたという事実に衝撃を受けるマーガレット。
彼らの家族を捜し出そうと、マーガレットは調査を開始するのだが……。
政府や教会を敵に回しながらもマーガレットがやり遂げたことに拍手。
見つけてほしい人ばかりだとは思いませんが、
どんな形で別れたとしても、親は子どものことを忘れてはいないと思いたい。
今年観た合計本数はまだざっくりとしか数えていません。
それは31日にしっかり数えることにして。
昨年同様、20日までに劇場で観た作品についてはすべてUP済みなので、
ここに挙げるのはそれ以外のDVDで観たものばかり。
あくまで書きそびれていた作品を挙げているだけなので、
好きだったとか嫌いだったとかは関係なし。
どれも今年レンタルが開始されました。
製作年が2011年以前の作品についてはそれを明記しています。
これらは去年もしくは今年公開され、今年DVD化された作品です。
ネタバレ御免。
《あ》
『アシュラ』
1970年に連載されたジョージ秋山の衝撃的な漫画を映画化。
15世紀中頃の京都では、飢饉に重なるように応仁の乱が起こり、
世の中は飢えに苦しむ人びとと死体だらけ。
そんな時代に産み落とされたアシュラは、本能の赴くまま、
人をも喰らってケダモノとして生き延びる。
地頭の息子を食いちぎったアシュラは追われる身となるが、
傷だらけで倒れていた彼を風車小屋に匿ったのが美しい女性、若狭。
若狭と過ごすうちに言葉を覚え、人間らしい感情も芽生えていくのだが……。
75分の中編アニメながら、内容が内容だけにヘヴィー級。
人は、心を持っている。僧侶の言葉が印象深く残ります。
《い》
『偽りなき者』(英題:The Hunt)
『光のほうへ』(2010)のトマス・ヴィンターベア監督によるデンマーク作品。
デンマークの小さな町に暮らすバツ1、42歳の男性ルーカス。
閉校により教師の職を失ったが、幼稚園に再就職。
優しく穏やかな人柄が園児たちにも大人気、誰しもが彼にかまってほしがる。
ルーカスの親友テオの娘であるクララもそのうちのひとり。
想いを伝えようと手作りの品を彼に贈るが、受け取ってもらえない。
ルーカスから拒絶されたと感じたクララは、校長に思わず嘘をついてしまう。
年頃の兄が友だちと交わす猥談を小耳に挟んだ直後だったこともあり、
想像力豊かなクララの話はルーカスから性的虐待を受けた話へと変化。
ルーカスが懸命に潔白を訴えようとも、大人たちはクララの話のみを信じ……。
残酷なシーンはないのにただただ辛く、観ていられないほどでした。
けれども、ルーカスの息子マルクスと、マルクスの名付け親であるブルーン一家だけは、
町中から迫害を受けるルーカスに味方し、守ろうとします。
ルーカスの表情に彼の無実を悟ったテオが、妻の反対を押し切ってルーカスのもとを訪れ、
料理と酒を差し入れるシーンもとてもいい。
再び町の人に受け入れられてエンディングと思いきや、
彼を疑い、恨みを持ちつづける人物がまだいるのだというエンディングに、やるせない気持ちが。
いろいろ考えさせられる、辛くても観ておくべき一作だと思いました。
《う》
『ウェイバック 脱出6500km』(原題:The Way Back)
2010年のアメリカ/アラブ/ポーランド作品。
1940年、スターリン体制下のソ連。
無実のスパイ容疑で逮捕されたポーランド兵士ヤヌシュは、
シベリアの強制労働収容所へ送られる。
過酷な労働条件下で次々と命を落とす囚人たち。
猛吹雪の日、ヤヌシュは収容所で出会った6人と脱走を図り、辛くも成功。
食糧も装備も乏しいまま、ひたすら南へ向かって歩く。
実在のポーランド兵士による回顧録の映画化ですが、真偽のほどはわからず、
監督もフィクションであると話していました。
が、ノンフィクションかと思うほどのリアルさで、見応えあり。
6,500kmを歩きつづけてインドへたどり着いたときにはグッと来ました。
《え》
『エイリアンバスターズ』(原題:The Watch)
結構豪華な顔ぶれなのに、日本では未公開だったアメリカ作品。
オハイオ州の田舎町で“コストコ”の店長を務めるエヴァン。
ある夜、警備員のアントニオが何者かに惨殺されたことから、
町の安全を守ろうと、エヴァンは自警団の結成を住民に呼びかける。
それに応じたのがボブ、フランクリン、ジャマルカスの3人。
4人が“ご近所ウォッチャー”として活動を開始したところ、
見るもおぞましい姿のエイリアンが地球(というのかコストコ)を狙っていることがわかり……。
ベン・スティラー、ヴィンス・ヴォーンというコメディの鉄板に、
『マネーボール』(2011)のピーター役だったジョナ・ヒルと、楽しげでしょ。
なんだかコストコに行きたくなってしまう作品です。
《お》
『オレンジと太陽』(原題:Orange and Sunshine)
2010年のイギリス作品。
社会派の名匠ケン・ローチ監督の息子、ジム・ローチの長編デビュー作品。
1986年、イギリスのノッテインガム。
社会福祉士のマーガレットは、オーストラリアの孤児院で育った女性シャーロットから相談を受ける。
やがて、イギリスとオーストラリアの間で、
1970年まで非合法な“児童移民”が国策としておこなわれていたことが判明。
イギリスの貧困家庭の児童を養子縁組もせずに船に乗せ、
オーストラリアへ送り込んでいたという事実に衝撃を受けるマーガレット。
彼らの家族を捜し出そうと、マーガレットは調査を開始するのだが……。
政府や教会を敵に回しながらもマーガレットがやり遂げたことに拍手。
見つけてほしい人ばかりだとは思いませんが、
どんな形で別れたとしても、親は子どものことを忘れてはいないと思いたい。