「歩くZ旗」みね姉のひとりごと ~矜持 国を護るということ~

私たちを護ってくれている自衛隊を、私が護りたい!そんな気持ちで書いてきました。今は、自衛隊との日々の大切な記録です

練習艦隊、神戸入港  ~出港編~

2015年04月17日 | 海上自衛隊
…この遠征の締めくくりに、漸く到達しました…。


書いていても長かったですが、お付き合い下さった皆様も「まだ?」と思われたことでしょう…。


私も、ホッとしています…(笑)






さて、迎えました出港の日。


実は、前日の艦上パーティまで、出港時間は0900時だと思っていた私。


(…だって、案内されてた紙にそう書いてあったんだもの


すると、最後の最後で、ある実習幹部生が


「えっ出港は0800時ですよ?」


なにぃぃぃ~~~~


ということがありまして、なんとか出港見送りに行くことができました


…よかった…


というわけで、こんな時だけ早起きできる私は、30分前には意気揚々と、


3日連続でポートターミナルにやってきたわけです


すると、早起きには万両の得とも言うべきことが起こりました


なんと、出港お見送りを、くらまの艦上でさせていただけたのです


うっひゃ~~


うっきうっきで乗艦し、まずは、やまぎりの出港を待ちます。


この時、「安全ネット」という名前だけのネットに


「危ないから手をかけないでください」


と言われているにも関わらず、お隣のやまぎりを安全ネットに手をかけて見ているおばさんたちが。


「…あの~、それ、手をかけると危ないですよ?」


いろんな訪問者の対応で精いっぱいの乗員さん達に代わって、ここは私が言うしかない…。


「え?あら?そうなの?」


と素直に手を話してくれたおばちゃんたち…ここまでは良かった。


「…でも、落ちても助けてくれるわよねぇ(笑)」


ここで、私が「プチっ」ときたのは言うまでもないだろう…


実際に落ちた人がいますからね?助けてはくれます。でも、はっきり言って、

 落ちるのは勝手ですが、それは、海上自衛隊にご迷惑がかかりますから」


「…そ、そうよねぇ…。ご迷惑がかかるわよね…ありがとう…」


物わかりのよいおばちゃんたちで何より。








…ところでこの日は、同型艦しらねの自衛艦旗返納式で、ということはつまり、


多くの海上自衛隊ファンが一日千秋の思いで待ち焦がれていた、あの護衛艦いずも就役の日でしたので、


この日、くらま艦上でもその話がちらほら聞こえてきましたね。


…で、実はこれに関して私は極めてマイノリティでして…


正直いずもにはそんなに興味がなくて(笑)


まぁ、やっぱり「いせ」が好きすぎるせいですかね、これは(笑)


さらに言うなら、


どちらかというと、いずもの就役がうれしいというより、しらねの廃艦の方が悲しかったです(涙)


つまり、この時点で、海上自衛隊最期の蒸気タービンに、まさになった「くらま」で、


しらねの廃艦を思うと、やっぱりすごくさみしくなって悲しかったです…。


仕方ないんですけど


一人でしんみりしていると、やまぎりの出港ラッパがなりました


「帽振れ


の声に、くらま甲板上でも一斉に帽振れが行われます。



手前のエライ方と比較すると、まだまだ帽振れもぎこちない感じがフレッシュな実習幹部生たち。



遠ざかるやまぎりでも同様だったのですが…なんというか、一人だけ、


やたらとぐるぐる帽子をフル回転させていた実習幹部生がいたのが気になった(笑)


そ~れ~はぁ~…そんなに振り回すものではないと思うのね、お姉さんは…。


まぁ、スマートな海軍士官的な振る舞いは、これから潮っ気が出てきてからのことなのでしょう。



そして、ふと思った。


…やまぎり、早い…スピードが超早い(笑)





結構、あっという間にこの感じになりました。


あんまり情緒とかなかった(笑)


まぁ、後に2隻もいるので早めに出て行ったのでしょうけどね…。


そんなに急がなくても、と思っていると、そろそろ0800時です。


ん?ってことは???


はい、そうです


自衛艦旗掲揚のお時間です


く、くらまの艦上で自衛艦旗掲揚がみられるなんて(感涙)



乗員さん、実習幹部生と共に、くらま艦上で自衛艦旗掲揚…感無量です。


じ~~~~んとしていると、ほどなくして上陸を促されました。


上陸すると、前方にいたしらゆきの方に移動。



こちらも、出港準備なうです。



ウィングにいるのは艦長の川田二佐なのですが、見えにくいですね…。


この時、川田艦長が、下にいる我々に向かって


「今日は皆さま、お寒い中お見送りありがとうございます!」


と挨拶をされました。


色んな出港を見てきましたが(といっても、ここ1年くらいだけど)


出港時に艦長が、お見送りの人全員に挨拶されるのは初めてみました


知り合いに声をかけられるのはよく見ますけどね。


ちょっと感激しました


やがて、しらゆきも出港ラッパが鳴り、離れて行きます。



こちらはゆっくりと、繊細な様子の出港でした。





…そして、最後は旗艦くらま。



ゆっくりと岸壁から離れ、


もやいがそれぞれ解かれ、出港ラッパが鳴ります。



後進かけるまで時間がわりとありました。


私の左隣に立っていらした、とってもステキな老紳士(民間人)が、


「まだ、後進かけないな…」


に始まり、かなり専門的なことをつぶやいていらしたので、その佇まいと雰囲気から


「…あの、もしかして元艦長さんでいらっしゃるのですか?」


と尋ねると


「はい。20年前に、あの艦の艦長をしておりました」


と、にっこりと笑われました


そして、ゆっくりとご自分の帽子を手にとって、帽振れをされた様子の素敵なこと


20年前、自らが艦長を務めた艦を、見送る心情とはいかなるものなのだろう…。


そう思ったのですが、言葉に出したのは別の質問でした。


「…やっぱり、出港って艦長の性格が出るものなのですか?」


「ええ、でますよ」


やっぱりそうなのか~。


やまぎりは、なんとなく、末っ子おてんば娘のお姫様が元気に駆け出して行ったみたいな感じで、


アテレコするなら、


「お姉さま~お母さま~、先に行くわね!」


って感じ(笑)


しらゆきは、慎重なお姉ちゃんがゆっくり歩いている、品のいいお姫様って感じで、


アテレコするなら、


「もう、あの子ったら…。では、お母様お先に失礼いたします」


って感じで(笑)


くらまは、威厳と貫禄たっぷりの女王とか皇太后ってかんじで、


アテレコするなら、


「それでは皆の者、ご苦労であった
 
 楽しい3日間だったのう…。娘たちも世話になったな


と言ってる感じでした(笑)


伝わりますかね???これで(笑)





余裕の後進が終わり、ゆっくりと艦首の向きが変わります。





ゆっくりと優雅に去っていきます。


現実的に言うなら、蒸気タービンは遅いから…的なことになるのは重々承知しておりますが、


私はあえてそれを、優雅と言いたい…。







お見送りと共に、私の約2週間に及ぶ遠征は終わりました。


さすがにハードでしたが、充実していました。


今回、かなりお金も時間も厳しかったですけど(笑)


あまりにたくさんの予定がありすぎて、頭がくらくらしていましたが、


きつくても、つらくても、やっぱり、楽しくてうれしくて幸せでいっぱいでした


この遠征でお世話になった、たくさんの方に、限りない感謝をこめて…。






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