mimi-fuku通信

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補足ー災害と避難 日米の違い。

2007-08-11 00:36:03 | 地震・津波・震災

 下段記載の、朝日新聞・投書欄の文書に補足する。 
2005年の夏。アメリカ南部を襲った大型ハリケーン・カトリ ーナを調べてみると、直撃したルイジアナ州ではルイジアナ・スー パードームを安全地区へ避難できない住民のために開放し、さらに 台風直撃後、その場も危険と判断するや避難場所としてテキサス州 ヒューストンのアストロ・ドームへの移転命令を出す。 
 ただし、移転手段が切断されていたため、移転は進まず多くの犠 牲者を出し、街の暴徒化はおさまらずアメリカ行政の失態として、 世界に伝えられた。 
 さらに、アストロ・ドームでも避難生活の長期化にともない、感 染症が集団発生し、死亡者を出している。 
 アメリカは安全な場所さえ確保すれば、あとは個人の責任といっ た姿勢に行政のあやまちがあったように思う。  

 阪神大震災のときは、出張で京都に出向いた時にタクシー内で聞 いた話だが、「観光客こそ減少したが、災害が起きてすぐに地元の ホテルや旅館は災害地の方の避難利用として満室になった。」とのことだった。 たぶん大阪も同じような状態だったのではないか? そうした話が事実だとすると、本当は災害地の人々はその場から 離れたがっているのではないのだろうか? 
 そのことを神戸に在住している取引先の人に聞いた所、「自宅が 倒壊していない以上は自宅で生活することができたから、復興に際 して一日でも早く商売を再開することが、自分の役目だと思った。 」と話してくださった。  
 
 災害直後の活動として生命の救出が最大の課題であることに疑いを持たない。
 次に公的な生活生命線(ライフ・ライン)の確保。そ して災害地域の社会生活の回復。
 ただ、こうした過酷な活動ができる体力の維持は、食料摂取と安息であることも真実だ。 
 生命救出活動のの速度維持とは矛盾するが 、安息を無視し救助活動を続けることが正しいとも思えない。(事実、石川県では能登沖地震のさいに警察官の方が過酷な作業から逃 れたいがために自らを傷つける狂言事件をおこしている。) 
 また、安息とは、生命維持に必要な摂取と排泄。睡眠。そして保温(快適温度 )であり、そのためには、安心できる空間作りが重要となる。 
   
  アメリカでは、カトリーナ襲来の際にシーズン途中だと思われる ドーム型球場までも市民のために開放している。
  もし、日本で真冬の厳しい阪神大震災の際に, 大阪城ホールや近畿周辺のホール、体育館等の多くの公共施設がを開放できていれば ・・・。 
  中越地震の時は、避難所の混雑から車中に避難場所をとり、血行停止による死亡事故も起きた。 
  もし、中越地震の時に長野のいくつかのオリンピック・スタジアムや新潟市内の公共施設が被災者のために提供できていたら・・・ 少なくとも車中で亡くなった何名かの人は助かったかも知れない。  
  特に災害直後の最初の一週間は、大勢の被災者がパニック状態の中、避難所に集中する。 
  しかし、考えて欲しい。 
  大地震のあとによく耳にする言葉で、「今後、一週間以内に被災地で発生する余震の確率は、震度6弱で・・・。」 すでに大きな被害のある、被災地の方々にとって震えあがるよう な言葉だろう。 
  例えば、この言葉を、「三日以内に関東地方で震度6弱の地震が 発生する確率は・・・。」と置き換えてみればその言葉の持つ凄みや重みを感じることができるはずだ。 
  一度地震の恐怖を経験した人に植えつけられたトラウマと、その恐怖の中に身を置かなければならない現実と・・・。 それでも、被災者は被災地にとどまれと言うのか?
  
 私は思う。 
 安心のできる空間を被災者及び救助者に提供することもなく、何 度も繰り返すが、被災地に閉じ込めることを良しとしているこの国 の行政を理解することはできない。
 中越沖地震の被災地を含む北陸も梅雨明けと同時に連日32度 を越える猛暑が続き、まだ10日間くらいは気圧配置も変わらずに 残暑の厳しい日が続くだろう。
 もし、いくつかの施設を開放して誰も来なくても、地震災害におけるひとつの手段として多地区の施設の開放をぜひ実行して欲しか った。
 できれば、そうしたことに対して生ずる費用にこそ、私たちの支 払う税金を使って欲しい。
 災害の規模と人口密度の関係。また、避難を必要とする時の季節と設備。
 そうしたことを予測せずに、防災の確立はありえない。    

      


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