四国遍路テクテク日記

「四国を歩いて遍路する。」にこだわって平成14年のGWから2年間、5回に分けて歩いた記録を中心に遍路に関するあれこれ。

切幡寺の階段

2005-09-30 09:23:45 | 遍路の風景(写真)
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切幡寺は山門から本堂までたくさんの階段を上らなければなりません。
「是より333段」「是より234段」などたくさんの階段があります。
(写真は是より234段の階段です。)

普通の人でもフウ、フウいって階段を登っています。
お年寄りや足の不自由な人達にとっては、この階段は難敵です。
杖を頼り、手摺りに頼り、若い人の手を借りて登っています。

車やバスでお遍路をしていても駐車場から本堂までは階段などで
お年寄りには大変なお寺が結構あります。

皆さん手摺りにつかまって登ったり、途中で休みながら一段、また一段と
登っていきます。

でも、登りより下りの階段の方が大変です。
下り続けていると膝が笑ったようになり階段を踏み外しそうになります。
お年寄りは、下りの階段を手摺りにつかまりながら慎重に下った方が
いいと思います。

切幡寺はそういった意味では楽にお参りの出来るお寺ではありません。
でも、苦労して本堂に達すると、吉野川の対岸の山々が一望できます。
この光景を目にしただけでもご利益があると思います。

切幡寺の山門

2005-09-29 09:03:31 | 遍路の風景(写真)
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 門前の商店前を通り過ぎて坂道を少し上がったところに
切幡寺の山門があります。

見たとおり壁板の下の方が風雨に晒されて腐っており、
朽ちた部分があります。

切幡寺へ行くには皆さんこの山門を通らなければいけません。

このように朽ち果てた山門が遍路を迎えてくれるところも
何箇所もあるわけではありません。

同じようにボロボロとなっている山門では、
恩山寺の山門も古くて朽ち果てそうですが、
山門の横にある車道を通ので、山門自体はあまり目につかない
場所となっています。

切幡寺の山門は、朽ちてボロボロなのですが、
それでも山門として人の目にさらされています。
私は、そんなボロボロになっても頑張っている姿に
共感を覚えて、心の奥で「頑張れ!」と声援を送っていました。

納経を待つ人達

2005-09-28 08:55:36 | 遍路の風景(写真)
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 本堂と大師堂にお経を上げたあと納経所で納経をしてもらいますが
団体遍路の方達のあとになると納経所には納経帳、掛軸、白衣に
納経をもらうため、お寺の人達が汗だくになって納経帳と格闘しています。

 写真は法輪寺での風景ですが、この時も団体遍路の人達は
お参りを済ませるとバスで昼食へ行っており、
添乗員が残された納経帳を受け取るために納経所にいました。

待たされること30分ほどの間に出来た納経を待つ人の列です。
30分も待たされるといらだつ人も出てきます。

団体遍路の人達は嵐のようにやってきてあっという間に去っていきます。

愛洗院の山門

2005-09-27 08:58:26 | 遍路の風景(写真)
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 車の通らない道を歩いていくと大きな草鞋が立てかけられている
山門があります。
愛洗院の山門です。

愛洗院はこじんまりとしたお寺さんでした。
私が訪れたときは早朝であったため庭を掃き清めている
年配の女性がいただけでした。

せっかくでしたので本堂の前でお経を読ませていただきましたが
納経所が閉まっていましたので納経は出来ませんでした。

山門に草鞋が立てかけられているお寺はこのあとにもありましたが
どういういわれがあるのでしょうか?

愛染院への遍路道

2005-09-26 15:23:09 | 遍路の風景(写真)
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3番札所金泉寺から4番札所大日寺を目指して歩いていくと
車道から別れて山道に入ります。

写真の道が愛洗院へと続く山道です。
入り口には遍路石とへんろみち保存協力会の道標があります。

このようにへんろみち保存協力会の道標が要所要所に立てられており
歩き遍路を導いています。

コンクリートの車道から、一歩、このような山道にはいると
まるでタイムスリップしたかのような感じを受けます。

人がほとんど歩いていない道なので女性が一人で歩くには怖いところも
ありますが、土の道は足に優しいということもあります。

昔の道を歩くと車道を走る車の騒音も聞こえず、
虫や鳥の声を聞きながらのんびり歩ける道です。

土成町の常夜燈

2005-09-22 09:11:29 | 遍路の風景(写真)
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 昔の遍路道に古い常夜灯が残っているものがあります。
石造りの立派なものです。

 昔の人は、この明かりを目印に歩いたのかと思う反面、
よく残されているものだと感心させられます。
これだけ大きなものなら明かりがともされていない日中でも
遠くから目についたことでしょう。

私も歩いていて常夜灯やお地蔵さんなどがあれば
遍路道だと思い、安心して歩いていました。

そういう意味では、現代でも立派な道標の役目を果たしています。

四国第一番

2005-09-21 14:57:17 | 遍路の風景(写真)
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 霊仙寺の参道に「四国第一番」の石柱があります。
その向こうに霊仙寺の山門が見えています。

この石柱を目にする人はJR高徳線板東駅から歩いて霊仙寺へ行こうとする人です。
何故かというと、霊仙寺へバスで行くと山門前の停留所で降りることに
なりますし、車で行く人もこの道は通りません。

 私も、板東駅から歩いて霊仙寺に行くときに初めて目にしました。
なかなか立派な石柱です。
昔はこの参道に旅館などもたくさんあったのではないかと思います。
(左の石柱の向こうにかどやさんの看板が見えます。)

霊仙寺の山門自体は思ったより小さなものでしたので、
この石柱の方が存在感がありました。

杖の長さなど・・・

2005-09-20 10:18:00 | 遍路に関するあれこれ
 杖の長さについて考えてみます。

私が普段歩くときは、両手に何も持たずに歩く方が
バランスが取れます。
ですから、杖をツキながら歩くと、返って歩きづらく感じます。
遍路中は、杖を地面をつかずに斜めに持って歩いています。

 遍路中で杖が一番威力を発するのは山道です。
それも、下り道で威力を発揮します。

下りの山道は足を下へ下へ持っていかなければならず
この時にバランスを崩して転んだりすると大変です。
この時には杖を下についてバランスを取ります。

ですから、杖は出来るだけ長い方が使い勝手はいいです。
短い杖では体を前に曲げなければ地面につくことが出来ません。
これではバランスを崩して転びやすくなってしまいます。

体を真っ直ぐにした状態で坂の下にある足元に杖をつければ
転ばなくすることが出来ます。

杖の使い方を自分なりに考えて、どういった場面で使用頻度が
高いか考えて選びましょう。

 売っている杖は四角い形ですので、握ると角が手に当たります。
これが嫌な方で自作した杖を使っている人もいます。

歩く上でどんな杖が自分にとって最良であるか?
よく考えて購入しましょう!

普段杖を持って歩く習慣がない人にとっては、
杖を持ち歩くことは大変です。
札所について杖差しに杖を差してお参りをします。
お参りが終わって納経も済ませて、
さて次の札所に歩き出してから、手元に杖がないことに気がつく。
よくあることです。

ですから、杖は必ずディパックなどと一緒に置くようにすると
忘れることへの防止策になります。
私も、最初の頃は忘れそうになったことが何度かあります。


 飛行機に乗るときに杖を機内持ち込みすることが出来ません。
荷物として預けることになります。
この時の対応も航空会社によって様々です。
「貴重品です。」というと、立派な箱に入れて運んでくれます。
この箱は、長いものを運ぶ専用の箱です。

また、剥き出しの杖にシールを貼って荷物とされたこともあります。
大事に扱ってほしい場合には、その旨、手荷物のカウンターで
係員にいいましょう。



菅笠の効用・・・

2005-09-16 09:37:03 | 遍路に関するあれこれ
 菅笠の効用について書いてみたいと思います。

お遍路をする人のかぶり物を大きく分けると帽子と菅笠があります。
私も最初は帽子をかぶって歩いていました。
帽子は風が吹いてもよほどの風でなければ吹き飛ばされる
心配はないですし、お日様もそこそこ防いでくれます。
でも、少し歩くと頭からの汗で濡れてしまいます。

そこで、菅笠を使ってみることにしました。
私の買った菅笠は少し大きめの笠です。

笠をかぶってみると頭に当たる部分が痛いので
ここに包帯を巻いてツルが直接頭皮に当たらないようにします。
手ぬぐいをかぶれば、それでもいいのですが。

次に、結び紐を補強します。
買ったときについている結び紐は、細い紐一本でアゴの下で
結ぶようになっています。
(ゴムひもになっているのもあるようです。)

これでは少し風が吹くと吹き飛ばされてしまいます。
そこで、この結び紐を補強します。
補強方法は、笠の頭に当たるツルの部分を、
耳の両側から耳の下の方までをグルッと
囲むように紐で結びます。

そして、両方の耳を囲んだ紐とは別の紐で、
耳の下からアゴを通ってもう片方に耳の下の紐に通して、
アゴの下で紐を結びます。

言葉ではうまく説明できないのですが、
時代劇に出てくるお侍さんが笠をかぶっている姿を
思いだしてください。
アゴのところできっちりと紐を結んでいるはずです。
こうすると、少しくらいの風で吹き飛ばされることはありません。

菅笠をかぶってみて一番驚いたのは、
頭皮に風が当たって夏の暑いときには快適だということです。
笠と頭皮が接している部分はツルの部分だけです。
ですから、頭皮と傘の隙間を風が抜けていきます。
頭の熱が抜けていきます。
夏に歩く方には必須のアイテムだと思います。

菅笠の効用は、笠をかぶって歩いている人は遠目にも
お遍路だということが分かることです。
遍路道から外れて歩いていると、目ざとく笠を見つけて
正しい道を教えてくれることもあります。

そうです、菅笠はお遍路の目印でもあるのです。
「実用品として最適であることと目印としての効用」があります。

菅笠の難点といえば、嵩張るということでしょうか。
区切り打ちをすると何回も自宅と四国を往復しなければなりません。
その往復のたびに飛行機や電車に乗るときなど荷物になります。
風呂敷で包もうとするとかなり大きな風呂敷でなければ包めません。

あとは強い風が吹くと吹き飛ばされそうになるということでしょうか。

これらの欠点はありますが、四国を歩いているときには
いいこと満載のアイテムですので、ぜひ、使ってあげてください。

蛇足ですが、菅笠を買うと雨が降ったときのために
ビニールのカバーがついています。
このビニールのカバーを付けたまま歩いている人がいますが、
全く必要がないと思います。

雨が降ったときでも傘だけでも雨がしみてくることはありません。
熱いときにはビニールのカバーが放熱を妨げます。

ですから、ビニールのカバーは外して使うことをお勧めします。

靴下について

2005-09-15 09:08:45 | 遍路に関するあれこれ
 靴の次にどんな靴下を使うといいのかを考えてみます。

私は最初のころは普通の薄い靴下を2枚重ねで履いていました。
最近の靴にはサイドにも緩衝材が入っており、
足全体をすっぽり包んでくれます。
ですから、靴下は1枚でもいいのかもしれませんが、
靴の中に縫い目などがあり、それらを考えて2枚重ねています。

ところで、最近は5本指の靴下が出てきてます。
この5本指の靴下の方が指の間が乾くのでマメが出来にくいとの
話があったので試してみました。

結論から言うと、5本指の靴下は快適でした。
お遍路のように長時間、長期間歩く場合には
必須のアイテムだと思います。

薄手の5本指の靴下をはいてからは指の間に出来る
マメはなくなりました。

しかし、人間の指の長さはいろいろです。
足の指も靴下の足の指と同じではありません。

私の場合でいうと長時間歩いていると、親指と2番目の指先が
靴下の先に擦れていたくなってきました。

これを解消するために靴下の指先に切れ目を入れて
指先を解放するようにしました。
これをしてからは指先の痛みもなくなり快適に歩けるようになりました。

逆に靴下の指先が余ってしまう指がありましたが、
こちらの方は特に支障がありませんでしたので、
そのままにしておきました。

靴下を1枚でいいか、2枚にするか、
普通の靴下で行くか、5本指にするか。
選択はいろいろあります。

実際どれが自分に合うかは試してみなければ分かりません。
靴と靴下の選択は思った以上に重要ですので、
十分に試した上で出かけることをお勧めします。