1月1日(水曜日)
(第5日目・通算第12日目・歩行距離30.3km・歩行歩数50,543歩)
5:00分、目を覚まし、夕べ買ってきたカップ麺などで朝食を取る。
元旦の朝食にしてはお粗末だが、これも仕方がない。
まずは、こうやってお遍路をしていることに感謝しよう。
まだ真っ暗な安芸市街を歩き、安芸駅へ向かう。
6時ちょうどに安芸駅に着くが、これからごめん方面に行く列車は6:24分なので、
駅のロビーで休むことにした。
6:24分、西分へ向かう列車に乗る。
乗客は私一人だ。
6:40分、やっと薄明るくなってきた西分の駅からサイクリングロードへ出る。
背中の方で少しずつ明るくなってくる初日を気にしながらサイクリングロードを
歩いていく。
7:05分、芸西村と夜須町の町堺に着く。
しかし、まだ朝日は射してこない。
そろそろ、日の出の時間なのだが?
7:40分、夜須町の国道脇を歩いていると後ろから日が射してくる。
後方の山からなので日の出時刻からは30分以上遅いが、紛れもなく初日だ。
後ろを振り返り、初日に向かって手を合わせる。
ほどなく、手結海水浴場にあるヤ・シィパークにつく。
黄色や赤の派手な原色の建物や椰子の木が数本海の方に見えるなど、
すっかりトロピカル調の雰囲気だ。
駐車場も広い。
まっすぐ歩いていくと駐車場のはずれになり、道がなくなった。
堤防があるのでその上を歩く。
堤防の上からは土佐湾が一望できる。
遠くの方に高知市街と浦戸大橋らしい橋も見える。
お日様が背中から押してくれる。
このまま堤防の上を歩いていくと、右手に赤岡と書かれた病院があるので、
右側にある国道へ戻る。
8:25分、赤岡一本松にKマートというコンビニがあるので、
ここから、不用となっている着替えなどを送ることにした。
9:00分、国道が左側に曲がっている。
大日寺へは右に曲がらなければと思い、曲がろうとすると二股のところに
大きな建物がある。
よく見ると建物の上の方に黒潮ホテルと書いてある。
このホテルが今日の宿だ。
とりあえずこのホテルのロビーで一休みすることにした。
今晩このホテルに泊まるのが良いかどうか考えた。
高知市内に宿を探せるのならばその方がいいが、
もし、探せなかったらここまで戻って泊まっても良いと思い、
フロントで相談すると「キャンセルはできます。」とのこと。
この先の宿をどうするかで今日一日の日程が決まるので、
明日の宿を高知屋に決めて、電話してみる。
そうすると、今晩は休んでいるが、明日は営業するといわれたので予約をする。
今日の宿についてはもう少し考えることにして、大日寺へ向かう。
9:50分、大日寺に着く。
第28番札所 大日寺
大日寺の境内には初詣の参拝客が切れ目なく訪れ、
それが家族連れだったりカップルだったりと見ていても楽しい。
本堂と大師堂にお参りし、納経を済ませてから、境内に戻り、
日向ぼっこを決め込んで靴下も脱ぎ、すっかりくつろぐ。
今日の宿をどうするか考えていたが、とりあえず、黒潮ホテルはキャンセルする
ことにして、電話する。
10:20分、国分寺を目指して大日寺を後にする。
戸板島橋を渡り、ヘンロ標識に従って快調に歩く。
このあたりは、畑の真ん中で、ビニールハウスがあったり畑に露地物の
野菜が植えてあったりと、北海道で言うと秋のような気候だ。
車がほとんど走ってこないので、のんびりと、あちらこちらをキョロキョロ
しながら歩いていく。
11:25分、西山のあたりでヘンロ石を見つけたのでちょっと休憩する。
しばらく行くと、十字路があり左の方に小さな神社がある。
真っ直ぐ進もうとすると、神社に参拝に来た人たちの中からお爺さんが、
「この道を向こうの信号まで進み右に曲がればよい。」と教えてくれた。
お礼を言って教えられたように進むと、ほどなく、陸橋がありJR線を跨いでいる。
しかし、その先の交差点でどちらに進めばいいのか分からなくなってしまった。
しばらく進むとヘンロ石があるはずだと思い歩いているが、なかなか、見つからない。
そうこうしていると、国分寺と書かれた標識があり矢印が左側を指している。
この矢印に従って、左に曲がり畑の中を進んでいく。
すると、大きな川にぶつかってしまう。
すぐ右側に橋が見える。
左側にもちょっと遠くだが橋が見える。
ここで考えた。
左手の橋まで行って、もし違っているとかなり戻ってこなければならないので、
右側に架かっている橋を渡り、さらに、橋の名前を確認するとどの辺りにいるか
分かるのではないか?と考え、右に曲がることにした。
右に曲がり橋まで来たが交通量もあり橋の名前を見るために
道路を横切るのも危ないくらいだ。
とりあえず橋を渡ってみることにする。
そうすると、橋を渡ったところに四国の道の標識があり、
紀貫之の名所案内が書かれている。
国分寺へは橋のたもとを左に曲がると良いようなので、案内に従って曲がる。
しばらく進むと、ズーッと先に見覚えのある国分寺らしい森が見えている。
間違いないと思い、適当に歩いていくと、やっと、国府橋のたもとにでる。
何のことはない、どの橋を渡ろうか迷ったところから見えていた
左側の橋が国府橋だったのだ。
ちょっと迷ったが国分寺へ着いた。
12:45分、国分寺へ着く。
第29番札所 国分寺
国分寺は参拝のお客さんも多く、駐車場にはひっきりなしに車が出入りしている。
よく手入れされた境内へ続く参道を歩く。
ここの境内は本当にきれいに手入れされている。
本堂と大師堂にお参りして、納経所へ向かう。
途中に赤い実を付けた灌木があるので写真を一枚撮る。
本堂前に戻り、ベンチに腰掛け境内にいる参拝客をぼんやりと見ていた。
お父さんが着物姿の家族が来て本堂をバックに写真を撮っている。
家族全員の写真を撮るためにシャッターを切ってくれる人を捜しているようなので、
声を掛けて、写してあげる。
お腹がすいたので、国分寺の手前に喫茶店みたいなレストランがあったので
そこへもどって昼食を取ることにした。
しかし、店へ行ってみると、なんと、お休みだった。
仕方がないので、持っていたオールレーズン(クッキー)と飲み物で昼食とする。
ついでに今日の宿を決めようと思い、高知市の駅付近の宿に電話をしてみる。
安楽寺そばの「旅館まつば」に電話すると、もうやめてから何年にもなるといわれる。
お詫びを言って、電話を切る。
次に、駅前の「ビジネスホテルタウン」へ電話すると宿泊OKの返事。予約する。
善楽寺のそばにJR土佐一宮駅があるので、今日は善楽寺まで歩いて、
そこからは電車で高知市内へ入り駅前のビジネスホテルに泊まることにした。
13:20分、国分寺を発つ。
国分寺からは国分寺川沿いの道を歩くことにする。
この道は、細い道なので車の通りも少なく、気持ちよく歩けると思い選んだ。
空が曇ってきた。川原に近いところを歩くので風が出てきて寒い。
時折吹く強い風に煽られながら歩いていく。
14:00分、浦原橋を渡る。
左手に高い塀が見える。
最初はなにか分からなかったが、どうやら刑務所の塀のようだ。
塀の上に監視所が見える。沢の左側が刑務所になっている。
広い車道に出るとかなりの交通量がある。
坂道を上がると目の下に森が見える。どうやら一宮神社の森のようだ。
14:50分、初詣の人達でごった返す善楽寺の山門に着く。
第30番札所 善楽寺
善楽寺は土佐一宮(いっく)神社と同居している。
初詣で一宮神社に行く人も、みなさん、山門をくぐっていく。
着物姿の女性も沢山歩いており、今日一番華やいだ雰囲気だ。
そんな参道に一人で座って托鉢をしているお遍路がいる。
よく見ると中年の男性だ。
そういえば納経所に「境内での托鉢、物乞いをしないように」と書かれた
張り紙をあちらこちらのお寺で見た。
最近托鉢をする人が増えているのだろうか?
駐車場を警備する警備員もたくさん出ており、
もう3時近いのに出入りする車の誘導に忙しい。
時折、青空が広がっているがパラパラと天気雨が降る。
そんな中で、隣の神社に比べると人気の少ない善楽寺で、本堂と大師堂にお参りする。
これで、今日の予定分を歩いたことになる。
15:20分、善楽寺を後にし、約1キロ先のJR土佐一宮駅へと向かう。
私の前を大きなザックを背負った中年の男性が歩いている。
ザックの背中に杖が差してあるから、どうやらお遍路らしい。
追いついたので挨拶する。
「今日はどちらまでですか?」と尋ねると、
「私は6月から野宿をしながら逆打ちで歩いている。
この辺のお寺は大日寺まで歩いたが、その先はお正月休みで商店が休みと思い、
この三が日は高知市内にいるつもりだ。
いずれにしても、先を急いでいるわけではないので、気に入ったところがあれば
何日も留まっていることもある。」と話してくれる。
今晩は、一宮駅で野宿するらしい。
15:30分、駅に着く。
時刻表を見るとちょうどよく39分発の高知行きの電車がある。
このお遍路さんとはここで別れる。
初めて高知駅へ来た。駅前はちょっと殺風景な気がする。
駅前にもかかわらずデパートとか商店の姿が見えない。
オフィスビルばかりが目に付く。
高知駅から5分くらいのところにBHタウン駅前はあった。
ホテルの食堂は休みなので、近くのコンビニを教えてもらう。
一度部屋に入ると外へは出かけたくないので、
教えてもらったローソンで明日の朝の分の食べ物も買い込んで、やっと一息つく。
ビジネスホテルの風呂は狭くて嫌いだ。
浴槽の中で体を伸ばすことができない。足を揉むのも一苦労だ。
おまけに肩まで湯に浸かることすらできないし、洗い場がないのでゆったりできない。
ただ体を洗い、汗を流すだけの場所だ。
私がお風呂に入るのは、今日一日頑張った足や体をいたわるためで、
そういう場所が欲しいのに、そうした機能は全くない。
これでは逆にストレスがたまってしまう。
ここまで毎日30キロほどを歩いてきたが、明日は雪蹊寺前の高知屋さんまでの
約20キロほどなので、ちょっと一息付ける。
(第5日目・通算第12日目・歩行距離30.3km・歩行歩数50,543歩)
5:00分、目を覚まし、夕べ買ってきたカップ麺などで朝食を取る。
元旦の朝食にしてはお粗末だが、これも仕方がない。
まずは、こうやってお遍路をしていることに感謝しよう。
まだ真っ暗な安芸市街を歩き、安芸駅へ向かう。
6時ちょうどに安芸駅に着くが、これからごめん方面に行く列車は6:24分なので、
駅のロビーで休むことにした。
6:24分、西分へ向かう列車に乗る。
乗客は私一人だ。
6:40分、やっと薄明るくなってきた西分の駅からサイクリングロードへ出る。
背中の方で少しずつ明るくなってくる初日を気にしながらサイクリングロードを
歩いていく。
7:05分、芸西村と夜須町の町堺に着く。
しかし、まだ朝日は射してこない。
そろそろ、日の出の時間なのだが?
7:40分、夜須町の国道脇を歩いていると後ろから日が射してくる。
後方の山からなので日の出時刻からは30分以上遅いが、紛れもなく初日だ。
後ろを振り返り、初日に向かって手を合わせる。
ほどなく、手結海水浴場にあるヤ・シィパークにつく。
黄色や赤の派手な原色の建物や椰子の木が数本海の方に見えるなど、
すっかりトロピカル調の雰囲気だ。
駐車場も広い。
まっすぐ歩いていくと駐車場のはずれになり、道がなくなった。
堤防があるのでその上を歩く。
堤防の上からは土佐湾が一望できる。
遠くの方に高知市街と浦戸大橋らしい橋も見える。
お日様が背中から押してくれる。
このまま堤防の上を歩いていくと、右手に赤岡と書かれた病院があるので、
右側にある国道へ戻る。
8:25分、赤岡一本松にKマートというコンビニがあるので、
ここから、不用となっている着替えなどを送ることにした。
9:00分、国道が左側に曲がっている。
大日寺へは右に曲がらなければと思い、曲がろうとすると二股のところに
大きな建物がある。
よく見ると建物の上の方に黒潮ホテルと書いてある。
このホテルが今日の宿だ。
とりあえずこのホテルのロビーで一休みすることにした。
今晩このホテルに泊まるのが良いかどうか考えた。
高知市内に宿を探せるのならばその方がいいが、
もし、探せなかったらここまで戻って泊まっても良いと思い、
フロントで相談すると「キャンセルはできます。」とのこと。
この先の宿をどうするかで今日一日の日程が決まるので、
明日の宿を高知屋に決めて、電話してみる。
そうすると、今晩は休んでいるが、明日は営業するといわれたので予約をする。
今日の宿についてはもう少し考えることにして、大日寺へ向かう。
9:50分、大日寺に着く。
第28番札所 大日寺
大日寺の境内には初詣の参拝客が切れ目なく訪れ、
それが家族連れだったりカップルだったりと見ていても楽しい。
本堂と大師堂にお参りし、納経を済ませてから、境内に戻り、
日向ぼっこを決め込んで靴下も脱ぎ、すっかりくつろぐ。
今日の宿をどうするか考えていたが、とりあえず、黒潮ホテルはキャンセルする
ことにして、電話する。
10:20分、国分寺を目指して大日寺を後にする。
戸板島橋を渡り、ヘンロ標識に従って快調に歩く。
このあたりは、畑の真ん中で、ビニールハウスがあったり畑に露地物の
野菜が植えてあったりと、北海道で言うと秋のような気候だ。
車がほとんど走ってこないので、のんびりと、あちらこちらをキョロキョロ
しながら歩いていく。
11:25分、西山のあたりでヘンロ石を見つけたのでちょっと休憩する。
しばらく行くと、十字路があり左の方に小さな神社がある。
真っ直ぐ進もうとすると、神社に参拝に来た人たちの中からお爺さんが、
「この道を向こうの信号まで進み右に曲がればよい。」と教えてくれた。
お礼を言って教えられたように進むと、ほどなく、陸橋がありJR線を跨いでいる。
しかし、その先の交差点でどちらに進めばいいのか分からなくなってしまった。
しばらく進むとヘンロ石があるはずだと思い歩いているが、なかなか、見つからない。
そうこうしていると、国分寺と書かれた標識があり矢印が左側を指している。
この矢印に従って、左に曲がり畑の中を進んでいく。
すると、大きな川にぶつかってしまう。
すぐ右側に橋が見える。
左側にもちょっと遠くだが橋が見える。
ここで考えた。
左手の橋まで行って、もし違っているとかなり戻ってこなければならないので、
右側に架かっている橋を渡り、さらに、橋の名前を確認するとどの辺りにいるか
分かるのではないか?と考え、右に曲がることにした。
右に曲がり橋まで来たが交通量もあり橋の名前を見るために
道路を横切るのも危ないくらいだ。
とりあえず橋を渡ってみることにする。
そうすると、橋を渡ったところに四国の道の標識があり、
紀貫之の名所案内が書かれている。
国分寺へは橋のたもとを左に曲がると良いようなので、案内に従って曲がる。
しばらく進むと、ズーッと先に見覚えのある国分寺らしい森が見えている。
間違いないと思い、適当に歩いていくと、やっと、国府橋のたもとにでる。
何のことはない、どの橋を渡ろうか迷ったところから見えていた
左側の橋が国府橋だったのだ。
ちょっと迷ったが国分寺へ着いた。
12:45分、国分寺へ着く。
第29番札所 国分寺
国分寺は参拝のお客さんも多く、駐車場にはひっきりなしに車が出入りしている。
よく手入れされた境内へ続く参道を歩く。
ここの境内は本当にきれいに手入れされている。
本堂と大師堂にお参りして、納経所へ向かう。
途中に赤い実を付けた灌木があるので写真を一枚撮る。
本堂前に戻り、ベンチに腰掛け境内にいる参拝客をぼんやりと見ていた。
お父さんが着物姿の家族が来て本堂をバックに写真を撮っている。
家族全員の写真を撮るためにシャッターを切ってくれる人を捜しているようなので、
声を掛けて、写してあげる。
お腹がすいたので、国分寺の手前に喫茶店みたいなレストランがあったので
そこへもどって昼食を取ることにした。
しかし、店へ行ってみると、なんと、お休みだった。
仕方がないので、持っていたオールレーズン(クッキー)と飲み物で昼食とする。
ついでに今日の宿を決めようと思い、高知市の駅付近の宿に電話をしてみる。
安楽寺そばの「旅館まつば」に電話すると、もうやめてから何年にもなるといわれる。
お詫びを言って、電話を切る。
次に、駅前の「ビジネスホテルタウン」へ電話すると宿泊OKの返事。予約する。
善楽寺のそばにJR土佐一宮駅があるので、今日は善楽寺まで歩いて、
そこからは電車で高知市内へ入り駅前のビジネスホテルに泊まることにした。
13:20分、国分寺を発つ。
国分寺からは国分寺川沿いの道を歩くことにする。
この道は、細い道なので車の通りも少なく、気持ちよく歩けると思い選んだ。
空が曇ってきた。川原に近いところを歩くので風が出てきて寒い。
時折吹く強い風に煽られながら歩いていく。
14:00分、浦原橋を渡る。
左手に高い塀が見える。
最初はなにか分からなかったが、どうやら刑務所の塀のようだ。
塀の上に監視所が見える。沢の左側が刑務所になっている。
広い車道に出るとかなりの交通量がある。
坂道を上がると目の下に森が見える。どうやら一宮神社の森のようだ。
14:50分、初詣の人達でごった返す善楽寺の山門に着く。
第30番札所 善楽寺
善楽寺は土佐一宮(いっく)神社と同居している。
初詣で一宮神社に行く人も、みなさん、山門をくぐっていく。
着物姿の女性も沢山歩いており、今日一番華やいだ雰囲気だ。
そんな参道に一人で座って托鉢をしているお遍路がいる。
よく見ると中年の男性だ。
そういえば納経所に「境内での托鉢、物乞いをしないように」と書かれた
張り紙をあちらこちらのお寺で見た。
最近托鉢をする人が増えているのだろうか?
駐車場を警備する警備員もたくさん出ており、
もう3時近いのに出入りする車の誘導に忙しい。
時折、青空が広がっているがパラパラと天気雨が降る。
そんな中で、隣の神社に比べると人気の少ない善楽寺で、本堂と大師堂にお参りする。
これで、今日の予定分を歩いたことになる。
15:20分、善楽寺を後にし、約1キロ先のJR土佐一宮駅へと向かう。
私の前を大きなザックを背負った中年の男性が歩いている。
ザックの背中に杖が差してあるから、どうやらお遍路らしい。
追いついたので挨拶する。
「今日はどちらまでですか?」と尋ねると、
「私は6月から野宿をしながら逆打ちで歩いている。
この辺のお寺は大日寺まで歩いたが、その先はお正月休みで商店が休みと思い、
この三が日は高知市内にいるつもりだ。
いずれにしても、先を急いでいるわけではないので、気に入ったところがあれば
何日も留まっていることもある。」と話してくれる。
今晩は、一宮駅で野宿するらしい。
15:30分、駅に着く。
時刻表を見るとちょうどよく39分発の高知行きの電車がある。
このお遍路さんとはここで別れる。
初めて高知駅へ来た。駅前はちょっと殺風景な気がする。
駅前にもかかわらずデパートとか商店の姿が見えない。
オフィスビルばかりが目に付く。
高知駅から5分くらいのところにBHタウン駅前はあった。
ホテルの食堂は休みなので、近くのコンビニを教えてもらう。
一度部屋に入ると外へは出かけたくないので、
教えてもらったローソンで明日の朝の分の食べ物も買い込んで、やっと一息つく。
ビジネスホテルの風呂は狭くて嫌いだ。
浴槽の中で体を伸ばすことができない。足を揉むのも一苦労だ。
おまけに肩まで湯に浸かることすらできないし、洗い場がないのでゆったりできない。
ただ体を洗い、汗を流すだけの場所だ。
私がお風呂に入るのは、今日一日頑張った足や体をいたわるためで、
そういう場所が欲しいのに、そうした機能は全くない。
これでは逆にストレスがたまってしまう。
ここまで毎日30キロほどを歩いてきたが、明日は雪蹊寺前の高知屋さんまでの
約20キロほどなので、ちょっと一息付ける。