10月 21日(火)、名古屋市のある中学校からの依頼で、愛知県の北東部、豊田市(旧稲武町)と設楽町の境にある「面ノ木原生林」で観察会を行いました。
愛知県内には、原生林といわれる人の手の入っていない森林はほとんど残っておらず、ここ「面ノ木」と「段戸・裏谷(通称:きららの森)」の2カ所といわれています。
ちょうど、面ノ木原生林の下にあたるところに、名古屋市教育委員会の野外学習センターがあり、中学2年生が2泊3日で野外学習を行っています。
2年前、この中学校から野外教育センターから面ノ木峠までのハイキングで「自然観察」を取り入れたいということで、私たちの西三河自然観察会に話があり、県内の自然観察指導員の方々の協力によりこの観察会が始まりました。以降この3年間に、名古屋市の校外学習で、3校4回の観察会を行うことになりました。
今回も自然観察指導員や名古屋大学の院生、計18名が集まってくれました。
この中学校の2年生の生徒数は100名弱。1班6~7人の15班に分かれ、コースタイム50分のところを約2時間をかけ、野外教育センターから原生林を通り面ノ木峠をめざします。
今回の観察会では生徒達に3つの課題を与えました。
1 一人に1枚「木の葉のカード」を渡して「自分の木」を探すこと。
2 デジカメで10種類の「きのこ」の写真を撮り学校に帰って調べること。
3 7枚の「落ち葉」を拾うこと。
結果として、1の「自分の木探し」は生徒達にも好評でおおむね成功でした。
2のきのこ探しは、1週間前の下見の時はあちこちらにいろいろなきのこがあったのですが、今回はすっかりなくなっていましたが、場所によって移り変わる森林の中を、自分たちの気に入ったものを自由に撮ることの許可もいただいていたので、メモリーがなくなるほどの撮った子供達もいたそうで、半分成功といったところでしょう。
3の「落ち葉拾い」は時間調整に「葉っぱじゃんけん」をしてもらおうとのことで考えたものですが、ほとんど時間的な余裕がなかったようで、「葉っぱじゃんけん」を下半はなかったようです。いろんな色や形の落ち葉があることがわかってもらえたと思うので、少し成功といったところでしょうか。
自然観察会というと、どうしても生き物の「解説」や「種の識別」の会になりがちですが、今回の観察会では、自然の中にはいろいろな生き物がいることを、自らで探し、五感で感じてもらうことを考えて企画しました。その点ではある程度の成果はあったように思います。
また、今回は1班6~7名と比較的少人数であったので、ほとんどの生徒たちに目が届き、指導員にとっても観察会を進めやすかったようでした。
私はとりまとめ役でしたので、最後尾を先生と歩きましたが、色づき始めた原生林の中、自然を感じている生徒たちの姿を見て、ほんの少しだけですが、自分の役割をできたことを嬉しく思っていました。
できることなら今回の生徒たちの自然体験が、彼らの思い出の中に少しでも残ってくれたらと願うばかりです。