ちび庭日記

借り家住まいのちいさな庭の植物達を中心に、身近に感じたことを載せてゆければいいな~と思っています…(^_^)。

はっ、として、顔を上げる。

2006年09月21日 | 京都
瞬間、ぼうっとしかけていた意識が引き戻されたような。
???
持っていた箕を手放して、竹帚を握ったまま振り返って、道の向かい側へ。
コンクリートの塀の上、濃い硬い緑の葉っぱの中。
ん~、?

あったあ!ありましたあ!
今年初めての、キンモクセイ(Osmanthus fragrans var. aurantiacus)のつぼみ。
ほお~。もうそんなじきですかのお~。はやいですのお~。ほっほっほ。

どれどれ?あのいつも気になっていた、三角形の、どうみてもウロコかバルタン星人のハサミにしか見えないようだった芽は、いったい花芽だったのかしら?葉芽だったのかしら???う~ん、よくわからない。すっかり跡形もなくかわいい蕾に変身している。
あれからどんなふうに育ってこのかわいい蕾が出ているのやら???
なんだか、いきなり咲いたようで慌ててしまいます。

ほんと、いいにおいですね~。ちなみに、庭主はギンモクセイの匂いもとっても好きです。ちょっとミルキーのような、甘いけどより淡い上品な匂い。でも、こちらは花も少なくて、匂いもか細い感じ。なかなか出会えません。昔住んでいた家には植えてあったんだけどなあ~。

さて、今日は、匂いのお話。
ここ数日、ずう~っと比叡山のふもとのシキミ畑で草刈をしておりました。背丈ほども茂ったススキとシダにうんざりしながら斜面と格闘していたのですが、そのほんのちょっとした役得。シキミ(Illicium anisatum)って、ご存じですか?仏壇に御供えする、いい匂いのする緑の葉っぱです。草刈機をいれるたびに、いっしょに刈り取ったひこばえから、クスノキとはまたちょっと違う、ふわっといい匂いがします。園芸店にいた頃、このシキミを一抱えもある山取りの大きな枝の束から良いところを選りすぐってお供え用の束に仕立てていたのですが、そのときも「ん~、いいにおい」っとうっとりしていたものでした。

このシキミ、調べてみたら、なんと意外なことが。
実が猛毒である!って事は知っていたのですが。なんと!実に含まれる「シキミ酸」という成分は、あの鳥インフルエンザのお薬、「タミフル」の原料なんですねえ~!!!ね、ね、この実拾って帰ったら高く売れる???(注:シキミの実は劇物指定です。安易に持ち歩かないように。)
そしてそして。なんと、シキミって、スギともどもお線香の原料だったのね~!!!

そおかあ。線香の匂いかあ。…。たしかに、お寺好きの庭主としては線香の匂いは嫌いじゃあないが…。んでも、生のシキミの匂いはもっと爽やかないい匂いなんですよお~。そうそう。ミカン科だからいい匂いするんだ、なんて思ってたら間違い。モクレン科だったのね。ミカン科なのは「ミヤマシキミ(Skimmia japonica) 」の方。そう言われれば、花がヒメコブシに似てるといえなくもない???

最後に、最近のお気に入り。
アロマテラピーに凝りだした、という訳でもないのですが。急になんとなく香りがほしくなって、買ってしまいました。マンダリンオレンジのハーバルオイル。香水に憧れながらも、すぐに頭が痛くなる(というのと、仕事上。蜂がよってくるらしい)ので一切つけない庭主。でも、肩や首筋がすごく凝り性なのと、お仕事から帰ってきたらな~んか気分転換したいっ!ということで、つい。

それも、とあるお庭のお手入れをしていた時の事。夏の猛暑の中の作業で、「あ~、もう体がうごかない~っ」と、かなりぐったりしてきたころ。目の前でスダチ??なのか、ミカンの若い実なのか、濃い緑の小さな実がポトリと枝から落ちた瞬間。ふっと、柑橘系のあのすっぱそうな匂いがして、急に目が覚めたように、頭と体がしゃきっとしたんですよね~。おもわず、拾って匂いを深く吸い込んでみました。う~ん、香りの威力、恐るべし。

でも、探すとなったら匂いにもこだわりが。リラックスのオレンジ?やすらぎのラベンダ~?ロ~ズもいいよな~。お肌にいい匂いっていうし…と、いろんなメーカーのアロマテラピー用のオレンジやらローズやらを試してみるのですが、なかなか自分が「これっ!」イメージしているて匂いって、いざ探してみるとないもんなんですね。甘過ぎず、辛すぎず(?)…それだけ、人が「これがオレンジのにおい」と思う匂いは実は千差万別って事でしょうか。「ローズ」に至っては、バラ自体がいろんな系統の匂いがあるし…こちらは、イメージのがなくてあきらめました。

マンダリンオレンジのハーバルオイルで酷使した手や肩のマッサージ。くせになりそうです。あなたもお気に入りのひと瓶、いかがですか?(BGMは『茶色の小瓶』)。

☆今日のちび庭気温:18~29℃ お天気よかったですね~。桜の木にほんのすこ~しずつ、黄色い葉っぱが混じり始めました(^0^)。