La chambre de la Rose

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ルグリ・ガラ ちょっと付け足しで。。

2017-08-27 08:09:59 | マニュエル・ルグリ(Manuel Legris)
ルグリ・ガラの演目で少しだけ付け足しで。

海賊のオダリスクですけど、このオダリスクは完全な監督のオリジナルで、細かい足捌きがまさにフランスメトッドだと思います。
このオダリスクで使われている音楽なのですが、アダン作曲のL'Écumeur de merという作品の中のLes Odalisquesというタイトルなのだと、海賊初演時のダンソマニさんのインタビューの中で監督が語っています。
面白いのはL'Écumeur de merが日本語に訳すとこれまた海賊だということです。
同じインタビューの中で、最初は伝統的なオダリスクの振り付けに沿ったものにしようと思っていたのだけど、この曲を聴いた時に、なぜ作り直さないのか?と思い、それで新しいものを作ったと語っています。
ちなみにL'Écumeur de merの音楽はルグリ版海賊の第一幕でメドゥーラと奴隷の踊りでも使われています。
監督は海賊を振り付けるにあたり、まず物語をシンプルにしたかったそうで、その発想からアリを削っています。
そして同様に音楽を重要視して再編成しているのですが、そういった試みの中で見つけたひとつがL'Écumeur de merという作品だったようです。



あと、ド・バナ氏のFactumですけど、プログラムを見ると日本初演になっているのですが、あれ?確かFactumって以前もやったような?と疑問に思っていました。
実際に作品を観ると観た記憶が蘇って来ず、???となっていたのですが、2013年のマニュエル・ルグリの新しい世界のプログラムを見返してみたら、やはりFactumという同名の作品があったんですよね。
ただし、この時は振付に名前があるのはド・バナ氏のみで、音楽もフェルナンダ・アンド・ベルナルダ・デ・ウトレーラ/ルイス・ミゲル・コボとなっていて今回のFactumとは違いました。
今回は振付はド・バナ氏とエレナ・マルティンの共同みたいで音楽もカイハン・コルホーだそうです。
ただ少なくともプログラムを読む限りは作品に込めたメッセージはどちらも同じような感じなので(タイトルが同じなので当然といえば当然なのかも)、新たに作り直したっていうことなのでしょうか。
きっとド・バナ氏はよっぽどこの、去って行ってしまった男の幻影に囚われた女、というテーマが気になっておられるんでしょうね。
でも現実の世界では去って行った男の幻影に囚われている女って少なそうですけどね。

もうひとつ、ド・バナ氏の作品で、I have been kissed by you...ですけど、エレナとド・バナ氏のパート、少しずつ毎回振付が変わってましたよね? アドリブを取り入れることで、作品の中により深く自分を置こうとするド・バナ氏の独特の演出なのかしら?





それとみなさん、え?そうだったっけ?と仰るのですが、ウィーンの若者たち、ジェロー・ウィリック以外、ニーナ・トノリ、ナターシャ・マイヤー、ニキーシャ・フォゴ、ヤコブ・フェイフェルリック、ジェームズ・ステファンは2015年の沖縄公演で来日しているんです。
(沖縄にはチェリヴィチコも来ていました。)
沖縄公演に行かれた方なら、彼らがどれほど成長したかわかってくださるのではないかと思います。
チェリヴィチコとニーナ・トノリは昨年のアーティスティック・バレエ・ガラでも出ていまして、その時はヌレエフ版のドンキを踊っています。
ニーナは英国ロイヤルバレエ学校を卒業後、ウィーンを含めいくつかのバレエ団の入団試験に合格していた中、ウィーンにやって来てくれました
みんな今後がとても楽しみなのですが、私の1番のご贔屓はやっぱりヤコブです。
監督も今回のルグリガラのインタビューの中で何度か名前を出していますが、何よりヤコブの素晴らしいところは、パートナーのサポートがうまいところではないでしょうか。
監督と同じ、決して派手な踊りでアピールすることはありませんが、パートナーのためにそっと手を差し出す、そんな彼の踊りが私は大好きです
今度の来日の際にはコンラッドを踊るんでしょうか?イメージにはないけど(笑)
ヤコブは監督が踊って来た全ての役を踊って見せて貰いたい。
本当に楽しみです。
昨年観たライモンダについて書いています。良かったら読んでみてください
ライモンダ 2016.12.26


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