La chambre de la Rose

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オネーギン @ウィーン

2020-01-27 10:07:00 | マニュエル・ルグリ(Manuel Legris)

ウィーンに来ています。
ルグリ監督がウィーンに行ってから、いつかはウィーンで観たいと思っていたオネーギン。
ようやく念願かなって見ることができました。

オネーギンはロマン・ラツィック、タチアーナにケテヴァン・パパヴァ、レンスキーにヤコブ❤️、オルガにマジソン・ヤング、そしてグレーミン公爵にはシショフ。

私にとってはオネーギンと言えばルグリ監督ですから、観ながら残念な気持ちになったらどうしようと言う一抹の不安はあったのですが、杞憂に終わりました。
ロマンのオネーギンは監督のそれとは違い、冷たさはないものの、自分の殻に閉じこもってしまい、他人には関心の無いオネーギンというように見えました。
グレーミン公爵での舞踏会で椅子に腰掛ける場面では、ルグリ監督の恐ろしく美しいポージングが頭をよぎり、それと比べるとロマンの座り方は背中も丸まっているし足も両足が曲がっていて、一瞬、えっ?っと思いましたが、美しさがより冷たさを引き出すのであれば、ロマンの座り方はオネーギンのどこかウジウジとした内向性を引き立てるにはもってこいの腰掛け方だなーと。

タチアーナのケテヴァンも、本来明るい雰囲気のある人ですから、本の虫のタチアーナが合うのかしら?と思っていましたが、そんな心配いりませんでした。
美しく聡明で真面目で良家のお嬢様の気品がありつつもどこか田舎っぽさの残るタチアーナ。オネーギンを純粋に愛する気持ちが出ていました。
グレーミン公爵夫人になってからはキラキラの美しさが宿って眩しいくらいでしたが、オネーギンを振る場面では、ちょっと乱暴なくらいのパフォーマンスで、オネーギンに手紙を見せる時には、
これこれ、これあんたが送って来たやつ、分かる?こういうことを私もあんたにされたんだからね、ビリビリっ
って手紙を破っていて、公爵夫人になってからは割と激しい性格になったのかな?と。

手紙のPDDではロマンが流石に体力切れな感じもあり(ルグリ監督が多分体力あり過ぎるんだと思うけど)タチアーナを抱えて走る振り付けではもう少し早く走って欲しかったと思うところもありましたが、それでも2人の踊りは素晴らしく、うるうるっとこみ上げるものがあり…


オルガを演じたマジソンは、無邪気でタチアーナと比べたらまだまだ子供。オネーギンの誘いにも、ただただ面白そうだから一緒に踊る、そこにはなんの駆け引きもありません。
だからこそレンスキーを失った時の悲しみがよりはっきりと観客に伝わってきました。

そしてヤコブのレンスキー。
もうこれは、演技力のある彼ならではのレンスキー❤️
舞台が始まった時には若干の緊張が見られてテクニック的に不安な部分もありましたが、彼の場合はそれが気にならないくらい演技が素晴らしい。
舞台が進むにつれ緊張も落ち着いたのか、踊りも落ち着いて来て、演技の素晴らしさがますます映えました。
どの表情をとっても素晴らしく、決闘を申し出たあとの、自分のしたことに対する恐怖と後悔とがないまぜになった演技はお見事でした。
決闘に向かう直前のオルガの静止を振り払ったときの、怒りとも悲しみとも言えない激情と、タチアーナに対する助けを求めるような表情の対比も見事で、ああやっぱりこの子はすごい、ぜひともヤコブでオネーギンが見たい、彼がオネーギンを踊る時は何がなんでも駆けつけようと心に誓いました。

ウィーンのオネーギンは、パリオペや本家と比べると衣装や美術が違っているので、安っぽい感じだと嫌だなと思っていたのですがとても美しく、嬉しい誤算でした😊
群舞を踊ったダンサーたちも皆素晴らしく、私が最初にカンパニーを見た時と比べたら比較にならないほどエレガントで、この美しい舞台を見られたことにひたすら感謝です。

そしてポーランドから監督も帰って来ていて❤️
私がオネーギンを見たのはルグリ監督のアデュー以来で、今回は客先にそのオネーギンも座っていて同じ舞台を見ているのだと思うと胸にグッと来るものがあり…
またひとつ素晴らしい思い出ができました😊








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