3月20日、幸運なことに監督の海賊の初演を観ることができました。
その日の話を少し。
当日はまずオペラ座の見学ツアーに参加しました。
これはウィーンに行くと必ず参加するのですが、今回はまた格別でしたね。
舞台のセットがもう組まれていたため、舞台袖からの見学は今回はできませんでしたが、それでも海賊船を写真に収めることができ大興奮でした
さて監督振り付けの海賊はそれはもう楽しくて。
私自身、今まで海賊を全幕で観たのはDVDでだけでしたので正直言うと楽しめるかいささか不安な部分もあったのですが、そんな不安は無用でした。
最初から最後まで踊りの連続で、すべてのダンサーにそれぞれ見所が用意されている、そんな振り付けで、監督のダンサーたちへの愛情を感じ、観ていて楽しいのに泣けてきちゃうんですよね。
ウィーンを観るときはいつもそうなんですけど(笑)
監督のダンサーたちへの愛情と、それに応えようとするダンサーたちの気持ちが伝わってきて、今これを書いていても泣けてきちゃうんです。。
初日の主役を踊ったのはロバート・ガブドゥーリンとマリア・ヤコブレワでした。
ロバートは見た目はシャルル・ジュドのようなアジア系の面立ちなのですが、踊りはエレガントで、マリア演じるメドゥーラと恋に落ちる場面はまるでロミオとジュリエットのような甘さがありました。
わたしは初めて彼の踊りを見た時から彼が好きで、早く日本にもきて欲しいと思っているのですが、今回ライブストリーミングで世界に映像が配信されることがとても嬉しくて
マリアとギュリナーラを踊ったリュドミラのテクニックは冴え渡っていて、会場は湧きに湧きました。
ダビデ・ダトのブリバントも物凄い拍手でした。
彼は甘い顔立ちですが、実は体型のバランスがさほど良くなくて、でも、キレッキレの踊りとイタリア人の彼の情熱的な部分が役柄にピッタリで素晴らしかったですね。
相手役となったアリーチェとのバランスも良く最高でした。
オダリスクを踊った3人、ナターシャ・メール、ニーナ・トノリ、プリスカ・ツェイセルもよかったです。
この3人は監督もかなり推してますよね。
私も3人とも初めて見たときから、おおっ!って思いましたもん。
とにかく目立つ。
群舞で踊っていても、つい目で追っかけてしまう3人です。
この3人が初演のオダリスクを踊るんだと知った時には、さすが監督
とニヤッとしてしまいました。
オダリスクの振り付けはこれぞルグリ、というような足捌きのかなりきいた振り付けで面白いですよー。
個人的にはこのオダリスクの振り付けがルグリ版海賊で1番好きです。
とにかく全てのダンサーが素晴らしかったです。
さすが監督という、難易度の高い振り付けがこれでもかというくらい次々とやってくるんですけど、本当にみんなよく頑張った!って思いました。
さすが自らを古典のダンサーだという方だけあって、古典の全てのテクニックが網羅されているんじゃないかというくらい、多様なテクニックを観ることができます。
構成としてはアリをなくしたことが大正解となったと思います。
正直、アリって大して話の筋には絡まないですもんね。
アリがない分、監督が狙った通り話の筋がシンプルになったと思います。
第一幕が終わったところでもう大歓声で。
それは凄かったです。
衣装も美しく、何度でも見たいです。
音楽はコンラッドとメドゥーラのPDDで、シルヴィアの最後のPDDで使われているドリーブの曲が使われていたりルグリらしさも満載です。
ライブストリーミングは日本時間の4/3から配信です!