La chambre de la Rose

好きなことを好きなように書いてます

6/6 のジゼル

2018-06-08 07:20:31 | マニュエル・ルグリ(Manuel Legris)
マリー・アントワネットの感想もまだだけど、先にこっちの感想を書いておこう。

ジゼル: オルガ・スミルノワ
アルブレヒト: セミョン・チュージン
ヒラリオン: エノ・ペシ
ミルタ: 橋本清香
ドゥ・ウイリ : スヴェヴァ・ガルジューロ、アニータ・マノロヴァ
ペザント: ナターシャ・マイヤー、スコット・マッケンジー


まず、この舞台を観られた幸運に感謝です。
スミルノワもチュージンも大好きなんですが、せっかくウィーンまで行くのだから
ウィーンのダンサーで舞台を観たかったくらいのことを思っていたのですが
やはりスミチューペアは凄かった。
格が違うとは正にこのこと。
キム・キミンの時も思いましたが、これくらいに他を圧倒するような
そんなスターダンサーがウィーンにも早く育って欲しい。


と、前置きが長くなりました。

スミルノワのジゼルは気品がありすぎちゃって、他の村人とは明らかに違います。
ジゼルは貴族との間にできちゃった娘だったのでは?という説がありますが正にそんな感じ。
全てのパが美しく、軽やかで繊細。
ザハロワのような女王然としたところがないので気品はあるけど近寄りがたさはない。

チュージンにアルブレヒトはと言えば、まあなんて優しいアルブレヒト
こんなに優しいアルブレヒトって見たことない。
かつてマラーホフがジゼルへの愛は遊びではなく真実であったというスタイルで踊っていましたが
マラーホフのアルブレヒトがジゼル大好き光線出しまくりだったのに対し、
チュージンのそれは、ジゼルのことが大切で大切で、優しく温かく包み込むように愛している感じ。
こんなアルブレヒトに愛されたら幸せだろうな、と。
ジゼルを心底羨ましく思っちゃいました

花占いをするジゼルのことも、ベンチに片足乗せて腕組んで上から目線で見る(デニスはこちらのタイプでした)なんてことはいたしません。
ジゼルの傍にひざまづき、ジゼルと同じ目線で花占いを楽しみます。
大切に大切にジゼルを慈しみながら。
あー、なんて優しいの

ジゼルに真実がバレてしまった時も、お付きのウィルフリードに戸惑う様子を見せます。
違うんだ、そうじゃないんだ、と。
チュージンのアルブレヒトはただただ1人の男としてジゼルを愛してしまっただけなのです。

それだけにジゼルが狂乱に陥った時、アルブレヒト@チュージンは何が起きたか理解できない様子で
ただ茫然とジゼルを見つめるだけ。
どうして?
ジゼルはどうなってしまったの?
私はジゼルに何をしてしまったの?
そんな声が聞こえて来ます。

でもジゼルにはそんなアルブレヒトの思いは聞こえません。

ジゼルが息絶えてしまった時も、泣きわめくでもなくジゼルのそばにひざまづくアルブレヒト。。。
それが却って絶望感の大きさを感じさせ、私は思わず涙。。。
ルグリ監督以外のアルブレヒトで涙するなんて。。。
やられたー。。。


第2幕ではスミルノワのジゼル、ここにあり、と言う。。。
この人は多分人間ではないんだ、元から私達とは違うんだと思わせる空気感。
軽やかでふわりふわりと宙に舞う。。。
ジゼル登場の場面では信じ難い高速回転のアチチュード。
あんなもの見たことない。
高速回転なのに一切ぶれず、音もせず、、、
次のパにスルッと移行して、一連の動きに淀みがない。
正に神がかり的で鳥肌が立ちました。

男性ダンサーの最後の見せ場、私は個人的にブリゼで舞台奥から斜めに横切るのが好みなのですが
(監督が東バのゲストでコジョカルと踊った時のやつです。)
チュージンのアントルシャシスもすごかった。
そもそもこの場面でアントルシャシスをやり始めたのはヌレエフだったそうですが、
最近のアルブレヒトはこのパターンが多いような?
確かヌニェスと踊ったワディムもそうじゃなかったでしたっけ?
チュージンのアントルシャシスはともかく美しかったです。
まさにジゼルに捧げる十字架のよう。
彼は真のダンスール・ノーブルですね。

最後、もうここまでという時に夜明けを告げる鐘がなります。
その時のスミルノワの表情!
監督と踊った時のコジョカルは優しい優しい、そしてアルブレヒトを助けられたことにホッとしたような笑みを浮かべました。
スミルノワは。。。
聖母マリアでした😭😭😭
アルブレヒトを赦し守ることで自らが神になったような、神々しさに満ち溢れていました。
すごい。。。

そして最後、アルブレヒトに別れを告げるとき、ジゼルは一輪の百合の花をアルブレヒトに渡します。
そう、たった一輪の百合の花。
百合という花はキリスト教においては聖母マリアの証であり、純潔の象徴ですから
たった一輪だけをアルブレヒトに渡すことで、まるでそれは2人の間にあったものは真実の愛だったと、
そしてあなたを赦しているのですと告げているようで、さらに号泣😭😭😭

いやー、すごいものを見せてもらいました。



さてさて、他のダンサー達がどうだったかというと、ちょっと清香さんは本来の清香さんという感じではなく、ちょっと硬かったように思います。
1週間のうちに3演目も踊るんですから、大変ですよね。。。💦

エノ・ペシは素敵なヒラリオンを演じてくれました。

ペザントのナターシャとスコットもよかった。
スコットもちょっと緊張気味で硬かったように思いますが、でもとても良かったです😊



あー、出来ることならもう一度あの感動を味わいたい。。。
ボリショイまで行こうかなー?





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 6/4のジゼル | トップ | 6/5 マリー・アントワネット »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

マニュエル・ルグリ(Manuel Legris)」カテゴリの最新記事