水面に映る光景

日常感じたことなど。

沖縄密約

2007-08-17 23:55:05 | Weblog
 沖縄密約(西山太吉著、岩波新書):正直言って読みづらい。
 新聞報道のくり返しの感がしないでもない。

 この本の書評を3つ読んだ。その書評の一つに当事者の肉声や新事実を期待するが、期待はやや肩すかしに終わる(07・7・8日経)とあった(読んでみるとその通りである)。本の内容がわかるような気がして、最初手に取る気は起きなかった。

 読む気になったのは朝日新聞の逆風満帆(07・7・14)で一方当事者である吉野文六氏の記事を読んだ時だ。「嘘」を重ねた35年前というフレーズに引っ張られた。

 この本がもっと柔らかく書かれていれば読者が広がり、沖縄のことに興味が湧く人が増えるのではないかと思ったりした。

 私的にこの問題に興味を持つのは、沖縄で同時代を生きてきたことも大きいが、今挑戦しているテストにおける重要判例だからだ。この問題は判例集では”外務省機密漏洩事件”である。国家の秘密と国民の知る権利が衝突した時、どちらが優先されるべきかという場面の事件である。当事者やアプローチの違いがこの事件の捉え方を180度違えるのがおもしろい。
 
 この事件では政治上のことや司法上のこと以外に興味深いことが多い。

 嘘をつけずに”情を通じ”を簡単に認めた人と、国会でも法廷でも嘘をつき続けた人の心の在り様に興味を持つ。

 ”情を通じ”いう情報源はすぐに認めたのに、横路議員への仲介役は表に出てこない。この違いにも興味が湧く。

 横路議員が弁護士だから情報の扱いは注意深いだろうと思い込んだ心と、あそこまで(逮捕)やってくるとは想像していなかったという議員の心(05・5・15朝日)の隙にも興味が湧く。

 更にはもし密約の存在が明るみにでていれば沖縄の返還はどうなっていたのだろうか。今の基地機能は変わっていたのか等興味が湧く。


追:炎上(沖縄コザ事件、伊佐千尋著 文春文庫)沖縄密約が問題になっていた時期の沖縄で起きた事件のノンフィクション。
 沖縄密約の頃の沖縄の様子がわかって興味深かった。
 この本を読んだのは偶然だったが、沖縄密約と一緒に読むと面白いと思う。


 
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