来春までボストン郊外で生活する予定の村上春樹氏が一時帰国していた時のインタビュー記事を目にしました。最新刊の『東京奇譚集』を書き上げる際の手法について語っているくだりを読んで、ブログに投稿する記事を仕上げる時の、私のやり方と同じだと知り、妙に納得するものを感じてしまいました。氏は、今回のこの短編をまとめるについては、「最初、思いつくままに20のキーワードを挙げ、そこから3つずつ選んで」話を作られたそうです。人からもらったキーワードはモノにはならず、(自分自身の中から)自然に浮かんできた言葉から、話はするすると出てくるとのことですが、私の場合は村上氏とは違い、ただの素人ですから、キーワードから、テーマを肉付けしていく方法は同じだとしても、文章全体をするすると書き上げられるなどということはありません。けれど、キーワードから入っていくという方法は、意外なことに、私だけのやり方ではなかったのですネ!私の場合は、キーワードが浮かんでこないと、文章を書き出すことも出来ません。しかも、自分の内部から湧き上がってきたキーワードでなければ使い物にならないという点も一緒です。熟練者にも初心者にも「基本のキの字」においては類似点が多いものなのでしょうね。