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アロマな日々

一条の光に誘われて歩くうちに、この世とあの世を繋ぐ魔法の世界に紛れ込んでいました。夢のワンダーランド体験を綴ります。

自分の殻

2005年08月30日 | 日々の泡
仕事で、昨今の小さいお子さんを持つ母親の心理傾向について、ある方から、お話を聞く機会がありました。少し前の教育を受けた母親層の人は、「子育てにおいても人には迷惑をかけない」「分相応の生活態度で暮らす」というようなことを当たり前のこととしてきたけれど、今の母親は、「子育てとは他人に迷惑をかけても仕方のないもの」「子どもを連れてディズニーランドにも行きたい!」と思うことを当たり前のことと考えているという、世代別の考え方の違いを語ってくださいました。聖子ちゃん世代は、結婚していようといなかろうと欲しいものはすべてを手に入れなければ気が済まないのです。(私個人は、聖子ちゃんの生き方も嫌いではありません。)語ってくれた人は、後者のあり方に対して、暗に批判的な考えをお持ちのようでした。仕事でなら、そういう風潮を理解しようと努力もするけれど、一個人に戻れば、到底、共感も出来なければ、むしろ白い目で見てしまうとのことでした。話はヨン様の話題にまで拡がっていったのですが、「冬のソナタ」は10分と観ていられなかったそうです。確かに、「冬のソナタ」は「良かった」という人と、「どこがいいのか分からない」という人の層が真っ二つに分かれています。その方は、ヨン様のどこがいいのかも分からなければ、ディズニーランドにも何の興味もないそうです。しかも、たまたま、高円寺の阿波踊りの話題も出たのですが、あんなものちっとも見たくもないと淡白に言われました。私は涼しい顔で、「ふ~ん…」と頷いていましたが、内心は冷や汗ものでした。なぜなら、私はディズニーランドにも興味があるし、阿波踊りにはつい最近、ノコノコと出かけてきたばかりだし、「絶対、他人には迷惑をかけない。」と誓ったこともないし、「分不相応な生活もしてみたい!」と思う方だし(それでいて、筋金入りのドケチであることを無性に楽しんでもいる変人だし…)「冬のソナタ」の世界に夢中にもなった口だし、ヨン様のことは好きでも嫌いでもどっちでもいいと思っているし、もっと言えば、すべてのことは人それぞれでどっちでもいいと思っている人間だし…自分と違う世界観を持っている他者のことを恨んだり排斥したりする前に、きっと、ちゃっかり、その他者のことを、私の視野から外してしまっているだろうし、人のことは本当にどうでもいいと思い込もう(ここがミソですね。本当は小心者で、内心では気にもなったりするのです。)としている人間だということを再認識してしまいました。私も相当に、自分の殻にがんじがらめになっている不自由な人間だと思っていましたが、それ以上に、自分の殻の価値を疑ってみることもせずに、殻をドンドン強固にしていく人もいることを知って、思わず、わが身のあり方を再度、振り返ってしまいました。自分を縛ってしまう元凶は、他者ではなく、自分自身そのものなんだということを目の当たりにした、気持ちの落ち着かないひとときでした。