太っていることに悩んでいる方は多いと思います。巷では、何百というダイエット法・治療法が紹介され話題になります。大まかに分類すると食事療法・運動療法・精神療法・手術療法といったところでしょう。人によってうまくいったりいかなかったり、一時的にうまく減量しても長続きせずリバウンドしてまた体重が元に戻ったという話しもよく聞きます。
肥満は、一般にはBMI(body mass index)≧25で定義されます。すなわち、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が25を超えると肥満といわれます。厳密にいうと増えているのは脂肪であり、水分でむくんでいたり、筋肉質で体重が重い(相撲取りなど)は含めません。脂肪も皮下脂肪と内臓脂肪に分類され、現在医学的に問題になっているのは内臓脂肪ということになります(無論、スタイルの面から皮下脂肪をなんとかしたいと思っている方もいらっしゃるとは思いますが)。
さて、脂肪が増えるとはどういう状態なのでしょう。脂肪には、余分なカロリーを貯蔵する役割(脂肪1kg=7000kcal)があることはよく知られています。
そこで登場するのが、”入るカロリー/出るカロリー理論”です。すなわち、たくさん食べて(高カロリー食)て、消費するカロリー(運動)が少なければ、太るという論理です。これはあまりにも当然過ぎて疑いのない真実のように思えます。そして肥満者に対して、「食べるのを控え、運動しなさい」とアドバイスします。でもこれは本当に正しいのでしょうか?
「ヒトはなぜ太るのか?」(ゲーリー・トーベス著)は、この疑問に明確な答えを提供しています。過去に行われた様々な疫学調査や動物実験から、①高カロリー食が肥満の原因ではなく、炭水化物と糖分が脂肪を増やし肥満になる原因、②運動してもやせない(食欲が増してかえって太る)と論じています。著書には、次の肥満三原則が提唱されています。
第一法則:からだの脂肪は入念に調節されている
第二法則:肥満は、非常にわずかな脂肪調節不良によっておこる
第三法則:肥満させかつ重くするあらゆるものは、過食させる
(過食は原因ではなく結果である)
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