評価
母が経営するホテル・アイリスのフロント係マリはロシア語翻訳家の男と知り合う。普段は大人しい男だが島の家に着いた途端に豹変、マリを裸にし紐で全身を縛り凌辱する。次第に官能の世界へのめり込む娘と男の歪んだ愛を独特の筆致で語る小川ワールドの新境地!
異常に髪にこだわる母親、病的なほど几帳面な男、舌がないために口がきけない男の甥、液体状の料理、マリの持ち物を盗むおばさん、小川洋子的キーワード満載だが、小川さんがこのたぐいの小説を書くとは!?ビックリ。まさかの結末にも驚いたが、けっしてドロドロしない小川ワールドに大満足。ぐいぐい物語に読者を引き込む力量はさすがです。
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