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最後の努力(下)ー塩野七生

2022年06月11日 | 読書
評価5

再読(前回2020年9月16日)。
皇帝コンスタンティヌスは新都ビザンティウム建設を成し遂げ(330年)、軍の改革、金本位制の導入など数々の成果をあげるが、中でもキリスト教振興のために皇帝資産を寄贈するなど並々ならぬ熱意を持って取り組むのであった。

コンスタンティヌスは栄光あるローマ帝国の再生を「新しき政体」「新しき首都」「新しき宗教」で成し遂げようとしていたのである。

<キリスト教への施策>
①皇帝資産の寄贈
②キリスト教会から没収した資産の返却、国家補償
③聖職者が公務に就かない権利を認める→聖職者階級の独立
④ニケーア公会議(325年)にて「三位一体」を教理とする
 アリウス派vsアタナシウス派→アタナシウス派の勝利

<コンスタンティヌスが何故キリスト教に肩入れしたのか?>
統治ないし支配の権利を君主に与えるのが「人間」ではなく「神」である、という考え方の有効性を認識した上で、支配の道具としてキリスト教会の司教階級を味方にしようとしたため。

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