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海の見える理髪店ー荻原浩

2021年10月16日 | 読書

評価3

再読(前回2019年9月5日)。
直木賞を受賞した家族の物語の短集集。私は「成人式」が一番好きです。①海の見える理髪店②いつか来た道③遠くから来た手紙④空はいつもスカイ⑤時のない時計⑥成人式

「成人式」は5年前に交通事故で中3の娘を亡くした両親が、娘になりかわって成人式への出席を強行する替玉成人式の話。49のオヤジと45のオバサンがド派手な衣装で若者に混ざって入場する様はドタバタ喜劇そのものだが、愛娘への未練を断ち切ろうとする二人の姿が実に愛おしい。

とはいうものの、表題作と「時のない時計」の理髪店主と時計屋のオヤジの独白という構成、「遠くから来た手紙」の先の大戦当時から突然やって来るメールという設定、にはかなりの違和感。正直、直木賞って何なんだろう?って考えさせられたのも正直なところで、ある。




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