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凍りついた香りー小川洋子

2022年11月22日 | 読書
評価4

再読(前回2022年3月18日)。
突然自殺した調香師の弘之の過去を辿る旅に出る涼子。そこに現れるのは、フィギュアスケートの達人で数学コンテストで天才ぶりを発揮する涼子の知らない弘之の姿だった。プラハの街の情景と香水「記憶の泉」の香りが届ける現実と幻想が織りなす世界。

この作品は著者の初期の作品。数学コンテストに絡む物語であることからも、大ブレークした「博士の愛した数式」に繋がる萌芽が感じられる。また、「すべてはあらかじめ、決められているんです。あなたが何かを為したとしても、為さなかったとしても。その決定を覆すことはできません」の言葉に、小川洋子作品に通じるテーマをみつけることができる。

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