評価
全558頁一気読み!
大学以来の友人の直美と加奈子は29歳。直美は大手百貨店のOL、加奈子は銀行員の夫を持つ専業主婦。加奈子は夫・達郎からひどい暴力を受けていて、その事実を親友の直美が知ることとなる。加奈子の先行きを案ずる直美は二人で達郎を殺害する綿密な計画を立てついに実行。しかし、完全犯罪と思われた犯行にほころびが見え始めた時に達郎の妹という強敵が現れ、二人は窮地に追い込まれる。
前篇のナオミの章では犯行までのプランが着実に練り上げられ、後編のカナコの章では一気に土壇場までもつれ込む息もつかせぬ展開。本当に最後の最後までハラハラドキドキ。特に主義主張はないけれど「小説は面白くなくちゃ」という典型的な一冊。ストーリーテラー奥田英朗の面目躍如!