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ナオミとカナコー奥田英朗

2018年02月03日 | 読書

評価4
全558頁一気読み!
大学以来の友人の直美と加奈子は29歳。直美は大手百貨店のOL、加奈子は銀行員の夫を持つ専業主婦。加奈子は夫・達郎からひどい暴力を受けていて、その事実を親友の直美が知ることとなる。加奈子の先行きを案ずる直美は二人で達郎を殺害する綿密な計画を立てついに実行。しかし、完全犯罪と思われた犯行にほころびが見え始めた時に達郎の妹という強敵が現れ、二人は窮地に追い込まれる。
前篇のナオミの章では犯行までのプランが着実に練り上げられ、後編のカナコの章では一気に土壇場までもつれ込む息もつかせぬ展開。本当に最後の最後までハラハラドキドキ。特に主義主張はないけれど「小説は面白くなくちゃ」という典型的な一冊。ストーリーテラー奥田英朗の面目躍如!

盛岡の街角で

2018年02月03日 | 盛岡風景
大通3丁目の信号待ち。
交差点の向こうで大学生らしきカップルの男の子が何か囁いた。信号が青に変わって、女の子は真っ直ぐこちらへ、男の子は左へ進む。女の子の目には涙・・・振り返ると何度も立ち止まって肩が震えている。嗚咽しているのだろう。最初は素知らぬふりの男の子だったが、歩みを緩めて幾度となく振り返っている。気が気でなくて「行ってあげて」と小さく声にした。でも、男の子は意を決したように行ってしまった。これから二人にどんな人生があるんだろう?「頑張って」と心の中で呟いた。