日本人に生まれて

前期高齢者の仲間入りをしました。昭和、平成、令和を振り返りながら、日常の出来事を綴ります。

年金水準 実質低下

2020-02-07 06:31:25 | 経済
    今日の言葉
   こうりょういっすいのゆめ
    黄梁一炊の夢

栄枯盛衰も、ほんのひとときの夢のように、はかないものである。「黄梁」はきび。「一炊」はコメや粟・きびなどを炊く時間を指す。キビが炊ける間に見た昼寝の夢、束の間の夢のこと 
「沈中記(ちんちゅうき)」 
      三省堂編修所より引用

プロローグ

高度成長期、集金した厚生年金でホール、ゴルフ練習所、宿泊施設を全国津々浦々に建設していた記憶があります。砧にあるゴルフ練習所によくいきました。それらはは跡形もありません。あの資金は将来年金を補償するために積み立てておかなければならないお金でした。死に金になりました。お役所仕事で、自分で働いたお金ではないので、気軽に使うこたができたのでしょう。他人のお金は懐も痛まないので気軽に使えます。あの時の年金を貯蓄していれば今になり心配の種にはならなった。役人が専門外の分野に首をつっこむとろくなことになりません。現在、政府がすすめている官民ファンドも赤字を生んでいて、補填はいつも血税からです。まるで、吸血鬼です。「バカが動くとろくなことはない」
一つの例は、「ク-ル・ジャパン」です。


一国の異常な繁栄期は以外に短いそうだ。その国が繁栄を不動のものとするかどうかは、ひとえにその繁栄期の間の舵のとり方にかかっているという。この舵とりにしくじれば、歴史は非情なものでその国は永遠に三流国の鎖にしばられてしまう。「日本の繁栄期、あれは黄梁一水の夢だったのかな?」ときどき座睡の夢からさめて私はつぶやく。
 山田風太郎「あと千回の晩飯」より

記事紹介します。
20年度 マクロ経済スライド発動

公的年金の2020年度の支給額が、今年度より0.2%増えることが決まった。物価や賃金が上がったためで、増額は2年連続。少子高齢化にあわせて年金の水準を下げる「マクロ経済スライド」も2年連続で実施されるが、導入から16年で3回目の発動にとどまる。低下が見込まれる将来世代の年金水準を底上げするには今後も着実に進むかが焦点になる。

厚生労働省が24日、20年度の年金支給額を発表した。年金額は、物価や賃金の動きに応じて年度ごとに見直す。総務省が24日発表した昨年の消費者物価指数(生鮮食品を含む)は、0.5%上昇。また厚生労働省は最近数年のデ-タから、今回は賃金変動率をブラス0.3%と計算した。改定時のルールに基づき、低い方の賃金上昇率を年金額改定のベースとした

ここから、平均余命の伸びなどに応じて自動的に抑制水準が決まる「マクロ経済スライド」の仕組みで、0.1%分を差し引き、年金支給額は0.2%増にとどめた
そのため、物価や賃金の伸びほどは年金額が伸びないことになり、実質的な価値は目減りする。

日本の年金制度は、現役世代が納めた保険料を、その時の高齢者の年金にあてる仕組みだ。少子高齢化で現役の負担が増え続けるのを防ぐため、2004年にマクロ経済スライドを導入。保険料収入や過去からの積立金、税金投入の範囲で将来も安定的に支給できるようになるまで、年金水準を下げることになった。

ただ、マクロ経済スライドは物価などの伸びより年金の伸びを抑える仕組みのため、デフレ下では実施できず、思うように発動は進んでこなかった。04年の導入時には、マクロ経済スライドは23年度までに終了する想定だったが、初めて発動されたのは15年度だ。

昨年8月に公表された最新の年金財政検証では、マクロ経済スライドが終わるのは、代表的な経済ケ-スで47年度。夫婦2人のモデル世代が受け取る公的年金の合計額は、19年度は現役世代の平均収入の61.7%だが、47年度は50.8%に下がる。今後も物価や賃金が上がり、着実に発動が続かなければ、スライドの終了は遅れ、将来の年金水準は想定より下がる。特に影響を受けるのが国民年金の受給者だ。財政検証では、47年度の年金水準の低下度合いは厚生年金が約2割だが、国民年金は約3割も下がるとされた。    (山本恭介)
                     朝日新聞朝刊 2020.1.25

結びのことば

このままでいくと、現在、年金支給を支えてくれる世代が高齢者になり、彼らが年金を受給するときは減額される事態に陥るということになります。少子化で支えてくれる人が今以上にいなくなりますので、年金支給額を減らしますよ、厚生労働省は警告しています。働き手が減少しますので、年金積立金も集まらなくなり、それに見合うだけの年金しか受給できないことになります。政府も年金対策で、70歳まで企業が働く人たちを雇用するように義務付ける案を先日閣議決定しました。また、国民年金も、前払いすれば安くなりますよ、という記事もありました。国民の知らないうちに次々と決められてしまいます。国のご都合主義、手前みその政策には憤りを感じます。下級国民にそぐわないものが大半です。


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