Matthewの映画日記?

Matthewの独断と偏見に満ちたお気楽日記

震える岩 / 宮部みゆき

2011-05-04 19:27:04 | '11 読書

震える岩 霊験お初捕物控 (講談社文庫)
宮部 みゆき
講談社





知り合いに借りた宮部みゆきさんの『震える岩』を、やっと読み終わりました。
今作は、時代怪奇物(?)小説です。


あらすじは、


お初は、赤ん坊のときに橋のたもとに捨てられていた。そして、馬喰町で紙屋を営む夫婦に拾われたのだが、三つの時に、その両親を亡くし、育ての親の息子で、今では岡っ引きとなった兄・六蔵夫婦に引き取られ、十六の娘になっていた。
お初には、人には見えないものが見える力を持っており、たびたび、その力をもって、兄・六蔵の手助けをしたりしていた。
お初の力を知っているのは、六蔵夫婦と六蔵の上司に当たる同心・石部正四郎だけだったのだが、事件解決への報告書を書くにしろ、いつまでも、あいまいなことは書けず、南町奉行根岸肥前守の知れるところとなってしまった。
南町奉行根岸肥前守は、少し変わったお方で、侍なのに巷に流れる奇妙で奇怪な話を耳に入れては、『耳袋』とか名づけた記録を録っているのだとか。
そんなお方だから、お初の能力に興味津々で、直々にお初を呼び、お初の話を聞いたところ、いたく感心してしまい、それ以来、お初を呼んでは、自分が聞いた奇怪な噂を調べさせたりしていた。
今回も、死んだ男が生き返ったという『死人憑き』なる噂を仕入れ、お初に調べて来てほしいというのだ。
お初は、御前さまのお頼みならと、『死人憑き』と言われる吉次という男を調べに行ったのだが、あいにくの留守で、帰り道、油問屋の前を通った時に、店の奥にある見えないはずの油樽の中に、幼女の浮いている姿が見えてしまった。
兄・六蔵に見えた映像を伝え、調べてみると、確かに、幼女の遺体が発見されるのだが・・・



感想は、


時代物で、怪奇ものということで、ちょっと食指が伸びず、借りてから大分経ってしまいましたが、読みおわりました。
最初は、怪奇ものということで、なかなか読み進みませんでしたが、お初の登場で、内容が推理物に取って代わったため、一気に読み進められました。
時代物で怪奇ものではあるけれど、推理物としても、とても面白く、登場人物たちも、お初をはじめ六蔵や備前守、その他のわき役も、それぞれに魅力的で、ページ数もそんなに無く、とっても読みやすかったです。
やはり、宮部みゆきさんの手腕は、さすがとしか言いようがないですね。
ファンタジー物も、時代物も、現代ものも、なんなく書けてしまうすごい人ですね。
有名な『耳袋』を題材に、ここまで書けてしまうのが、本当にすごいです。
しかも、宮部さんらしく、超能力(霊能力?)を時代ものに上手く取り入れ、いくつもの伏線が張られたストーリーは、本当に最後まで、飽きさせませんでした。

この作品、シリーズ化するのかはわかりませんが、霊験お初捕物控とのサブタイトル(こっちが本題?)として、もう一冊『天狗風』という本が出ているようです。
そっちも、機会があれば、読んでみたいですね。




前にも書きましたが、同じ作品が、別の出版社からも出ているですね。
天狗風 霊験お初捕物控(二) (講談社文庫)
宮部 みゆき
講談社


天狗風―霊験お初捕物控 2
宮部 みゆき
新人物往来社






コミック化もされていたようです
天狗風~霊験お初捕物控 1 (プリンセスコミックスデラックス)
宮部 みゆき
秋田書店


天狗風~霊験お初捕物控 2 (プリンセスコミックスデラックス)
宮部 みゆき
秋田書店



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