Ombra Mai Fu ~ 優しい樹の下で

POP ♡ OPERA SINGER 
 増田 いずみ ~ OFFICIAL BLOG

生徒さん

2005年11月08日 | masudaizumi.com
朝八時、玄関を開けると、うっすら冬の朝の香りがしました。

私はこの香りが大好きです。一瞬で様々な美しい思い出がよみがえります。
朝の冷気を吸い込むと、NYでの10月ごろの記憶。地面から白い煙が立ち上っていて、1ドル50セントのコーヒーとドーナツをかじりながら朝の通勤ラッシュに走りこんだ1997年の冬。

懐かしいな・・

と思ったら、ここは大阪。若者が捨てていったゴミを、隣の靴屋で働く店主スティーブが拾っているのをみて、現実に帰ってしまった。

イズミ「おはよ~、元気?早いね~綺麗になるよ。ありがとう!」
スティーブ「おはようございます。お元気ですか?もう足の具合は大丈夫なんですか?」(私は実は足をくじいて9,10月と二ヶ月間、びっこをひいて歩いていたのでした)

と、いつも丁寧な対応のアフリカ人。

まじめで仕事熱心。笑顔が最高!店のおくの裏、(つまり我が家のとなり、ちょうど私の部屋の横)で、ときどきアルバイトの若い男の子(もちろん日本人)をしかっている

「挨拶が小さいよ、声がでてないんだよ!」

アフリカ人が日本人に「声が小さい」と注意している姿は、客観的にみるとなんだか不思議な絵で思わず笑ってしまうのでありました。

さてさて、昨日は、久々に、声楽のレッスンをスタートしました。
CDデビューして一年目まではいろいろな方をお教えしたのですが、自分のスケジュールが忙しく、ちょっと休憩しておりました。

大阪では初めての生徒さんでしたが、15歳の宝塚の女の子。声良し、品良し、顔良し、頭良し。いったいこれ以上私がなにを教えるの?と思ったら、イタリア語がイタリア南のナポリ風になまっていたので、ちょっとカワユカッタです。
以前教えていた先生が東京からわざわざいらっしゃって、ご熱心な様子にちょっと心を打たれました。

私も声楽を始めたのが高校二年生、16歳かな?あの当時はなにもわからなかったけれど、こうやって、自分が15歳の女の子を教えてみると、ひゃ~!!なんだか出来上がってないから、歌い方が柔らかくて、怖くなっちゃう。よく、あの当時、右も左もわからない、こえが震えてひっくり返る緊張症の私に、オペラなんぞ教えてくださっていたな~と、先生方には改めて感謝してしまいます。

最初の先生とのレッスンが、一番吸収度が高く、先生のいいとこも、悪いとこも、癖を吸収してしまうから、どきどきしました。

12月に試験があるそうで、8曲くらいのイタリア歌曲の課題曲から、一番似合っていて、華があるものを選んであげて、一時間のレッスンでしたが、課題曲を全部同じテンポで、とっても早く歌う癖がついているのにはびっくりしました。

音楽の教育システムのなかでの試験では、緊張しているうえ、伴奏の先生が、たいてい早くピアノ伴奏を弾いてしまうので、うまく歌えなくてがっかりすることが多いのですが、あれってどうなんでしょう。

先生はプロなわけで、その音楽性で、まだ未熟な生徒を伴奏が引っ張ってあげたら
もっと歌いやすくて試験も伴奏が上手い先生とセッションできるということが、生徒にとってはわくわくすると思うのですが・・・・

クラシック音楽の場合、一曲のなかでテンポが揺れるのが魅力で、楽譜から描かれていない奥深さを膨らませるのが楽しいのですよね~。

久しぶりにピアノを弾きまくったら、腹筋が つりました。


いずみ