Ombra Mai Fu ~ 優しい樹の下で

POP ♡ OPERA SINGER 
 増田 いずみ ~ OFFICIAL BLOG

お返事の巻

2005年09月12日 | masudaizumi.com
度重なる台風に雨が降ったり、夏日のように晴れたり、毎日着る物を悩んでしまいます。

最近はレコーディング最終作業で朝から晩までスタジオにこもっているうえ、昨日までジャケット写真を撮りに、携帯もつながらない志賀高原に行っておりました。

今回のアルバムは色々な意味で新しい事を取り入れているのですが、この野外撮影というのもその一つ。

自然がエネルギーを出す土地として有名だそうですが、野生のイワナが道に流れる清水のなかに見えたり、白樺が自然に生えた原生林なので、直径三十センチほどに成長していたり、その高原にはえてる樹木は直径二メートルほどに成長していて、まるでアフリカのような幻想的な土地でした。

アルバムは10月末に発売の予定です。どうぞお楽しみに。

収録曲はまだ発表できないのですが、いま宣伝でもすでに放映されているNHK開局80周年記念ドラマ「ハルとナツ」のテーマ曲、「ファイナルファンタジーXI」の挿入歌は、この三枚目のアルバムに収録されることが決まっています。その他の曲はあと一ヶ月ですから、もう少しだけお待ち下さい。



さてさて、それでは、そろそろ前回頂きました質問にお答えいたしましょうか。

OL時代は人材派遣会社に入って、転々と職をかえていました。
音楽大学、大学院までいって、音楽教師になってしまうと、その時点できっとその職業ならではの面白さにはまってしまうとわかっていたし、教師と舞台に立つ人間はオーラが違うと思っていたので、あえて、教職はとらず、教師になれないように自分を追いつめていました。大学院を修了して、24歳、最初の仕事は近所の製紙工場の事務。それと平行して週二日二期会オペラ養成所に二年通いました。

年に2,3回くらいコンクールを受けるので、二期会の授業料、発表会代、個人レッスン代、衣装代・・・・それだけでは金銭的に音楽をつづけることはできないので、木、土、日曜日は子供に童謡を教えていました。

コンクール入賞のあと、オペラの舞台の機会があるたび仕事を変えていたので、結構、職は転々としてました。

居酒屋チェーン店の仕入れで野菜の値段やらをチェックしたり、伝票計算、宅配業のクレームセンター、大手メーカーの年末の入出金照合や、会社受付・・・。派遣会社の適性検査では「営業」が向いている、とでました。

ま、ビクターにも自分のNYの友人を介して紹介してもらい、自分のやりたい音楽をプレゼンして契約にこぎつけた事を考えると、我ながらわたしは、普通のお嬢様ではないと思います。

一枚目のアルバムの収録期間中は、昼間はビクターのラジオ局のデスクで働き、夜と土日はレコーディング。

アルバムがリリースされた2003年は、某ラジオ局の株式マーケットのカセット&ラジオ を電話で受注販売する会社で働いていました。

会社ではお友達もできるし、私はOLでいることも結構すきでした。オペラ歌手は35歳まで新人、それまでは国際音楽コンクールも参加できるひよこ扱いなんです。だから、35歳までは頑張ってだめなら会社で雇ってもらおうと思っていました。

朝の通勤ラッシュはきつかったですが、大学時代、片道三時間かけて通っていたので、電車のなかでは音楽をきいたり、本を読んでいることがリズムとなっています。聴いている曲はだいたいいつもはやりのメジャーな洋楽ポップス&ロック。二年前働いていたころはヱバネセンス、マドンナ、ジェイロー、Jポップでは平井堅、森山直太郎、矢沢永吉、、、など聴いていました。とにかくCDはいろんなジャンルを聴くようにしていて、浜崎あゆみちゃんにはまったときもあったし、最近は趣向がかわり、フランクシナトラとかきいてます。


デビューしてからは通勤電車の中では歌詞を書くようになりました。座っているといろんな顔した人がのっては降りてくるので、いろいろなシチュエーションを創造しやすいのです。

いまだから言えるエピソード、といえば、私は経歴が「音楽大学」「大学院オペラ科修士号」「NY留学」などちゃらちゃらしていて、さらにきっちり化粧してしまうと見た目が派手なので、よく会社の面接で、こんな人に会社の伝票計算ができるわけがないと、落ちてしまうことが多かったのです。それで、めがねをかけて履歴書の写真を撮り、ほんとうにいままで働いた会社には申し訳ないのですが、学歴をちょっとだけ変えて提出、さらに面接ではちょっとしたスーパーマンの変身前のような、灰色のスーツで変装をして出かけるようになってから、仕事に恵まれるようになりました。

そんなわけで、デビューしてから働いて二ヶ月したころ、派遣会社から電話がかかってきました。
「増田って名前も貌も、増田さんにそっくりな人が、最近オペラ歌手でいるみたいで、NHKや新聞に出てるんだよね~、本当ににている人っているんだね。」と言われ、本当に私にそっくりな人がいると思いこんでいるので、申し訳なくなり、とうとう懺悔しました。

会社の上司も、派遣会社の担当のかたも、不安ではあったものの、長い期間芸能活動と平行して残業などでまかない、働かせてくれたのは、いまでも感謝しています。




そのころの私のあだ名は「ミス・アバウト」でした


今日も良い日でありますように。

いずみ