益古時計の日々

カフェ&ギャラリー&ステイ(宿泊)の益古時計から送る日々の徒然

SHOZOへ

2006-12-04 22:47:29 | Weblog
 前回の記事に続き、またしても出かけてきました(なんだかんだ言って最近よく出かけてる・・・)。
 昨日、宿泊の方がキャンセルになったということもあり、急遽カフェの方を1時間早じまいして、17時より黒磯のCAFE SHOZOまで行って来ました。益子より車で1時間30分かかるのですが、そちらで去年よりできたギャラリースペースにおいて、9月に益古時計で3人展をしていただいたガラスの伊藤亜木さんと陶器のTARO-KOBOさんの2人展がおこなわれていたので、ちょうどいい機会と足を運んできました。お二人の作品ももちろん拝見したかったし、隣のスペースでいっしょにやってらした、革作家さんにもお逢いしてみたいと思っていましたし、一応ギャラリーを営んでいるものとしては、どういうスペースでどういう展示でされているのかというのも見たかったというわけです。もちろんコーヒーも飲みたかったですし・・・。気がつけば2年近く黒磯のSHOZOさんにも行っていなかったので、いいきっかけになりました。  
 と、話が前後しますが、SHOZOを知らない方に簡単に説明しますと、オープンして18年ほど経つ、カフェ好きな人は誰もが知っているであろうくらいの全国的に有名なカフェでして、昨今のカフェのスタイルの先人的存在のお店です。
 といいながら、僕自身も益子に来るまで存在すら知らなかったのですが、同じ栃木県内なので、いろいろ話に聞くことも多く、そんなこんなで初めていったのが3年ほど前なのですが、正直最初に行ったときは何がそんなにすごいのだろうと思いました。といいますか、周りがあまりに騒ぐものだから、やっかんでたのかもしれませんが・・・。
 でも本当は今でもSHOZOは何がそんなにすごいかというとはっきりした答えがでないのが正直なところです。ただ、それはこの間「長く続けること」という記事の中に書いた、長く続くお店は何も特別な何かがあるわけではなく、当たり前のことを当たり前にきちんとできていることこそが何より大事なのではないか、とそんな風に書きましたが、SHOZOはまさにそれを体感できる場所だと思います。今風のカフェの先駆者的な存在であるのは間違いないですが、それでも20年近く続くのは、やっぱりオーナーさんの姿勢、そしてオーナーさんに惹かれてそこに集まるスタッフ・お客さんが作り上げる空気感が何よりすばらしいのだと思います。SHOZOはフードメニューがあるわけではないですし(トーストセットくらいです)、メニューの品数が多いというほどでもありません。でも一品一品がとにかくきちんとしているし、メニューの味や内装もさることながら、スタッフの対応や気配りが何よりすばらしいと思います。SHOZOに行くと、うまく表現できませんが、決して特別ではないけど、「ちょっといい」や「なんとなくいい」が至るところにあるような気がします。
 ここからはあくまで個人的な意見ですが、僕がSHOZOをいいと思うのは、コーヒーが主役であるということです。昨今のカフェ乱立状態の世の中では、多種多様なカフェが存在します。個人的に最近感じるのが、どちらかというとフードメニューやアルコールメニューが中心といいますか、そちらに力をいれるお店が多く、コーヒーが脇役になっていたり、ないがしろにされているというカフェが増えてきているように思います。決してそれらを批判するとか否定するとかそういうつもりは全くなく、それぞれいろんな形態のカフェがあっていいとは思うのですが、あくまで個人的な趣味といいますか、好みとしてはやっぱりコーヒーこそがカフェ&喫茶店の主役であってほしいと思っています(といいながら益古時計もランチが主役になりつつあるような気がしているのですが・・・)。そういった意味であくまで個人の好みの問題ではありますが、SHOZOはフードメニューはほとんどないですし、まずはコーヒーありきという形態が個人として非常に好きですし、同業者としてはうらやましいと思う部分もあります。
 カフェだけでなく、珈琲豆の販売もあり、雑貨屋さんなどの物販のお店もあり、さらに最近はギャラリースペースも増えました。「カフェは珈琲を中心に、いろいろな人々が集い、情報の発信源であり、文化的な場所でもある」なんていうようなことを時々雑誌などでも読みますが、SHOZOはまさにそういった場所だなと思います(ただちょっとだけ増えすぎかも・・・と思う部分も少し・・・)。
 またなんだか長々と書いてしまいましたが、とにかく久しぶりに行くことができとってもよかったです。同業者なんていうにはとてもおこがましいですが、いい刺激にもなりました。SHOZOに行くと、けっして力まず、かといってけっして手を抜かず、そんな雰囲気がなんとなく伝わってきます。益古時計もそんな風な空気感を感じることの出来るお店になれたら思いました。
 前回の記事と同じようなことを書いてしまいますが、行かれたことのない方は、機会がございましたらぜひ行ってみて、その空気感を感じてきていただければと思います。