鴎に飛び方を教えた猫

平凡で冴えない毎日の中でも千葉ロッテマリーンズを応援するブログ。

歓喜のときから1年(その3)

2006-10-18 | マリーンズ観戦記とか

AGAIN,2005・10・17 
昨日と一昨日の続きです。

10月16日(日)、日中は別にすることもないし福岡市内を観光する気にもなれませんでした。でもホテルを出発する際にフロントの女の子に近くの博多ラーメンのおいしい店を教えてもらいました。何件か教えてもらったのですが、たしか一風堂というラーメン店へ行ったと思います。これが実においしかったですねえ。そこで腹ごしらえをしてから、この日もゆっくりと福岡ドームへと向かいました。
この日も開門時間よりもだいぶ前に球場に着いてしまいました。ドーム周辺をぶらぶらしていたら、レフトゲート前ではマリーンズファンがマスコミにインタビューされていました。そのヒトは「マサだって1人の人間なんです。昨日のようなことだってありますよ!」、「今日必ず決めますよ!」たしかそんな感じでインタビューに応えていたように思います。「そうだよ!そのとおりですよ!」入場前に気持ちを同じくして来ていたマリーンズファンから勇気をもらった気がしました。

この日も3塁側内野指定席で観戦しました。昨日とはうって変わってこの日はもう最悪でした。四方八方をホークスファンに囲まれてしまいました。周りを探してもおそらく半径3m以内にはマリーンズファンを見つけることは出来ませんでした。隣りには熊本からホークスを応援に来たという母子が座っていました。彼らだってもちろん真剣です。試合開始前には少しだけ話をしたのですが、その後はいっさい私と会話をすることはありませんでした。この男の子が持っていた黄色いジェット風船にはたしか子供の字で「パナマうんがぁ~」とか書いてあったと思います。

第4戦のマウンドには小林宏之が上がりました。この試合もベニーのタイムリーでマリーンズが先制しました。もう前日の試合を引きずっている感はまったくありませんでした。その後同点に追いつかれるも里崎のソロが飛び出し2対1と勝ち越し。しかしご存知のとおりこの試合はズレータ1人にやられてしまいましたよね。またしても逆転負けを食らいました。しかも2対3の1点差。でも宏之は1人でよく投げ抜きました。打席でもみんな簡単にはアウトにならずにしぶとく粘っていたと思います。何回だったかは忘れましたが、たしかホークスの吉武のバント処理でしたかね。好フィールディングにチャンスを潰されたのが痛かったですね。
試合終了直後はもう昨日とまったく同じ光景。ホークスファンが総立ちになり、私は視界がまったくありませんでした。悔しくて悔しくてもうどうにも立ち直れない絶望感にさいなまれながら、またしても逃げるようにして足早に、いや走って天神行きのバス乗り場まで向かいました。やはり優勝は簡単には出来ないんだとつくづく思い知らされました。ホテルに帰ってきてテレビを見ていたら、ホークス関連の特番をやっていました。さすがは福岡ですな。当たり前ですがここはたしかに敵地なんだと改めて実感しました。「もうここまで来たら、明日ホークス優勝は間違いなし!」出演者はみんな口を揃えて同じことばかり言っていました。「たしかにそうかも知れないですね。」なんだか私までそんな気持ちになってきました。泣いても笑っても翌日にどちらかのチームの優勝が決まります。しかし17日(月)はもう観戦予定はありません。18日(火)はもう出勤しなければなりません。私は目に少し涙を浮かべながら、敵地福岡での最後の眠りにつきました。

またまたつづく

 


歓喜のときから1年(その2)

2006-10-18 | マリーンズ観戦記とか

AGAIN,2005・10・17
昨日の記事の続きです。

去年の10月17日(月)はあらかじめ有給を取っていました。セカンドステージはすべてがナイトゲームでしたので、もちろんその日に試合を観戦するためではなく、要は福岡から千葉に帰ってくる移動のためです。そして15日のPOセカンドステージ第3戦、16日の第4戦のチケットを手に15日福岡に向かいました。

まずは15日の第3戦でのこと。福岡ドームはこのときが初めてでした。私は沖縄や石垣、与論には過去に行ったことがあったのですが、そもそも九州本土自体が初めての体験でした。すでにセカンドステージも2勝と王手をかけていたので、行く前までは「どうせ15日の第3戦に一気に優勝が決まるから、16日の第4戦のチケットは払い戻すことになるだろうな。」なんて考えていたと思います。
3塁側内野指定でしたので、球場に早く行く必要もないため空港からいったん天神のホテルへ荷物を預けに行きました。初めての天神の街は大都会でしたねえ。なんとなくですが、私は吉祥寺に似た雰囲気も感じました。そして駅前からバスに乗り福岡ドームへと向かいました。バスからは港が見えました。大きな橋を渡りしばらく走ると福岡ドームが見えてきました。
バスを降りてドームに向かう途中にはエスカレーターがあり、そのエスカレーターの近辺にはダフ屋が沢山出ていたと思います。試合が始まるまで球場の外を一周したり、ホークスグッズショップを見て回ったりしていました。ここもマリンと一緒で外野のすぐ後方にはもう海が見えました。

それにしても福岡ドームはでかかった。それに同じドーム球場でも東京ドームよりも重厚でエレガントな雰囲気を感じました。私は3塁側内野指定席、基本的にはホークスファンが大多数を占めていたのですが、この日は運良く両隣と前席にもマリーンズファンがいらっしゃいました。たしか仙台や長野、千葉県船橋市から来たと言っていたと思います。もちろんみんなマリーンズの優勝を信じて疑いません。私の少し前方の席の1列では、セラフィニやベニーの奥さんとその子供達が揃ってマリーンズの応援小旗を振っていました。

試合はもうご存知のとおりです。4対0のリードで9回裏が始まる前に、ボビーの胴上げその他歓喜のシーンををじっくりと見るために私は小躍り気味にトイレに行ったんです。そして席に戻る途中、通路でまだ試合中にも関わらず優勝を諦め、球場を後にする沢山のホークスファンとすれ違いました。
一人のホークスファンのおじさんが、すれ違いざまに「はいはいおめでとう!良かったねえ!」なんて言いながらビジユニを着ていた私の肩を叩きました。まだ試合が終ってもいないのにこの態度、「いいから最後まで試合を観て行けよ!」私は逆に少し不愉快な気持ちにもなったのを憶えています。

そしてあの長い長い9回裏が始まりました。マウンドにはもちろんコバマサが上がりました。たしかサードを守っていた今江とランナーが交錯し守備妨害をとられ、一旦ホームインしたランナーが3塁に戻されたことからはじまったんですよね。怒り狂ったホークスファンの誰かが内野席からグランドにトイレットペーパーを投げ入れたり、外野からは沢山のメガホンが投げ入れられました。もうそれこそ本当に福岡ドームは異様な雰囲気でした。ネクストバッターズサークルにいた松中がそんなホークスファンを必死になだめようとしていたのが印象的でした。その後は敬遠やら押し出しやらでまさかの4対4の同点。うそでしょう!?もうただただ呆然としていました。そしてもう試合の流れは完全にホークスでした。でもコバマサを責める気にはなれませんでしたね。案の定10回裏に藤田が川崎にタイムリーを打たれサヨナラ負け。総立ちで大喜びしているホークスファン達から逃げるようにして、急いで天神行きのバス乗り場に向かいました。もちろんバスの車内は私と同じように球場内から避難してきたマリーンズファンばかりでした。「明日も来るんですか?」、「もちろんです!」、「とにかく明日で決めましょう!」、「それにこれで明日もう1試合観れる訳だし得したじゃないですか。せっかく福岡まで来たんだし。」とにかく皆が今日のこの敗戦を前向きに考えることに必死になっていました。

つづく