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Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

今日は「八朔」 / 奴島田

2012-08-01 23:58:22 | 京都花街
今日は8月1日、昔の言い方で言えば八月朔日、「八朔」の日です。

元々は旧暦の八月一日、農民の間でお世話になった方に初穂を贈る風習
があり、それが発展して、武家や公家の間で日ごろお世話になっている方
に感謝をこめて贈り物をする日となったそうです。

今でも京都の花街では、芸舞妓さん達が日ごろの感謝をこめて、お世話に
なっているお茶屋さんやお師匠さんへ、ご挨拶回りをする行事があります。
「おめでとうさんどす。相変わりませず、よろしゅうおたのもうします」と、
暑い中何十件にもご挨拶して回ります。


各花街で行われていますが、その中でもひときわ華やかなのが祇園甲部。
京都五花街最大を誇る芸舞妓数もさることながら、この日は必ず全員正装
をするという決まりがあるため、お正月と同じく、全員黒紋付の衣装です。

もちろん夏なので絽の黒紋付ではあるのですが、正装のため比翼仕立て
で2枚重ねに近い着物ですし、黒は夏の日差しを集めるということもあって、
ご本人達はかなりの暑さを我慢していらっしゃると思います。

暑さの中でも涼しげな顔の凛とした立ち姿には、芸舞妓の誇りを感じます

それにしても、この日1日のためだけに、各置屋さんは舞妓さんの人数分の
絽の黒紋付を所有している、というのが花街のすごいところですよねぇ…
顔に汗はかかずとも着物の下はびっしょりでしょうから、一度着ただけで洗い
に出すことになるのでしょうし。置屋さんって大変ですね。


大きい(年長の)舞妓さんは、この日はお正月と同じ「奴島田」という髷を
結うことになっています。紋付の正装のときはこれと決まっているのですが、
舞妓さんの髪型の中で一番好きな髪型です


つぶし島田に結った髷に、珊瑚6玉と中央に翡翠1玉を使った玉飾りを結び、
鼈甲の簪、鹿の子の飾り布を付けた、とても豪華な髪型です。私も数年前、
踊り初め用に結って頂いたことがあります。その時に、この本珊瑚や翡翠の
飾り玉も購入しました

結婚してからはまだ日本髪を結っていないのですが、なんだか久しぶりに
結いたくなってきてしまいました結婚後なので髪型に制限が出ますが、
10月の長唄の舞台では何か結ってもらおうかと思っています