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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

ポリーナ・セミオノワ「白鳥の湖」②

2007-04-12 04:19:57 | BALLET


今回のポリーナのオディールは、やはり圧巻。
手足の長いダンサーはアダージョは得意でもスピーディで小回りの利く踊りとなると得てして不得手なことが多いのだが、彼女は切れの良い、野生的ともいえるシャープな踊りと蟲惑的で自らの魅力に絶大なる自信を持った女性として登場。
王子にたいして駆け引きをする、というよりは、もう、魅力で圧倒する感じです。



対する王子は、同じオデットが、恋にもっとスパイシーなものを求めているんだな、と解釈(フリーデマンのインタビューより)し、喜んでそのオデット(と思っているがオディール)を迎える。

騙された!となり、ロットバルト、オディール、スペインチームが姿をくらまし、宮殿が騒然とする中、眩暈を起こして倒れこむでも悲嘆にくれるでもない、若き王子はオデットのいる湖に駆けて行きます。

そして4幕。
涙のオデットに許しを請うのもそこそこに、ロットバルトと存分に戦う王子。ここも、戦いというよりは、オデットとの愛のビームでロットバルトが勝手に弱っていく、戦闘向きでない王子バージョンなどを見慣れた目には、元気に戦う王子は新鮮。
うーん、一幕で花の宮廷乙女に囲まれてウキウキしていた王子に違和感を持ったものの、これはこれで二十歳のジークフリートの役作りとしてはアリなのでは。

最後、呪いが解けたと喜ぶオデットと2人で朝日を浴びるラストはなんとも清々しい。
こういうハッピーエンドも若い2人に相応しい・・・そんな白鳥ではありました。



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4 コメント

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Unknown (Naoko S)
2007-04-13 09:22:22
mariaさま こんにちは~

ポリーナ&フォーゲルの白鳥レポ、嬉しく拝読させて頂きました{ドキドキ}何と言っても、私が今一番見てみたいバレリーナの中で見ること叶わぬダンサーの筆頭がポリーナでして・・・

欧州の歌劇場は「ご当地主義」の傾向が強いせいか(それがあるべき姿とも言えるかもしれませんが・・・)、主要都市間のバレエ/オペラ・カンパニーのエール交換なんて殆どありませんから{NO}、たとえばベルリン国立バレエの公演を見たければ、自分がベルリンに行くしかありません{飛行機}

そういう遠征はそうそう出来ることではありませんし、かといって彼等がロンドンに来てくれるのを待っていたら、既にポリーナは引退する頃・・・なんてことにもなりかねません{げっ}

そういうわけで、今回の東バ白鳥客演にも興味津々。期待にたがわず、魅力的なオデット/オディールを見せてくれたようですね{キラリ}

>>手足の長いダンサーはアダージョは得意でもスピーディで小回りの利く踊りとなると得てして不得手なことが多いのだが、彼女は切れの良い、野生的ともいえるシャープな踊りと蟲惑的で自らの魅力に絶大なる自信を持った女性として登場。
王子にたいして駆け引きをする、というよりは、もう、魅力で圧倒する感じです。

野性味を感じさせるオディールって、とても魅かれるのです 私・・・以前ポリーナがボリショイに客演して白鳥を踊った時の様子を収めた短い映像を見たことがあるのですが、彼女の黒鳥にぐいぐい引き込まれたことを思い出しました。"小細工なし・持って生まれた魅力でストレート勝負"ですか~ うわ~いいなぁ 見たい~~!

東バ版白鳥には(主に衣装面で)やや苦言も呈していらっしゃいましたが、全体にはとても満足のいく公演だったようで、何よりでございました~。(私は一体いつ見られることか、ポリーナ・・・{グズン})
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Unknown (maria)
2007-04-13 22:33:53
Naoko S様

ようこそ!
ロンドンでパリでミュンヘンで、充実のバレエライフを満喫していらっしゃるNaoko様がご覧になれないものを見ることができたなんて~。
NBSさんに、改めて感謝{パチパチ}ですわ!

東バ版の白鳥は、セットの書割がどことなく和風であるとか、飛び立つ白鳥のシルエットが歌舞伎の忠臣蔵の猪並みに不自然であるとか、他にも突っ込みどころ満載なのですが、それを言い立てて折角のポリーナの素晴らしい舞台にケチをつけるのも、と自粛(?)しております(その割にはいっぱい書いてしまったような・・・ゴメンナサイ{YES}{汗})

ダンサーの罪ではない部分でフラストレーションがたまるのは、なんとかならないのかな~とつい思ってしまいますので・・・。

ポリーナは、本当に素晴らしかったですよ{ルンルン}

オデットも、たおやかで憂いに満ちて、王子に「お頼りしてもよろしいのかしら・・・」とそっとよりそう様も淑やかで、若さに似合わぬしっとりとした雰囲気。
そして、オディールは、逆に、若さゆえのシャープさと、バレリーナ離れしたデコルテのゴージャスさも赤いラインストーンを隠し味に散りばめた衣装にもマッチして、本当に魅惑的でした。
時々、キッと目元に力を入れて、見得を切るようにポーズを決めるのも、疾走感すらさえ感じるキレのよい踊りの良いアクセントになって・・・。

>ポリーナがボリショイに客演して白鳥を踊った時の様子を収めた短い映像を見たことがあるのですが、

ボリショイダンサーをバックにこの白鳥が舞う・・・・!これもまたダイナミックで素敵な舞台だったことでしょうね。
どこでもドアがあれば、ロシア、ヨーロッパ、東京を自由に行き来して観たい公演がたくさんありますね{飛行機}{ロケット}
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Unknown (chelsea)
2007-04-21 02:37:00
mariaさま、お久しぶりです!
ポリーナ&フリーデマン、やっぱりいらしてたのですね。
期待の大型カップル、見逃せませんね!
(大型...体じゃなくて資質が。笑)
それなのに私ったらコンディション最悪で眠くなるとは...
不覚です;;;
くだらない感想なのに読んでいただいてありがとうございました{ハート}

でも本当に光輝く美しいカップルで、
目の保養ってこういう事ね~などと思っていたのでした。
ポリーナちゃんの今後の可能性には期待以上のものがあります。
フリーデマンくんの素直過ぎる役作り(作ってる?)も
それはそれで見逃せない面白さ..と言うか(笑)
いい男に甘くてスミマセン!

東バさんの白鳥については
観ながら一人突っ込みして楽しんでおります!?
やはりあの黒鳥マークを着こなせるのは
高岸ロットではないかと..ふふふ。
mariaさまのご覧になった日は周くんも出てたのですね~。
私出てない日に当たっちゃって残念でした;;;
次こそ!
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Unknown (maria)
2007-04-22 01:26:48
chelseaさま

こんばんは!お忙しい中でも、あきらめてしまわれずに劇場に脚を運ばれる情熱が素敵ですv
でも、アダージョでしっかり集中力を持続させることって本当にコンディションがよろしくないときには辛いものがありますよねxxx{グズン}

とはいえ、ポリーナとフォーゲルくんの華のある若々しいカップルは予想以上に見ごたえがあり、やっぱりいらしていただいて良かった~{ラブラブ}とわたくしも思います!
ポリーナちゃんは演技力もあり、自分なりの役作りが見える造形で、やっぱりスターの資質がありますよね。
フォーゲルくんはホントに素直な若者でしたので、若い頃って男の子より、女の子の方が成熟しているものなのよね・・・({レフト}それって中高生のハナシでは?!)などと一人納得しておりました{YES}

そうそう、高岸ロットはやっぱり至芸ですわよね。
わたくし、配役表をいただいてチェックしているときに、あら、ロットが木村さんの日に当っちゃった。高岸さんの日はいつだったのかしら?とすかさずチェック。
結局3日とも木村さんだったとわかったので、致しかたなし、とあきらめたのですケド(笑)
ドン・キホーテの主役を控えて、無理をなさらなかったのかと思いますけど。
あのツィスカリーゼに匹敵する濃い存在感は貴重ですよね。
周くんは、ベジャールのくるみのMが良かったですよね!今回はさりげない登場でしたが、見られて嬉しかったです{ラブ}
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