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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

お着物を愛でる会 2010春

2010-04-26 03:21:09 | きもの
久しぶりの晴天、そして半年ぶりのキモノです

4月24日の土曜日、いつものメンバーで、根津美術館、AO青山ビルのCAFE LANDTMANNでLUNCH、銀座のややさんでアンティークきものチェック、そしてシャングリラホテルでお茶・・・と一日ご一緒してお着物での春の休日を楽しみました。

根津美術館は改装なっての所蔵品ご開陳シリーズ第5弾、琳派コレクション「国宝燕子花屏風」展の初日。
お庭の散策にも良い季節なので・・・とご提案したのですが、言い出しっぺのわたくしは久しぶりの袋帯に手間取り、LUCHからの参加。宮本さんはこの日、美容院でお髪をSETしていらっしゃるということでもとよりLUNCHからのご参加。
煌めく新緑の中のお着物姿はどなさんとmiwaさんのブログでご覧くださいませ^^;



カフェ・ラントマンでは前菜、ボリュームのあるスープ、そしてそれに限定のアップル・シュトルーデルとコーヒーのランチを。



こちらはウィーンの老舗CAFEの初の海外出店。紀伊国屋ビルであるAO青山ビルの4Fでテラス席もありゆったりとできるのが魅力のお店。実は先月宝塚の「ハプスブルクの宝剣」を観る前に、ウィーン気分を盛り上げるために(笑)友人と利用した時の印象がよかったので、今回も予約。
お着物のために、大きな布ナプキンもご用意くださったり、さりげない心遣いでゆったりと過ごせました。

その後、銀座のややさんに・・・。
京都に2店舗、銀座に1店舗。旧式のエレベーターにステンドグラスの窓・・・。
古い、趣のあるビルにあるややさんのショップはとてもこじんまりとしていますが、厳選されたオシャレで状態の良い帯や着物が不定期に投入されるので、一度行った人はハマってしまわれるかも。
今回皆さまそれぞれに、夏着物や川島織物の帯、素敵な丸帯など、心惹かれるお品に巡り合ったものの、条件全てクリアとは行かず、しばし検討することに。

お茶は、今、PARISフェア中で、スペシャルなアフタヌーンティーが楽しめますよと会社の後輩さんから情報を得ていたシャングリラホテルへTAXIで。



ほとんど座ってお喋りに興じていたわたくしたち、本当はアフタヌーンティーSETにトライしたい気持ちもあったのですが、お腹が空かず、種類の豊富なINFUSIONから、ヴェルヴェ-ヌとローズのブレンドのハーブティーを
ポットサービスでレモンや蜂蜜をつけて供されます。添えていただいた小さな焼き菓子も美味^^



ゴージャスさが落ち着く(笑)ホテルの内装にはんなり柔らかもののお着物がマッチしているような・・・。
左からmiwaさんは渋めの薄紫にベージュの大きな花柄小紋にお気に入りのモダンな鳥柄の帯を合わせて。
帯締め、バラの帯どめ、バッグなどの赤がアクセント。羽織っていらしたアイボリーの手編みのショールも鳥の編みこみが何気に可愛らしかったです
わたくし、そして仙台からいらしてくださったどなさんは、行きつけの呉服屋さんでお正月に求められた新しい小紋。
クールなパステルがお好み、という印象のどなさんには珍しく、柔らかい淡いオレンジベース。
古典的な柄が配された、春らしさいっぱいのお着物です。
この日は織の帯であえてアッサリ顔にまとめていらっしゃいましたが、ややさんで、ラメ入り黒地にクリームとオレンジの百合の帯などと合わせてみると粋な華やかさも出て・・・。どの帯とでも合う、という感じではありませんが、それだけに帯合わせで印象を変えられる、素敵な一枚でした。



こちらは宮本さんとの2ショットです^^
このお写真ではわかりづらいのですが、宮本さんのお着物は目黒の池田さんでお求めになったという絞りのとても素敵な小紋。グレイッシュなブルーとピンクが相まって桜霞のよう・・・。そしてちらりと袖口から見えるお襦袢も渋いローズピンクに白抜きの桜の小花プリント。銀座の並木道には八重桜が咲き誇っていましたし、新緑イメージのコーディネートはまだ早い・・・という感じの寒さの続いた4月にはこんなダイレクトではないほんのり桜を感じさせる優しい雰囲気が丁度良い感じに思われました。
そして見事なこの夜会巻き!3つの大粒パールの簪でアクセントをつけていらしたのですが、さすが美容院の技。
着物のヘアスタイルは、着付け以上にもしかしたら大事かも・・・と改めて思ったことでした。





わたくしのこの日の着物は渋い紫の万筋・・・どうも万筋好きなので、つい手に取ってしまいます
帯はPonia-Ponで以前、アイボリー地にターコイズと海老茶の細い縞模様の小紋を購入した際に合わせて買ったアンティークの袋帯。ブルーにライトオレンジの芍薬がはんなりと華やかで気に入っているのですが、芯が柔らかくて形よく締めるのに意外と苦労しました^^;
帯どめ代わりのアンティークブローチは3色パステルの小さなバラブーケで帯の配色にマッチさせて。
帯上げ代わりにシフォンのライトオレンジのスカーフを使用。
半襟もグレイッシュピンクにライトカーキの花模様レ-スを重ねて・・・。
BAGはFirenzeの工房、CLOETTAのオレンジ。ストールはハッキリとした水色でパステル濃淡たたみ掛けコ-デ(笑)
髪止めはラインストーンのライトピンク系のものを使いました。
洋服も、そうではあるのですが、お着物のコーディネートはやっぱり心弾みますね

観劇話などなどお喋りも尽きず、楽しい会でした。
皆さま、またよろしくお願いいたします








初ICE SHOW! STARS ON ICE 2010東京

2010-04-25 23:20:30 | Sports
遅ればせながら・・・
ずっと好きで衛星で深夜延々とグランプリシリーズが放映されていた当時からTVで観ていたフィギュアスケート。
でもリンクに出かけて生で観たことはなかったのです。
なんだか寒そうで・・・(冷え性)

しかし!
このところの日本人選手の層の厚さといいクォリティといい、今フィギュアを東京で観ずしていつ観るのか?!という状況になってきていること、そしてなんと世界選手権、次回は東京開催だというではないですか~
大変!とすっかり一年後のチケットに思いを馳せているわたくし、でもいきなり本命が初回というのも・・・と、予習の意味で、トリノ凱旋の高橋君、真央ちゃん、そしてシェン&ツァオ(申雪&趙宏博)を初めとして日本・カナダを中心とした有力選手総出演の豪華絢爛アイス・ショー「スターズ・オン・アイス ジャパン・ツアー2010」のチケットを入手。

4月11日(日)13:00~
代々木の第一体育館のリンク、S席で観て参りました。



え~と、ここまで書いていて何ですが、お着物会のほうを先にUPしておきたいので、ひとまず筆をおき・・・
後日続きを、という運びにしたいと思います

あれから一月近くたち、ようやくの詳細・感想・・・デス(5月8日)
この日は1時から2時が第一部、25分の休憩をはさんで、真央ちゃんのギネス認定書受領のセレモニーがあってから第二部・・で終了は3時半でした。
驚いたのは帰りの混雑。代々木競技場エリアから歩道橋を渡って原宿駅方向に向かうルートが激混みで、ゆるゆるとしか進めず、なんと会場を出てから30分かかりました!

さて本題。

<第一部>

Openingはカナダからのゲストとプロ・スケーター組が勢ぞろいして華やかにスタート!

●荒川静香さん 
「カルミナ・ブラーナ」(そういえば新国立で再上演されましたね。ビントリー監督就任で実現・・・前回見逃して今度こそ・・と思っていたのですが今回も見逃してしまいました)のドラマチックな音楽にのって、黒の衣装で登場。途中曲想が変った・・・と思ったらお衣装早変わりで(こういう演出がアイス・ショーなのですね)白の清らかなイメージで「アヴェ・マリア」
生イナバウアーが美しくて満足
荒川さんはクールでも清冽なイメージが似合うので、妖艶系よりも清らかモードのほうが好みでした。

●本田武史
黒のTシャツにジーンズ?でカジュアルマッチョイメージ。あまりシャープな感じではないので演技としてどう、という感想もないのですが(ヒドイ^^;?)ジャンプだけはコーチの面目にかけて(!?)しっかり押さえていたのがさすが。

●シンシア・ファヌフ Cynthia Phaneuf
カナダ女子の2番手的ポジションの彼女。ちょっとデミ・ムーア似のエキゾチックでパワフルな印象の美人ですが、どうもちょっとキメが荒いというか雑な感じがするのが惜しい。スパンコールが効いた黒の衣装はお似合い。

●鈴木明子
ラテンの曲に合わせた黒と赤の衣装。彼女らしいイキイキとした演技で見せてくれました。
今シーズンのウエスト・サイドはとても彼女に似合っていたけれども、今後はどんなプログラムを見せてくれるのかしら。。。
なんだか赤の衣装で元気いっぱいに滑る彼女以外のイメージがわきませんが・・・
現役続行してくれるみたいなので、また違った面を観られるのを楽しみにしています

●羽生結弦
ほっそりとした168cmのジュニア世界王者。スタイルも良いしテクニックも安定。柔軟な身体としなやかな表現力、軽やかなジャンプ・・・で次世代も安心と思いましたが、存在感はまだこれから、という感じでしょうか?
何気な~くさりげな~く、さらりとスゴイことをやってのけるタイプ。今回はちょっとロックっぽい?ナンバーで。

●マリー・フランス・デュブレイユ&パトリス・ローゾン
Marie-FranceDubreuil&Patrice Lauzon
30代半ばのフランス系カナダ人カップル。大人~でヨーロピアンな感性が香る二人。
モノトーンにパープルの隠し味のグラデーションの衣装がお似合い。素敵でした

●織田信成
チャップリン・メドレーです。
あの沈没してしまったトリノ後、ということでどこまで復調しているかな~と思ったら、うーん、ジャンプの成功率は3割といったところでしたでしょうかxxx
でもさすがに滑りはキレイ!そして失敗しても暖かい客席。成功すれば励ましの拍手。
とても応援モードの会場に和みました

●安藤美姫
あのオリンピックバージョンの衣装とヘアスタイル(ダウンスタイル・バレッタ留め)でクレオパトラを。
う~ん、やっぱり彼女から発するオーラと持って生まれた華には素晴らしいものがありますね
わたくし、オリンピックのときにグランプリシリーズの衣装に比べて地味?とか、ヘアスタイルもアップのほうがゴージャスで好み、とか言っていたかと思うのですが、実際拝見すると、もう地味なんて言いません、ゴメンナサイという感じ。
滑りはこの日も丁寧でしたよ。

●カート・ブラウニング Kurt Browning
88年辺りから10年近く第一線で活躍していた彼も40代。
小塚君が英語で紹介アナウンスを担当して、あこがれのスケーターで4回世界選手権を制している・・と言いかけたらちょっとお茶目にクレームを付け、4hundred times,と言い直させていました^^;
今回のショーでは長老?的存在ゆえ、ジャンプの制度については言及しません・・・
ユーモアと観客とのコミュニケーション能力に長けたパフォーマンスで見せる、プロ・スケーターという感じ。

●申雪&趙宏博(シュエ・シェン&ホンボー・ツァオ) XueShen&Hongbo Zhao
さすが圧巻。2階から下りてくるようなダイナミックなスロージャンプ、というのを是非に生で見てみたいものだと思っていたので、今回彼らが参加してくれて感謝感謝。
万年4位だったころから今のチャンピオン然とした堂々たる風格を醸し出す今まで、長く活躍を観てきたペアなので感慨深いものがありました。

ふ~ようやく一部終了。また、第2部は明日!  

・・明日と言いつつ一週間経過!5月16日です・・・。
頑張って後半を書きますね

第2部の前に真央ちゃんのギネスブック認定のセレモニーが・・・。
あの、オリンピックで初めてトリプルアクセルを3回飛んだことに対して、のギネス世界記録認定証授与式、ですが、セレモニーこの日だったのですね。スーツ姿の女性が二人、ギネスブック事務局か何かの方でしょうか?
真央ちゃんはとても嬉しそうでしたよ

さて、後半の選手です。

<第ニ部>

●村上佳奈子
アゼリアピンクの衣装で可愛い!
見る者を和ませる明るくホンワカとした雰囲気は彼女ならでは、ですが、テクニックはもう第1級。
可愛らしさを前面に出す、オーソドックスなプログラムでしたが、、これからドラマ性のある演目も滑ってくれるようになるともっと面白くなるでしょうね。期待の星です

●ジョアニー・ロシェット Joannie Rochette
今日はPinkDayなのでしょうか?彼女もパウダーピンクの衣装で登場。
ハーフアップのダウンヘアで女らしく、リラックスした滑りを見せてくれました。

●小塚崇彦
衣装は黒、髪形がちょっとカールヘアーになっているのが甘い雰囲気に合っています。
彼はオリンピックで4回転を決めてから、ちょっと選手として一段グレードアップしましたね!
抽象的なギターコンチェルトに今まではキレイな滑りだけれどそれだけ、という感じだったのが、華が出てきて曲とのシンクロ加減もイイ感じになってきました
小塚くんの出番、の紹介アナウンスはカートがお返しに、「これから400回チャンピオンになるであろう選手です!」と返していたのが微笑ましかったです

●キャシー・リード&クリス・リード
アイスダンス日本代表のリード姉弟です。
公式プログラムに載っていない・・・急な出演だったのでしょうか?
あのお母さんが選んだ、という膝丈の赤い浴衣に黄色の帯、のジャポニズムプログラム、でした。
上位の選手ではありませんが、ようやく出てきた世界標準の容姿を持ったアイスダンス日本代表。
これからもがんばって欲しいです

●ジェフリー・バトル Jeffrey Buttle
トリノ五輪では3位だった彼も28歳。赤と黒の衣装で短髪で男らしい感じ。
えーと、次の3組があまりに豪華だったのでジェフリーの印象が相対的に薄まってしまい・・・ゴメンナサイ

●浅田真央
真央ちゃん登場!
あの自分でデザインしたというローズピンクの衣装で満面の笑顔
いや~キラキラでしたね!
もう、目の前でクルクルと回転してくれる姿も長い手足を伸びやかに使ったスパイラルも安定感抜群でさすが世界選手権女王。
得意の「仮面舞踏会」で会場は一気に盛り上がりました。

●高橋大輔
高橋くん登場!
五輪バージョンの黒白市松ブラウスで名プログラム「道」を。
いや~本当にイイですね。プログラムも高橋君も。
あのお花を審査員にささげる場面、ショーなので客席に向けていましたが
黄色い?歓声が凄かったデス・・

●テッサ・バーチュー&スコット・モイヤー Tessa Virtue & Scott Moir
「ロミオとジュリエット」でした。
淡~いピンクのジュリエット衣装のテッサとライト・グレーの衣装のスコット。
とてもロマンチックでテクニックを超えた二人の世界・・・でした。
この二人、組んで長いせいか若さに似合わぬ成熟した演技が魅力。
あ、でも外見は二人ともとても可愛らしくて若くて甘くて清潔で、ロミジュリにピッタリなのですけれどもね^^;

これでひとまず各々のパフォーマンスは終了。

と思ったら、外国人ゲスト、プラス本田くんが黒とシルバーのクールな衣装でキメて登場。
ちょっとしたパフォーマンスを披露して、残りのメンバーも黒の衣装で出てきて出演者勢ぞろい。

満場の拍手を浴びながら、御挨拶っぽく滑ってくれるのがエキシビションのようで・・・
アイスショーも楽しいですね

すっかり味をしめたわたくし。
来年の世界選手権、その前のNHK杯も会場で観る気満々・・・になってきました!


お花見at MIDTOWN

2010-04-22 03:39:39 | 
ようやく、3月のメイン、Paris Opera座バレエ団の来日公演の感想が書けたので、一安心・・・
と、しばしのんびりしていたらもう4月も後半ですね。

お花見
今年は寒い日が続いたので、意外と長期にわたってお花見を楽しむことができた・・・とはいえ、ちょっと今更感があるのは否めませんが^^;ちょこっとUPしてみますね



今年は日中にアークヒルズの桜坂できれいな9分咲き状態のお花見もしたのですが、
曇り空でちょっとフォトジェニックとは言えず・・・。

3月27日(土)の一夜限りの六本木ARTイベントで、ヒルズの庭園で、キッチュ&POPなインスタレーションとテレビ朝日の夜店を横目に、ちらほらと咲き始めた桜と池の中に設置されたセピアカラーの蓮の花が、発光しながらゆっくりと花弁を開いたり閉じたりするさまをうち眺めたのはいとおかし・・という感じでなかなか良かったのですが、この日はカメラを忘れてしまい



で、無事カメラ持参でお花見できましたのが、3月31日。
六本木ミッドタウンの脇に桜並木があったとは、この季節まで気がつきませんでしたが、紫がかったピンクにライトアップされた桜が華やいだ雰囲気を醸し出していてミッドタウンの建物との映りも良い感じ。
フレンチレストラン、カノビアーノ前の芝生の上に、こんな桜を模した平面のインスタレーションも。
ライトがブルー、白、薄紫・・・と変化するのにつれて桜の花びらのような敷き詰められたものが照り映えたり陰ったりするさまはちょっと幻想的で素敵でした。



そして最後は・・・ミッドタウンに突如現れた苺ショート!
きゃ~
これがまた、スポンジケーキ部分はちゃんとリアルなスポンジで、クリームのところはビニールっぽい素材でソフト感を出して・・・と触っても楽しめるオブジェ。
ご一緒した美女、Oお姉さまいわく、土曜日のARTナイトの時からあったけれども、その時は写真を撮る人でいっぱいで、とても全貌を見ることは叶わなかったとか・・・^^;
他にも波の干満を表したオブジェなど、色々と楽しいお花見ナイトでありました





パリ・オペラ座バレエ団「ジゼル」 デュポン、ル・リッシュ ③

2010-04-18 05:32:00 | BALLET
パリ・オペラ座バレエ団2010年日本公演の楽日、
ガルニエでプレルジョカージュの新作「シッダールタ」出演のため、日本公演はこの一日だけ出演の
オレリー・デュポンとニコラ・ル・リッシュが主役の「ジゼル」



第2幕です。
後悔に苛まれてのお墓参り。
アルブレヒトは忠実なるウィルフリードを先に帰らせ、ジゼルの墓前で嘆きます。

ウィリとなったジゼルとアルブレヒトのPDDでの、ジゼルの浮遊感が素晴らしい。
これはひとえにニコラのサポートの上手さ?
オレリーのたゆたうようなアームスとサヤサヤと残像を残すスカートのシフォンの重なりがうごめくさまに陶然とさせられました。

オレリーのジゼルは、生前と変わらぬ暖かさを持った表情で、アルブレヒトの目の前に現れますが、その白いウィリの衣装ゆえか、暖かさの中にどこか霊的なものを感じさせ、やはり違った世界に属しているのだということをハッキリと表します。
もう生身の人間の手の届かない存在であるものゆえの一抹の悲しみを宿しながら、なお、さし迫った死への危険から最愛の人を守り抜こうとする静かな決意。
それは、ミルタの前でアルブレヒトをかばう、きっぱりとした優しさに現れており、それを受けたミルタも、二人のアルブレヒト助命の懇願に表面上は拒絶を繰り返しますが内心動かされていることがわかります。
この目線と気持ちの通い合い、どんなマイムを見せるでもないのですが、オレリーとマリ=アニエスとの間にはしっかりとそんなやり取りが交わされていると思いました。

ニコラのアルブレヒトは、ジゼルに再会できた喜び、でもそれが手の届かない存在であると知った戸惑い、ウィリの登場から死への舞踏に誘われながら、翻弄される様・・・
を、見せながらも、アルブレヒトのソロでは、高い跳躍、正確な脚技はもとより、その若者らしい存在感たっぷりの体躯が宙を舞い、限界まで(とはいえ、倒れこんでも余力を感じさせるあたりがニコラ)突き動かされる様子そのものにドラマチックな感興を催させられました。

最期、朝の光に救われた二人を残してウィリたちが上手に掃け、下手の墓前にて、そのまま名残を惜しむように腕を差し伸べながら、ジゼルもまた、現実の世から姿を消してしまいます。
一人残されたアルブレヒト。
彼は、墓前に残したマントを手に、それを引きずるように力なく、ジゼルの墓を後にします。
明るい光に包まれて・・・。
今 起こったことを思い起こして、彼女の愛とその喪失を噛みしめながらトボトボとジゼルのいない日常に戻る、その空虚な気持を表すがっくりと落ちたその肩・・・。
白百合をハラハラと取り落しながら虚空を見つめる、ナルシスティックなカタルシスがジゼルのラストシーンの定番ではありますが、ニコラの解釈はロマンティシズムを敢えて排してリアリスティック。
幻想的な一夜の宴で知った真実の愛がその後の彼の人生に重く刻んだものを悟らせる印象的なラストでした。





この日が楽日でしたので、カーテンコールで、3色のラメテープが大量のコンフェッティとともに舞台天井から落ちてきて場を華やかにもりあげました。
ここでお辞儀をしているコールド陣、ジゼル初日にはあまり揃っていない感じも見受けられましたが、この日の舞台では素晴らしかった!左右対称に、アティテュードのポーズで片足で進みながらすれ違うところなど、思わず客席からブラボーが
出たくらい。



これは終演後の記念写真(NBSのブログより)
センターに立つウィルフリード役のスジェのジャン=クリストフ・ゲリさんは、この日が引退公演だったそう。
大喝采でお見送りできて良かったです。




パリ・オペラ座バレエ団「ジゼル」 デュポン、ル・リッシュ②

2010-04-10 01:01:33 | BALLET
パリ・オペラ座の「ジゼル」、全4配役での東京公演、シアラヴォラのジゼルとペッシュのアルブレヒトペアも、エトワールに昇進したばかりの彼女、というのと、繊細かつ妖艶な彼女の2幕でのウィリ姿は似合うだろうなぁという期待とでちょっと心惹かれたのですが今回は怪我で?降板。
代わりにムッサンが大人っぽくも繊細な、いいジゼルを見せてくれたそうですね

あと、評判が高かったのはドロテ・ジルベールとマチアス・エイマンの若手ペア。
マチアスのインタビューで、役作りのときにメートルのローラン・イレールが、自分のときはプレイボーイのアルブレヒトで貴族のお遊び・・的な感覚で役を捉えたけれども、それは若いマチアスには似合わない・・と純愛・熱愛編に変更したそう。
それが自分にはとても良かった、的なことを語っているのを見て、きっと今の彼らならではの若々しい舞台をみせてくれたのだろうな・・と想像したのですが。
第1幕ではきっとナチュラルな若い二人の恋模様を無理なく見せてくれるのだろうと予想できましたが、評価が高かったのは寧ろ第2幕。
ポアントの音をさせずにすっかりウィリになりきったドロテ、アントルシャ・シスで高く力強いジャンプに渾身の力を投入したマチアス・・・
かなり印象に残る舞台だったようで、体力・精神力的に無理!な状況下ではありましたが、観られれば良かったなぁ・・と思ったことでした

さて、本題に

ニコラのアルブレヒトには、登場時から陽性のオーラが
どんなにジゼルが可愛いか、従僕ウィルフリードの肩を抱えて親しげに語る姿、腰の剣を指摘されて「ホントだ、うかつだったよ!」と明るく腕を振り上げるしぐさも、屈託のない若者そのもの。
花占いの花弁を数えて(一本でした)がっかりしたジゼルの背後で数枚むしりとってほら、大丈夫だよ!と見せるのも(どう見てもちゃんと数えていないみたいですけど~)如何にもおおらかな育ちの良さが感じられます。

対するオレリーは、どこから見ても目の覚めるような美少女。
背後にすっと立つアルブレヒトも、ジョゼのときのように、驚いて恥じらうジゼルの姿を眺めて楽しむ・・・というよりは、ちょっとふざけてからかったけれどもすぐに彼女に夢中に、という感じ。
あまりの美しさに思わず天に誓いをたてようとする彼の直情系の行動も、こんなジゼルならやむなし、です。
クールランド大公がジゼルの家を訪れた際、膝まづく彼女の顎に人差し指をかけて改めて顔を見るのも、美しい娘だ・・(か、アニエスの解釈に従って、落とし胤だとすると、こんなに成長して・・かもしれませんが)と改めてそのかんばせを眺めたくなるお気持ちお察しいたします、と声をかけたくなりました。

その常人とかけ離れた美貌のわりに、友人である村娘たちとは気さくにお喋りを楽しむ、元気なジゼル。
バチルド姫との恋バナにも目を輝かせて反応し、いただいたネックレスは友人たちにも「見て見て、素敵でしょう,..」とご披露。
自慢の恋人もいて、今、ジゼルは幸せいっぱい・・・

それだけに、アルブレヒトの裏切りが判明した瞬間の彼女の慟哭にドラマが生まれます。



こんなもの!と引きちぎるように投げ捨てるネックレス。
これはアルブレヒトへの怒り?楽しかったほんの数時間前の彼とのひと時・・・記憶をなぞりながら、心の錯乱が深まっていきますが、全体的にオレリーも激しくその動揺を表に現しはしません。
母に、ヒラリオンに、アルブレヒトに・・・その苦しみからの助けを求めて向うも、救いはない、とわかっている苦しみ。
大きく見開いた瞳にその苦しさを滲ませながら息絶えます。

ヒラリオンに問い詰められて怒りを見せるも、ジゼルに対して明確に否定できない。。その段階から、ジゼルに対して目を合わせられなくなったニコラ=アルブレヒト。
心ならずも貴族の狩りの集団に挨拶し、バチルド姫の手をとりその指先に唇を寄せる、凍りついたジゼルの視線を感じながらも流麗に必要なことをする彼は、事の重大さを受け止めることを敢えて回避しているよう。

それが、ジゼルの息が止まったことに気がついてからは、突然、心にスイッチが入って本来の自分が動きだしたように周囲を見渡す彼。どうしたらいいんだ、ヒラリオンのせいだ!いや、お前こそが元凶だろう!そんな、皆、どう思う!
目を合わせず、うつむくばかりの村人にすがらんばかりのアルブレヒトをすばやく忠臣ウィルフリードがマントを着せかけてその場を去らせます。