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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

「のだめカンタービレ・最終楽章・前編」

2009-12-30 02:40:59 | FILM
年末も押し迫って参りました。
・・・年賀状xxx

12月の始めに用意を始めたと言うのに、
クリスマスが終わらなくてはお正月気分にならないなどとうそぶいていたわたくし。
・・・もう、クリスマス、とっくに終わりましたが

なにかしなくてはならないことがあるときに限って、色々と違うことに眼が向いてしまう・・・
日曜日、友人に誘われて、マリオン日劇で、
「のだめカンタービレ」を観て参りました。

オープニングはニュー・イヤー・コンサートで有名なあのウィーンの楽友協会!
映画ロケを許可したのは初めて!だそうで・・・豪華です。



先日23巻が発売されて完結した二ノ宮知子の漫画が原作。
TVドラマでもその絶妙なキャスティングと原作の味わいを上手く表現したスピード感溢れる
ギャグシーンなどで好評を博していましたが、今回、主人公二人の
クラシックの演奏家、指揮者修行の場、ヨーロッパに舞台を移して映画化と相成りました。

音大生の友情と恋、そしてアーティストとしての成長物語・・・ですが、
魅力は、主人公のだめ(上野樹里)が取り組むピアノ演奏、主人公の恋人千秋真一(玉木宏)が
指揮者として掘り下げる交響曲の生演奏場面。

今回、千秋の指揮は、東フィルの飯森範親さんが監修、ということで、
玉木宏の指揮振りが見事。
このまま指揮者になれるのでは・・・?と思うくらい振りや表情が曲に合っています。

物語の山場、伝統あるパリの中堅オーケストラの常任指揮者として
コンクール優勝後のキャリアをスタートさせたものの、問題山積で・・と奮闘するあたりから
見事、定期演奏会でチャイコフスキ-のドラマチックな「序曲:1812年」をほぼフル演奏するあたり、
重厚な曲そのものの魅力と大画面での演奏シーンの迫力が一体化して
素晴らしいカタルシスを得られます。
ちなみにとても詳細なパンフ(笑)によると、この演奏は大友直人指揮、
ロンドンフィルハーモニックオーケストラの音源も使われている模様・・・。

あと、野田恵(のだめ)が、コンセルヴァトワールの進級試験で演奏する
モーツァルトのピアノソナタ第11番(トルコ行進曲付)の演奏が、イキイキとして自由な
演奏をするという原作の設定にピッタリの音。
一体ダレが・・・??とチェックしたら、
なんと若手注目株の天才ピアニスト、ラン・ランがこの映画のために弾いた・・・とのこと。

豪華ですね~
この2つのシーンだけでもう満足です(笑)

あ、もちろん、コミカルなシーンも満載です。
ドイツ人天才指揮者フランツ・シュトレーゼマンを竹中直人が怪しいカツラとアクセントで
彼にしか出来ない説得力で演じきっていた力技が、他のキャスティングにも波及。
千秋が就任したマルレ・オケの憎めないトラブルメーカー、事務員テオをなだぎ武が・・・
というのも意外に無理なく(?)嵌まっていました。

かと思えば、この定期演奏会の劇場はパリの設定でその実チェコでの撮影だったそうなのですが、
古参の常連客をチェコの国民的名優、リュドミール・リプスキーが演じていたり・・・と小さなサプライズも。

映画で前・後編に分ける・・しかも公開時期をずらして・・・というのは
賛否両論ありそうですが、この映画に関しては、原作でも最重要な演奏シーンを
大事に扱う上で、英断であったと言えましょう。

後編は4月公開だそう。
楽しみです




シルヴィー・ギエム「聖なる怪物たち」 ②

2009-12-28 02:20:46 | BALLET
100年に一度のバレリーナ、シルヴィー・ギエムの、
インド古典舞踊の名手、アクラム・カーンとのコラボレーション
題して「聖なる怪物たち Sacred Monsters」日本公演初日、
2009年12月18日(金)19:00~東京文化会館に行って参りました。

ところで、わたくし、今年は何度この劇場に足を運んだことかしら・・・。
バレエにOPERA,過去のよきものはほとんど全てここで観ている気がします。

19時から、ということで普段なら会社帰りに予定するところですが、この演目は
休憩なしの75分間。遅刻したらもう入れない・・・というのに恐れをなして(^^;)、
会社を休んで駆けつけました。

それにしても。ギエムのツアーにしては弱冠日数が少ない(東京3日間)こともあってか
この日も大入。やはり人気に陰りはないのですね。



作品自体は実にナチュラルでチャーミングなもの。

舞台の上にはベージュ、しろ、グレー、墨黒、紺といったナチュラルカラーのTシャツとパンツ姿の
歌い手、パーカッショニスト、弦楽器奏者、などがゆるやかに囲む中で、
ベージュの地模様のようにタックの入ったコンパクトなTシャツに黒のワイドパンツのシルヴィーと
ナス紺かダークパープルを含んだようなチャコールのTシャツとパンツのアクラムが。
白とグレーで斜めに空間を切り裂いたような針生康の美術が、
ヨーヨーマのシルクロードプロジェクトのようなちょっとエスニックな無国籍風の音楽隊に
現代的なセンスを添えています。

冒頭、ベリーダンスのダンサーがつけているような鈴の音が、二人の動きにつれて聴こえるのは、
アクラムのアンクレットとシルヴィーが縄跳びの縄のように持っている、鈴の綱から・・・。

舞踊公演としては特異なことですが、台詞とともに進行する舞台。
シルヴィーのクラシックダンサーとしてのジレンマ、
そして、豊かな髪のクリシュナを演じるのに後退する髪の悩みと言う自らのジレンマを語るアクラム。
本質を踊るのに外見上の相似は必要ない、という結論を語る彼に向かってシルヴィーは言います。

"Akram, I think you are a beautiful bald Krishna."

テキストでみるとどうってことはないのですが、このbald(禿げ)にかすかに力をこめる
彼女の語り口は訥々とした中にユーモアを滲ませていて思わず笑いが。
アクラムの、低く落ち着いた、聞き取り易い英語と、
ちょっと神経質で、でもユーモアのあるシルヴィーの台詞。
それは、驚くほどスピーディで求心力のあるアクラム・カ-ンのダンスと、
巧みにコントロールされた、それでいて常人離れしたエクステンションを持つシルヴィーのダンスとの
実に興味深いハーモニーと対比をなぞっているようでもあり・・・。

シルヴィーのパート、アクラムのパートのそれぞれのソロ。
シルヴィーはアクラムのソロの間、舞台の後方で、一枚のタオルを首にかけ、もう一枚で腹部を覆い
汗をかいた身体を冷やさないようにしている模様。

ギエムが舞台前方でひじをついて寝そべり、少しずつポキポキと関節を空いているほうの手で折るような仕草で起き上がりながら、以下のダイアローグを語ります。

イタリア語を習おうと思ったとき、ミラノの本屋で「Peanuts」のイタリア語版を見つけ、
チャーリー・ブラウンの妹サリーに共感した話。
ここで、自分が英語のレッスンを受けていたクラスでサリーと呼ばれていた、という彼女に
アクラムが、自分はシュブーと呼ばれたと。
「美しい」という意味だよ。という彼に、ひと呼吸おいて、”Anyway"と自分の話を続けるシルヴィー。
ここも笑えました。
サリーがついさっきまで、スキップして人生を楽しんでいたのに次の瞬間、全てがむなしく感じる・・・という感じ、良くわかる・・・と。
そして「エマーヴェイユ」という感動を表すフランス語をアクラムに説明するために言葉を尽くす彼女。
クリスマスツリーに瞳を輝かせる小さな子、を引き合いに出すと、
アクラムは「ぼくはイスラム教徒だから・・・」わからない、と。

もういいわ、じゃぁ、踊りましょう、などとイタリア語でまくし立てるシルヴィー。
アクラムがわからないよ~と言っているのにマイペース。
最後の方で、シルヴィーがタオルの一枚をアクラムに投げて、彼がそれで汗をぬぐおうとすると
「あなたのためじゃないのよ、アクラム。すべるとあぶないから、ほら」と
自分は自分でタオルを足で動かして床掃除。
”It's not for you,Akram"の辺りはテキスト(基本の台詞は対訳付のテキストで
HPでも紹介され、日本語プリントが当日配布され、舞台には字幕がでました)にはなく
アドリブっぽかったのですが、場内では大うけ。

その割りに、二人で踊り始めると、アクラムが幹、シルヴィーはそこから伸びた枝のように、
脚を絡ませ、上体を自由に使って、双頭の生き物のように自在に踊ります。
何もかもがあまりに自然なので、それが如何にテクニック的に難しいことか
観ていて忘れてしまいそうになるほど・・・



全ての肉体的条件が対照的な二人ですが、東西のそれぞれ古典舞踊を共通言語として持つ
コラボレーションは意外なほど自然でスムース。
ずれているようで、ユーモアを湛えた穏やかな調和を見せるフレンドリーなコミュニケーションのあり方も含め、
へブンリーな幸福感を最後に残したパフォーマンスでした。



シルヴィー・ギエム「聖なる怪物たち」 ①

2009-12-26 08:32:34 | BALLET
皆様、楽しいクリスマスを過ごされましたか?

一週間前のこととは思えないほど、遠く感じる、シルヴィー・ギエムの公演、
素晴らしかったので、なんとか年内に感想を収めたいと思います。
まずは当日のCAST表から・・・


シルヴィ・ギエム&アクラム・カーン・カンパニー
「聖なる怪物たち」

芸術監督・振付:アクラム・カーン

ダンサー:シルヴィ・ギエム、アクラム・カーン

振付(ギエムのソロ):林懐民
振付(カーンのソロ):ガウリ・シャルマ・トリパティ

音楽:フィリップ・シェパード
およびイヴァ・ビトヴァー、ナンド・アクアヴィヴァ、トニー・カサロンガの歌より

照明:ミッキ・クントゥ
装置:針生康
衣裳:伊藤景
構成:ギィ・クールズ

演奏:アリーズ・スルイター(ヴァイオリン)
ラウラ・アンスティ(チェロ)
コールド・リンケ(パーカッション)
ファヘーム・マザール(ヴォーカル)
ジュリエット・ファン・ペテゲム(ヴォーカル)

技術主任:ファビアナ・ピッチョーリ
舞台技術:サンダー・ルーネン
音響技術:ニコラ・フォール
ツアー・マネージャー: シャロン・ジョン

◆上演時間◆
19:00-20:15

75分とはいえ休憩なしで出演者全員舞台に出ずっぱり。
スリリングかつ、大きな劇場でありながら、インティメイトな雰囲気の公演でした。



マリインスキー・バレエ「オールスター・ガラ」2日目 ④

2009-12-23 01:29:45 | BALLET
続けて行きます!

第3部

「海賊 組曲」テリョーシキナ&コルスンツェフ

うーん、この日の「海賊」はクラシック・バレエを観る喜びに満ちていました!


(写真はリハです)

コルツンツェフのコンラッドは頼れるお兄さん。
伸びやかな長い脚、どことなく鷹揚なムードで安定感と器の大きさが感じられます。
ソロの場面もダイナミックで良かった!
(今日も)忠義な奴隷・アリのシクシャローフくんも自らついていきます、首領、という感じで納得の上の
主従関係に見えました(笑)。
テリョーシキナのメドゥーラは赤紫の衣装が大人っぽくて、華があり、良くお似合い。
それにしても、今回の来日公演ですっかりテリョーシキナのファンになってしまいました。
なんといいますか・・・音楽と一体化しながら実に良くコントロールされた身体性、
テクニックを全面に押し出さず、いとも軽やかに見せながら、端々まで行き届いた神経、
まさにクラシック・バレエの美しさをイキイキと見せることのできるバレリーナ。
それに、役柄に沿って、如何様にも茶目っ気を出せる演技力と意外と可愛らしいヒトなのではないかと
思わせるパーソナリティ。
こういう若手が育っているのがマリインスキーの素晴らしさですよね。
(今日も)ギュリナーラのオブラスツォーワはトロワよりも少ない出番ながら、
爽やかな笑顔を振りまいて、存在感あり。

トロワはお気に入りのヤナ・セーリナを堪能しましたが、他の二人もそれぞれに個性があって
ソロもたっぷり・・・の花園の場面が充実していました。

この日は最後も音楽が終わって決めのラストシーンまでしっかりと。
しっかりと見せてくれて、しかも1度幕が降りてから、再び、最終場面を見せてくれるというサービスっぷり。
その間、高々とテリョーシキナを頭上に掲げたコルスンツェフ、微動だにしませんでした・・・
さすがです~

そして華やかなカーテンコール!!



長かった公演の楽日ということで、JapanArtsさん渾身の紙ふぶきと金色テープ。
もう、半端じゃない量が落ちてきました!



豪華!オブラスツォーワ、ヴィシニョーワ、ロパートキナの3ショット。
ロパさま、赤いハンドバッグがお気に召したようで、最後までお手元に・・

カーテンコ-ルのときに、上手側の男性陣(コルスンツェフ、ロブーヒン、イワンチェンコ)がバレリーナを立てるべくズイズイと奥に下がっていくのが印象的・・・
最初、幕が降りたとき、オケピ近くまで出ていたチームと彼らが分断されるほど下がっていたナイトたちよ
・・・TT



いつまでも続くカーテンコール、幕が閉じた後も、色々な組み合わせで幕前に出てくれたのですが、
ペアで出てきたロパートキナ&コールプ、ソーモワ&サラファーノフ、テリョーシキナ&コルスンツェフはいいとして、ヴィシニョーワ&シクリャローフは、あくまでそれぞれ別枠だから!という態度でシクシャローフくんには眼もくれないヴィシニョーワさま、ヴィシを立てて先導としんがりをつとめながらどことなく遠慮がちなシクリャローフくん。。。主役休とはいえキャリア、格の違いがあるのですよね・・・
そんななか、カーテンから出たすぐのゾーンに溜まりがちなダンサーのバランスを見て取って、
自ら上手側の端っこまで来てくれて笑顔をふりまくロパートキナの性格のよさにまた感激・・・。

それにしても、こうして主役級ダンサーが一堂に会する姿を打ち眺めると
品の良い正統派と言われるマリインスキーも、なんとバラエティに富んだ個性豊かなスターを
多く有していることよ、と改めてその奥深さに感じ入ったことでした・・・

次の来日は2012年。
今回以上に(!?)通いつめてしまいそうです・・・
とりあえず、来年2010年にはボリショイとの合同ガラがまた予定されているそう。
この中の何人のダンサーと再会できるかはまだわかりませんが、楽しみです!




マリインスキー・バレエ「オールスタ-・ガラ」2日目 ③

2009-12-22 17:25:38 | BALLET
マリインスキーの公演が終わってもう10日がたつなんて、時の経つのは早いもの・・・
いつまでもいつまでも余韻に浸っていたくて・・とはいっても、ギエムの公演も終わってしまい、
そろそろ書き残したことを埋めていかなくてはならない時期になったことでもありますし、
FINISHしてしまおうかと思います
では再開・・・

【第二部】


「シンデレラ 二幕PDD」オブラスツォーワ&ロブーヒン

これは前日のヴィシニョーワ&コルプとは全く異なる世界!
なんだかロミジュリかと思うほど、清新な若者たちの初恋・一目惚れワールドなんですよ・・・



1920年代調のスタイリッシュなヴィシとは衣装からして違います。
胸元で切り替えのあるエンパイアシルエットで少女らしく、髪飾りもキラキラするお花?で
楚々として愛らしいオブラスツォーワ。
黒のエンビとワインカラ-のロングドレスの紳士淑女の行き交う中、
白いブラウスとパンツで如才なく社交をしているようで、その実素朴な内面を持つロブーヒン王子とは
出会うべくして出会った、陽だまりの似合う少女・シンデレラ。
二人が夢中で話し込む(手話のようなパントマイム)の場面も、ヴィシだと孤独な魂が
つながりを求めて・・というように見えましたが、この二人だと自然な若いカップルの会話・・・という感じで。

リフトも自然で、ヴィシニョーワ組のような驚くべきエクステンションから来る
スリリングな味わいはありませんでしたが、全てのパがナチュラルで優しさに溢れていて、
これはこれで良い組み合わせ。
相性の良さに、安心してロマンチックで爽やかなカップリングを楽しめました。


「ロミオとジュリエット バルコニーシーン」テリョーシキナ&イワンチェンコ


写真はリハです。

うーん・・・。
見るのがある意味こわかった演目。
昨日の「海賊」でイワンチェンコのサラサラヘアーにある程度目が慣れていたはずですが・・・
ロミオには見えません~。
テリョーシキナは美しいラインとそれでも一生懸命(;;)岩のような(失礼!)ロミオに
胸ふるわせるナイーブなジュリエットを演じていて・・・
あぁ、もっと熱い視線で応えて優しい熱情を返してくれるパートナーと組ませてあげたかった!

落ち着いたロミオでした。
やむにやまれぬ恋心の疾走感、はなく、しっかりと常に伸びた背筋、後へジュテするときの
美しく伸びた後脚、などきれいに踊っていましたが。
今回の発見。
イワンチェンコって背中が硬い?
二人して背後に反る場面ではしなやかで可動域の広いテリョーシキナと明らかな差が・・

いや、重箱の隅をつつくのはこれくらいにして、
GALAならではの(これを全幕で上演するとは思えない)組み合わせの妙を楽しむ演目だった
とまとめてみたいと思います~


「チャイコフスキーPDD」ソーモワ&サラファーノフ
 
ブルーの衣装で爽やかなカップルが踊る、GALAの定番MENU.
若手金髪超絶技巧ペア、さぁ、どう来るか!

二人とも、ここぞとばかりに見せてくれました!が、ちょっと走りすぎ?
ソーモワ、これまで、あら、ちょっとお姫様っぽくなったのね~と思わせていた教育の成果が・・・
成果が・・・ 
なんだかポージングの角度とか、フォルムが雑?
でもって、お得意の思いがけない手アゲ脚アゲで元気いっぱいなアリーナの
悪い癖がまた出てしまったかな、とちょっぴり残念。

サラファーノフは?といいますと・・・。
音楽とちょっと合わないところもありましたが
ラストの決めはピシッとまとめたり、ピルエットの盛り上げとか、収めどころを心得た演技で、
若き才能とはいえ、彼もややベテランになってきたのか、TOTALで納得させる辺りは流石、でした。


「瀕死の白鳥」ヴィシニョーワ 


・・・。
全てにおいて素晴らしいヴィシニョーワですが、白鳥って
やっぱり、どうしようもなく、生まれながらのフォルムやキャラクターを選ぶ難しい役なのだな・・・
と、強く感じてしまいました。

いや、前日のロパートキナというこれぞ決定版!を観てしまった翌日だから
厳しすぎますし、ないものねだりで申し訳なくも思うのですが・・・。

筋肉質のしっかりとした身体で、しかもチュチュにちょっとボリューム感があったので、
脚や腕が相対的にしっかりと短く見えてしまった、ということも大きいかもしれませんが・・・

あまり、白鳥に見えなかったです。

美しい赤い唇、長い睫毛に縁取られた瞳を伏せて、悶絶する美女の姿は
それはそれで切実な何かを伝えていましたが・・・

・・・白鳥ではなかったですTT


「ザ・グラン・パ・ド・ドゥ」ロパートキナ&コルプ

もう!楽しかった~
あのロパートキナがこの正統派なパを盛り込みつつのコミックバレエをどう演じるか・・・
楽しみにしていたのですが、これがもう最高!!

教育ママ眼鏡に赤い小さなハンドバッグを除けば白い白鳥スタイルのプリマと王子の掛け合いで、



こんなお茶目な表情で登場したロパートキナ、どんなにふざけた掛け合いをしても、
なぜかフォルムのあまりの美しさゆえか、会場に笑いがなかなか起きず、只引き込まれて
見つめるのみの観客・・・
ハンドバッグの持ち手を口にくわえたり、そこまでするか!というおふざけ満載なのですが、
このヒトがするとなぜか品良く、自然にエレガントに見えて、それがまたおかしい・・・



コールプも負けていません~。
あくまでマイペース、パートナーよりハンドバッグが気になるマイペースプリマを相手に
一歩も引かず、苦笑しつつも丁々発止の掛け合いを彼自身も楽しんでいる余裕感が
快い。



ロパートキナにこんなことができるなんて、有り得ないよね!と
インタビューで言っていた彼、存分に楽しませてくれました。

でも、なんといってもこの演目の白眉はロパートキナの愛らしさ!!
最後赤いバッグを開けて、中から紙ふぶきをつかみ出し、ハラハラと蒔いてみせる笑顔!

そしてツツツ・・・と進み出て、オーケストラボックスにもハラハラと慎ましやかに蒔くそのお姿・・・

あくまでレディでお行儀良く、そして楽しそうな姿に見ているほうも満面笑顔に
またまた惚れ直しました~