2012年2月8日(火)18:30~
東京文化会館にて
ボリショイ・バレエ団 2012年日本公演
「ライモンダ」に行って参りました。
The Bolshoi Ballet & The Bolshoi Orchestra
初演:2003年5月10日
2012年2月7日(火) 18:30~21:30
「ライモンダ」 全3幕
台本:ユーリー・グリゴローヴィチ(中世騎士道物語にちなんだリディヤ・パシュコーワのシナリオに基づく)
音楽: アレクサンドル・グラズノフ
改訂振付: ユーリー・グリゴローヴィチ
原振付: マリウス・プティパ,アレクサンドル・ゴールスキー
美術: シモン・ヴィルサラーゼ
音楽監督・共同制作: パーヴェル・ソローキン
照明: ミハイル・ソコロフ
振付アシスタント、指導: ナターリヤ・ベスメルトノワ
指揮: パーヴェル・ソローキン
管弦楽: ボリショイ劇場管弦楽団
ドリス伯爵夫人シビル: エカテリーナ・バリキナ
ライモンダ(その姪) : マリーヤ・アレクサンドロワ
アンドラーシュ2世(ハンガリー国王) : アレクセイ・ロパレーヴィチ
ジャン・ド・ブリエンヌ(ライモンダの婚約者の騎士) : ルスラン・スクヴォルツォフ
アブデラフマン(サラセンの騎士) : ミハイル・ロブーヒン
クレマンス(ライモンダの友人) : エカテリーナ・シプーリナ
アンリエット(ライモンダの友人) : アンナ・ニクーリナ
ベルナール(吟遊詩人) : ウラディスラフ・ラントラートフ
ベランジェ(吟遊詩人) : デニス・ロヂキン
執事: アレクサンドル・ファジェーチェフ
ふたりの騎士: エフゲニー・ゴロヴィン、カリム・アブドゥーリン
第1ヴァリエーション( ライモンダの夢の場面) : チナーラ・アリザーデ
第2ヴァリエーション( ライモンダの夢の場面) : ダリーヤ・コフロワ
6人の踊り手: マリーヤ・ヴィノグラードワ、マリーヤ・ジャルコワ、
アンナ・オークネワ、オルガ・マルチェンコワ
ユリア・グレベンシコーワ、アンジェリーナ・ヴラシネツ
サラセン人の踊り: ユリア・ルンキナ、デニス・メドヴェージェフ
スペインの踊り: クリスティーナ・カラショーワ、マリーヤ・ジャルコワ
マズルカ: クリスティーナ・カラショーワ、アントン・サーヴィチェフ
ハンガリーの踊り: アンナ・レベツカヤ、アレクサンドル・ヴォドペトフ
グラン・パ: マリーヤ・ヴィノグラードワ、ユリア・グレベンシコーワ、
オルガ・マルチェンコワ、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ
アンナ・オークネワ、アンジェリーナ・ヴラシネツ
ヤニーナ・パリエンコ、スヴェトラーナ・パヴロワ
カリム・アブドゥーリン、アルテミー・ベリャコフ、
デニス・ロヂキン、ミハイル・クリュチコフ、
バティール・アナドゥルディーエフ、ミハイル・コーチャン
マクシム・スーロフ、エフゲニー・ゴロヴィン
4人の踊り手のヴァリエーション: アルテミー・ベリャコフ、デニス・ロヂキン、
カリム・アブドゥーリン、ミハイル・クリュチコフ
ヴァリエーション: ダリーヤ・コフロワ
【上演時間】 約3時間 【終演予定】21:30
第1幕 50分 - 休憩 25分 - 第2幕 40分 - 休憩 25分 - 第3幕 35分
繊細でエキゾチックなグラズノフの音楽、
ブルーグレーと金を基調とした幾重にも重ねられたドレープの奥行きが重厚な美術、
肩を出したボートネックのような襟元、袖に長い布を垂らした中世風の宮廷服に身を包んだコールド。
お話は単純明快。
一幕で、伯爵夫人の姪、ライモンダが、婚約者の騎士ジャン・ド・ブリエンヌの十字軍の出征を見送り、
その夜、サラセンの騎士からの求愛を受ける夢を観る。
2幕で、それが正夢とわかり、富と地位を約束するサラセンの騎士アブデラフマンの情熱に押されつつも
拒絶するライモンダが拉致されそうになったところでたまたま帰郷ジャンが登場。
ハンガリー王が間に入って決闘となり、ジャンが勝利を収める。
3幕では、祝福する王に敬意を表したマズルカやハンガリアンダンスが祝宴披露され、ライモンダとジャンの結婚式が華やかに繰り広げられる。
とにかく全編が踊りの見どころ満載。
主役のアレクサンドロワには圧倒的な華があり、白い騎士スクヴォルツォフはダイナミックで柔らかな跳躍が
美しい。
怪我から復帰し急遽参加のロブ―ヒンはこの人ならではの力強いサラセンの騎士を見せ、
ライモンダの友人2人には、なんとプリンシパルのシプ―リナとファースト・ソリストのニク―リナを配するという贅沢な舞台。
シプ―リナもエレガントですが、ニク―リナの手首から先のラインの繊細さ、美しさに改めて感心。
この2人に付く吟遊詩人ウラディスラフ・ラントラートフとデニス・ロヂキンはキレイで、テクニックも確かな魅力的なダンサー。
ラントラートフは「白鳥」ではロットバルトを踊っていたときも身体のラインと踊りがキレイで注目していたのですが、根が良い人すぎるのか(笑)ロットバルトのすごみはなく・・・。
ニク―リナとの並びは2人とも黒髪で柔らかな雰囲気が良く似合っていて素敵なカップルでした。
コールドの男性で、ワシリーエフをスラリとさせてスッキリとしたハンサムにしたような、ちょっと目立つダンサーがいたのですが、2人の騎士の片割れエフゲニ―・ゴロヴィンではないかと・・・。
プログラムに顔写真が載っているスターではないので、自信がありませんが^^;
今後にちょっと注目かしら、と
最後の方でソロを踊るダリーヤ・コフロワが、上手から登場してすぐに、セットにぶつかっていたのが珍しいハプニング。気を取り直して落ち着いて踊っていたのはさすが。
でも、大役で大きなチャンスだったでしょうに、きっと動揺したでしょうね、可哀そうに。
多分、劇場のサイズが違いすぎて間合いを取りづらいのでは・・・と思いました。
終演後のサイン会、時間差で、最初にジャン・ド・ブリエンヌのスクヴォルツォフ、
後でタイトルロールのマーシャで開催していただけました。
白鳥のときと同じパートナーリングのお二人で、サイン会参加は2度目なのですが、
なんとスクヴォルツォフさんに「・・・白鳥のときもいらっしゃいましたね」と言われて動揺しまくりのわたくしでした^^;
マーシャはあの堂々とした舞台姿とまた違った優しくて可愛らしい方で、心から「スパシ―バ」と感謝の言葉を本当に心をこめて言ってくださって・・・。
芸術監督となられたフィーリンは日本公演開幕後2~3日で帰国されたそうで、お姿をお見掛け出来なかったのが残念ですが、新しい若い芸術監督のもと、新装なった本拠地で、勢いのあるボリショイ・バレエ団のエッセンスを堪能できた公演でした。
今回で日本でのお目見えは最後となる、ボリショイにおける日本人ダンサーの草分け、岩田守弘さんの
出演日を観られなかったのは心残りですが、また、次回の公演も楽しみにしています