伝統芸能続きでもう一つ!
何を焦ってのいきなりの更新・・・と思われるでしょうが、
今日から、ルグリ先生率いる」「ウィーン国立バレエ団」公演が始まるので・・・
なんとか、追いつこうと、ムナシイ努力を開始しているというわたくしです^^;
ちなみに、書こうと思っているTOPICSは、
映画「アーティスト」
宝塚花組(そこまでさかのぼる!)「復活」「カノン」
宝塚月組「エドワード8世―王冠を賭けた恋―」「Misty Station 霧の終着駅」
ミュージカル「コーヒー・プリンス1号店」
あと、書きかけで放置している数々の舞台も気になるところではあるのですが・・・
[通し狂言絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)] 四幕十二場
2012年4月3日(火)~2012年4月23日(月)
12時30分開演(4時45分終演)
国立劇場開場45周年記念
四世鶴屋南北=作
奈河彰輔=監修
片 岡 仁左衛門 左枝大学之助、立場の多平次
中 村 時 蔵 うんざりお松、弥十郎妻皐月
片 岡 孝 太 郎 田代屋娘お亀
片 岡 愛 之 助 田代屋与平
市 川 男 女 蔵 松浦玄藩
中 村 梅 枝 お米
片 岡 市 蔵 左五右衛門
市 川 高 麗 蔵 孫七
坂 東 秀 調 田代屋後家おりよ
片 岡 秀 太 郎 多平次女房お道
市 川 左 團 次 高橋瀬左衛門、高橋弥十郎
悪党2人(仁左衛門が2役を演じます)が、お家乗っ取りの画策と美女への横恋慕ゆえに、高橋家3兄弟と対立。
長兄、末息子夫婦、末息子夫婦の里親、義理の妹夫婦・・・・のみならず、
協力者たる子分、愛鷹を事故で死なせた百姓の倅、共犯者である愛人、自分をいさめる古女房・・と、誰彼かまわず、自らの野望の前に立ちはだかる者は、時にはだまし討ち、時には正面切って切りつけて・・と殺しまくる。
いやいや、大変なピカレスクロマンです。
江戸の闇を縦横無尽に利用した鶴屋南北のバロックでブラックなエンタテイメント。
仁左衛門さんが、あくまで冷徹・短絡な時代物の悪役大学之助と、世話物の小悪党多平次を巧みに演じ分けます。
悪党が主役です。
なんとか最後の最後で、合法と出家して名を変えた中兄とその妻が白装束で決死の討ち入りをし、大悪を仕留めますが、それまでに登場した主要人物はすべてあの世に送られているという・・・。
宝塚歌劇団付の演出家”皆殺しの谷”の異名を持つ谷先生も真っ青(?)の台本。
殺される善人は互いを思いやり、慈しみあい、弱者をかばいながら散っていき、多平次の足元に踏みにじられます。
対して、殺す側は、小金のためだったり、単にうっとおしくなったから・・など殺人を行うには軽すぎる理由で、無頓着に人を斬ります。
勧善懲悪とは真逆の世界観。
最後の最後でカタルシスを得る、というよりは、ラストは付け足しで、悪の限りを尽くしてなお、爽快ささえ感じさせるカッコ良い男ぶりと、無反省の中のちょっとした愛嬌で、観客を引っ張っていけるスターが演じて初めて、スピード感と荒唐無稽な面白さがにじみ出る作品なのでしょう。
ヒトを得ないとなかなか上演には漕ぎ着けなさそう・・・。
充実の仁左衛門さまは楽しそうに悪を演じて、さすがに魅力的でした。
多平次の裾をからげたキモノからにゅっとでる脚の刺青がSEXYなんですよね^^;
役者として洗練された身体ゆえ、変に生々しくならない様式美と、白い二枚目が似合う風貌で崩れた男を演じるGAPがなんとも言えません。
海千山千のうんざりお松な時蔵さんが、多平次に岡惚れ。彼の機嫌を損ねそうになってオタオタする様子は、姐さん、かわいいじゃないの・・・と^^
こんないい女を古井戸に突き落として一丁上がりとは勿体ない(タメ息)
一方、皐月の御役では、白装束での殺陣が、凛々しい。
普段、品のある赤姫役などで見慣れている控え目で優美な立ち居振る舞いからは想像できない武士の妻っぷりでした!
左團次さんは、情も理もわきまえた名君。善なる領主がお似合い。
2役で亡くなった長兄役のあとにかたき討ちの中兄役、あまりにも不本意な死を遂げた後に自ら仕返し出来て良かったですね(え?)という気分になります(笑)。
愛之助さんは、手に手をとって、旅の途中の若いカップル・・・で花道に登場した時に、あれ、随分と大人しい仁左衛門さま、どうしたのかしら?と一瞬思ってしまい・・・。
いつものことながら、仁左衛門おじさまにそっくりになってこられましたね。
和事の非力な2枚目。こういうお役はピッタリです。
孝太郎さんのお亀は、彼女の美しさに、妾にと執着する大学之助と、それを阻止するがゆえに巻き込まれた人々のことを思うと納得がいきませんが^^; 演技として観ると、ほどほど町娘の気の強さを愛らしく表現してらしてこなれていました。
横顔の口元のラインが・・・残念なのですよね・・・。
梅枝さんのお米が、この中で唯一の若手美形女形。
きれいでいじらしく、哀れでした。
去年の3月公演を楽しみにしていたところでの大震災。
11日以降休演となり、チケットをキャンセルさせられた・・・という経緯もあって、
一年後、桜の咲く4月に、こうして観ることができて良かった・・・という客席の安堵と喜びが感じられた公演でした。
あぜくら会の方にお譲りいただいたお席で、4月19日(木)1階席3列目、やや上手での観賞。
花道で、ちょうど、立ち止まって見得を切る場所の延長線上で、舞台は見やすかったです。
ロビーで、義援金のための仁左衛門さまサイン入りブロマイドの販売そして被災地の物産展が開催されていました。
何を焦ってのいきなりの更新・・・と思われるでしょうが、
今日から、ルグリ先生率いる」「ウィーン国立バレエ団」公演が始まるので・・・
なんとか、追いつこうと、ムナシイ努力を開始しているというわたくしです^^;
ちなみに、書こうと思っているTOPICSは、
映画「アーティスト」
宝塚花組(そこまでさかのぼる!)「復活」「カノン」
宝塚月組「エドワード8世―王冠を賭けた恋―」「Misty Station 霧の終着駅」
ミュージカル「コーヒー・プリンス1号店」
あと、書きかけで放置している数々の舞台も気になるところではあるのですが・・・
[通し狂言絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)] 四幕十二場
2012年4月3日(火)~2012年4月23日(月)
12時30分開演(4時45分終演)
国立劇場開場45周年記念
四世鶴屋南北=作
奈河彰輔=監修
片 岡 仁左衛門 左枝大学之助、立場の多平次
中 村 時 蔵 うんざりお松、弥十郎妻皐月
片 岡 孝 太 郎 田代屋娘お亀
片 岡 愛 之 助 田代屋与平
市 川 男 女 蔵 松浦玄藩
中 村 梅 枝 お米
片 岡 市 蔵 左五右衛門
市 川 高 麗 蔵 孫七
坂 東 秀 調 田代屋後家おりよ
片 岡 秀 太 郎 多平次女房お道
市 川 左 團 次 高橋瀬左衛門、高橋弥十郎
悪党2人(仁左衛門が2役を演じます)が、お家乗っ取りの画策と美女への横恋慕ゆえに、高橋家3兄弟と対立。
長兄、末息子夫婦、末息子夫婦の里親、義理の妹夫婦・・・・のみならず、
協力者たる子分、愛鷹を事故で死なせた百姓の倅、共犯者である愛人、自分をいさめる古女房・・と、誰彼かまわず、自らの野望の前に立ちはだかる者は、時にはだまし討ち、時には正面切って切りつけて・・と殺しまくる。
いやいや、大変なピカレスクロマンです。
江戸の闇を縦横無尽に利用した鶴屋南北のバロックでブラックなエンタテイメント。
仁左衛門さんが、あくまで冷徹・短絡な時代物の悪役大学之助と、世話物の小悪党多平次を巧みに演じ分けます。
悪党が主役です。
なんとか最後の最後で、合法と出家して名を変えた中兄とその妻が白装束で決死の討ち入りをし、大悪を仕留めますが、それまでに登場した主要人物はすべてあの世に送られているという・・・。
宝塚歌劇団付の演出家”皆殺しの谷”の異名を持つ谷先生も真っ青(?)の台本。
殺される善人は互いを思いやり、慈しみあい、弱者をかばいながら散っていき、多平次の足元に踏みにじられます。
対して、殺す側は、小金のためだったり、単にうっとおしくなったから・・など殺人を行うには軽すぎる理由で、無頓着に人を斬ります。
勧善懲悪とは真逆の世界観。
最後の最後でカタルシスを得る、というよりは、ラストは付け足しで、悪の限りを尽くしてなお、爽快ささえ感じさせるカッコ良い男ぶりと、無反省の中のちょっとした愛嬌で、観客を引っ張っていけるスターが演じて初めて、スピード感と荒唐無稽な面白さがにじみ出る作品なのでしょう。
ヒトを得ないとなかなか上演には漕ぎ着けなさそう・・・。
充実の仁左衛門さまは楽しそうに悪を演じて、さすがに魅力的でした。
多平次の裾をからげたキモノからにゅっとでる脚の刺青がSEXYなんですよね^^;
役者として洗練された身体ゆえ、変に生々しくならない様式美と、白い二枚目が似合う風貌で崩れた男を演じるGAPがなんとも言えません。
海千山千のうんざりお松な時蔵さんが、多平次に岡惚れ。彼の機嫌を損ねそうになってオタオタする様子は、姐さん、かわいいじゃないの・・・と^^
こんないい女を古井戸に突き落として一丁上がりとは勿体ない(タメ息)
一方、皐月の御役では、白装束での殺陣が、凛々しい。
普段、品のある赤姫役などで見慣れている控え目で優美な立ち居振る舞いからは想像できない武士の妻っぷりでした!
左團次さんは、情も理もわきまえた名君。善なる領主がお似合い。
2役で亡くなった長兄役のあとにかたき討ちの中兄役、あまりにも不本意な死を遂げた後に自ら仕返し出来て良かったですね(え?)という気分になります(笑)。
愛之助さんは、手に手をとって、旅の途中の若いカップル・・・で花道に登場した時に、あれ、随分と大人しい仁左衛門さま、どうしたのかしら?と一瞬思ってしまい・・・。
いつものことながら、仁左衛門おじさまにそっくりになってこられましたね。
和事の非力な2枚目。こういうお役はピッタリです。
孝太郎さんのお亀は、彼女の美しさに、妾にと執着する大学之助と、それを阻止するがゆえに巻き込まれた人々のことを思うと納得がいきませんが^^; 演技として観ると、ほどほど町娘の気の強さを愛らしく表現してらしてこなれていました。
横顔の口元のラインが・・・残念なのですよね・・・。
梅枝さんのお米が、この中で唯一の若手美形女形。
きれいでいじらしく、哀れでした。
去年の3月公演を楽しみにしていたところでの大震災。
11日以降休演となり、チケットをキャンセルさせられた・・・という経緯もあって、
一年後、桜の咲く4月に、こうして観ることができて良かった・・・という客席の安堵と喜びが感じられた公演でした。
あぜくら会の方にお譲りいただいたお席で、4月19日(木)1階席3列目、やや上手での観賞。
花道で、ちょうど、立ち止まって見得を切る場所の延長線上で、舞台は見やすかったです。
ロビーで、義援金のための仁左衛門さまサイン入りブロマイドの販売そして被災地の物産展が開催されていました。