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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

仁左衛門の悪役2役!通し狂言「絵本合法衢」

2012-04-25 12:47:26 | 伝統芸能
伝統芸能続きでもう一つ!

何を焦ってのいきなりの更新・・・と思われるでしょうが、
今日から、ルグリ先生率いる」「ウィーン国立バレエ団」公演が始まるので・・・
なんとか、追いつこうと、ムナシイ努力を開始しているというわたくしです^^;

ちなみに、書こうと思っているTOPICSは、
映画「アーティスト」
宝塚花組(そこまでさかのぼる!)「復活」「カノン」
宝塚月組「エドワード8世―王冠を賭けた恋―」「Misty Station 霧の終着駅」
ミュージカル「コーヒー・プリンス1号店」
あと、書きかけで放置している数々の舞台も気になるところではあるのですが・・・



[通し狂言絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)] 四幕十二場

2012年4月3日(火)~2012年4月23日(月)

12時30分開演(4時45分終演)
国立劇場開場45周年記念

四世鶴屋南北=作
奈河彰輔=監修


 片 岡  仁左衛門   左枝大学之助、立場の多平次
 中 村  時   蔵    うんざりお松、弥十郎妻皐月
 片 岡  孝 太 郎   田代屋娘お亀
 片 岡  愛 之 助   田代屋与平
 市 川  男 女 蔵   松浦玄藩
 中 村  梅   枝   お米 
 片 岡  市   蔵   左五右衛門 
 市 川  高 麗 蔵   孫七
 坂 東  秀   調    田代屋後家おりよ
 片 岡  秀 太 郎   多平次女房お道
 市 川  左 團 次   高橋瀬左衛門、高橋弥十郎


悪党2人(仁左衛門が2役を演じます)が、お家乗っ取りの画策と美女への横恋慕ゆえに、高橋家3兄弟と対立。
長兄、末息子夫婦、末息子夫婦の里親、義理の妹夫婦・・・・のみならず、
協力者たる子分、愛鷹を事故で死なせた百姓の倅、共犯者である愛人、自分をいさめる古女房・・と、誰彼かまわず、自らの野望の前に立ちはだかる者は、時にはだまし討ち、時には正面切って切りつけて・・と殺しまくる。

いやいや、大変なピカレスクロマンです。
江戸の闇を縦横無尽に利用した鶴屋南北のバロックでブラックなエンタテイメント。

仁左衛門さんが、あくまで冷徹・短絡な時代物の悪役大学之助と、世話物の小悪党多平次を巧みに演じ分けます。

悪党が主役です。
なんとか最後の最後で、合法と出家して名を変えた中兄とその妻が白装束で決死の討ち入りをし、大悪を仕留めますが、それまでに登場した主要人物はすべてあの世に送られているという・・・。
宝塚歌劇団付の演出家”皆殺しの谷”の異名を持つ谷先生も真っ青(?)の台本。

殺される善人は互いを思いやり、慈しみあい、弱者をかばいながら散っていき、多平次の足元に踏みにじられます。
対して、殺す側は、小金のためだったり、単にうっとおしくなったから・・など殺人を行うには軽すぎる理由で、無頓着に人を斬ります。

勧善懲悪とは真逆の世界観。
最後の最後でカタルシスを得る、というよりは、ラストは付け足しで、悪の限りを尽くしてなお、爽快ささえ感じさせるカッコ良い男ぶりと、無反省の中のちょっとした愛嬌で、観客を引っ張っていけるスターが演じて初めて、スピード感と荒唐無稽な面白さがにじみ出る作品なのでしょう。

ヒトを得ないとなかなか上演には漕ぎ着けなさそう・・・。

充実の仁左衛門さまは楽しそうに悪を演じて、さすがに魅力的でした。
多平次の裾をからげたキモノからにゅっとでる脚の刺青がSEXYなんですよね^^;
役者として洗練された身体ゆえ、変に生々しくならない様式美と、白い二枚目が似合う風貌で崩れた男を演じるGAPがなんとも言えません。

海千山千のうんざりお松な時蔵さんが、多平次に岡惚れ。彼の機嫌を損ねそうになってオタオタする様子は、姐さん、かわいいじゃないの・・・と^^
こんないい女を古井戸に突き落として一丁上がりとは勿体ない(タメ息)
一方、皐月の御役では、白装束での殺陣が、凛々しい。
普段、品のある赤姫役などで見慣れている控え目で優美な立ち居振る舞いからは想像できない武士の妻っぷりでした!

左團次さんは、情も理もわきまえた名君。善なる領主がお似合い。
2役で亡くなった長兄役のあとにかたき討ちの中兄役、あまりにも不本意な死を遂げた後に自ら仕返し出来て良かったですね(え?)という気分になります(笑)。

愛之助さんは、手に手をとって、旅の途中の若いカップル・・・で花道に登場した時に、あれ、随分と大人しい仁左衛門さま、どうしたのかしら?と一瞬思ってしまい・・・。
いつものことながら、仁左衛門おじさまにそっくりになってこられましたね。
和事の非力な2枚目。こういうお役はピッタリです。

孝太郎さんのお亀は、彼女の美しさに、妾にと執着する大学之助と、それを阻止するがゆえに巻き込まれた人々のことを思うと納得がいきませんが^^; 演技として観ると、ほどほど町娘の気の強さを愛らしく表現してらしてこなれていました。
横顔の口元のラインが・・・残念なのですよね・・・。

梅枝さんのお米が、この中で唯一の若手美形女形。
きれいでいじらしく、哀れでした。



去年の3月公演を楽しみにしていたところでの大震災。
11日以降休演となり、チケットをキャンセルさせられた・・・という経緯もあって、
一年後、桜の咲く4月に、こうして観ることができて良かった・・・という客席の安堵と喜びが感じられた公演でした。

あぜくら会の方にお譲りいただいたお席で、4月19日(木)1階席3列目、やや上手での観賞。
花道で、ちょうど、立ち止まって見得を切る場所の延長線上で、舞台は見やすかったです。
ロビーで、義援金のための仁左衛門さまサイン入りブロマイドの販売そして被災地の物産展が開催されていました。







野村萬斎 「狂言・ござる乃座 46th」

2012-04-25 12:12:53 | 伝統芸能
2012年4月が終わろうとしていますが・・・

光陰矢のごとし。

いつか書かなくては・・・と思いながら月日は過ぎ、寒い寒い3月と4月が通り過ぎ、ゴールデンウィークも間近になってようやく温かくなってきた昨今です

宝塚ファンの方にとっては、4月23日月曜日の、雪組TOP音月桂ちゃんの突然の退団発表に、前日の月組TOP霧矢広夢さんと蒼乃夕妃さんの退団の涙が乾く間もなく大きなショックを受けていらっしゃることでしょうし。

伝統芸能ファンの方は、去年の震災で途中で打ち切られた公演、鶴屋南北の「絵本合邦衢」の国立劇場での公演の無事の千秋楽を喜んでいらっしゃるかもしれません。

はい、久しぶりの伝統芸能ネタです^^;

正確には3末ですが・・・。



3月31日14:00~。
春一番でもないのに、台風もかくや・・の風の吹き荒れる雨模様の土曜日、
国立能楽堂にて、野村萬斎・万作親子を中心とした、「狂言ござる乃座」公演を観て参りました。


野村萬斎が、自身の狂言研鑽と、「現代に呼吸する狂言」を考える場を目標に主宰する狂言会と言うコンセプトで続いている、「狂言ござる乃座」。


全国で、公演を続けて、狂言の魅力を広めるという活動ですね。

演目は
「粟田口」: 萬斎演じる大名と、すっぱのアグレッシブな掛合いが見どころ。
「口真似」: 
野村萬斎の息子さん、裕基くんが、父・万作と共演する、祖父孫共演が見どころの狂言。
裕基くんの立ち居振る舞いが堂にいっていて感心。
酔客を上手く追い払おうとする主人に、自分の真似をしていればよいのだと事前に聞かされたままに空気を読まずに口真似、動きの真似を続け、客を翻弄する様には思わず笑いをこらえきれず^^
「蛸」:    舞狂言ですが、巨大な蛸の張りぼてをベネチアのカーニバルもかくや・・・!!と思われる装束に仕立て        ての演出に度肝を抜かれましたが・・・^^;
あと、小舞2番・素囃子1番の上演でした。

歌舞伎の演目の間に挿入されるような形では色々と観賞したことがありますが、狂言だけの演目での上演会は初めてで、興味深かったです。

一番印象に残ったのは、雨に濡れた能楽堂の中庭と、能舞台と客席の空気感ですね。

お能も観に行きたいなと思ったことでした^^








宙組次期TOP発表

2012-04-17 06:23:46 | TAKARAZUKA
このところ、すっかり更新をさぼっておりましたが、
このNEWSだけはタイムリーに残しておきたく・・・

今、タカラヅカ大劇場では、大空祐飛さん、野々すみ花さんの退団公演中ですが、
宙組の次期TOPとして、
4月16日18:00過ぎに宝塚公式サイトに、発表がありました。

凰稀かなめさん、おめでとうございます。

相手役は みりおんこと 実咲凛音ちゃん。
花組からは5月29日付で宙組に異動。
5月23~28日が日本青年館で、愛音羽麗さん主演のバウ作品、「近松・恋の道行」にヒロイン役で出演が決まっていますから、終わり次第即合流なのですね^^;
どうしましょう、「近松」観るつもりはなかったのですが、行かなくてはならないかしら^^;

新人公演ヒロイン、芝居の2番手娘役格で、若いながらも経験を積ませてもらっている安定感のある実力派。
とりわけ歌に定評のある大人っぽい落ち着いた娘役さんです。
パッと目を惹く華がないのが気になりますが、これからセンターで輝いてくれることを期待しましょう
月組の次期TOP娘役、ちゃぴちゃんこと愛希れいかちゃんとも、凰稀さんの先日のバウ公演「ロバート・キャパ」で抜擢されてヒロイン役を務めた伶美うららちゃんとも同期ですね。
95期と言えば、娘役ではありませんが、星組の礼真琴くんもそうですね。あと花組の柚香光くんも。
結構、今注目している若手が勢ぞろい。
華やかな期ですこと

作品は、「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」
脚本・演出は小池修一郎。

盤石の構えですね。

8月31日が大劇場でのお披露目。
一週間長い公演で、10月8日が楽日。
東京公演は、10月19日~11月18日。

さて、何回通うことになるのかしら・・・





宝塚星組「REON!!」 日本青年館

2012-04-02 02:39:04 | TAKARAZUKA
千秋楽が終わりましたね!

宝塚星組東京特別公演、星組TOPの柚希礼音スペシャルライブ「REON!!」
梅田芸術劇場で始まり、3月25日から4月1日まで、日本青年館での公演、連日大盛況のチケット難の中、なんとか2回GETして(笑)観て参りました。



構成・演出: 藤井大介
振付: 御織ゆみ乃、若央りさ、平澤智、KAZUMI-BOY、井島剛、ASUKA-TAKAHASHI
衣装: 河底美由紀
映像: 日本パルス
ボイス・パーカッション指導: MaL


休憩一回の20分の2部構成の2時間半。
前半は「RE-(再び・後に)」後半は「ON-(~に向かって)」をテーマに、星組TOP男役として3年目を迎えた柚希礼音を中心に星組の台頭する2番手格紅ゆずる、若いけれども盤石なTOP候補の風格を漂わせ始めた3番手真風涼帆が脇を固める豪華メンバーが、時にスタイリッシュ、時としてお笑いノリで、バラエティーに富んだエンタ―テインメントを繰り広げる、コアな星組ファンにはたまらないコンテンツ。

第1部は、歌唱メドレーとダンスが、様々な風味で展開するのと、柚希さんの作詞にて展開されるドリフ的小芝居を背景にした「ちえちゃん」
2番手どころの娘役白華れみちゃんがセンターになった娘役たちの大人っぽいショーナンバー「バ―レスク」
2010年夏に星組で初演されたのち、雪組の大劇場公演、そして外部でのミュージカルバージョン、とすっかりおなじみになったジェラール・プレスギュルヴィック版のフレンチミュージカル「ロミオとジュリエット」からの抜粋、という構成。

第2部は、いきなりの劇場の案内嬢に扮した紅紅子(くれないべにこ)こと、紅ゆずるのオフステージ。
1階客席を練り歩き、客席で観劇中のジェンヌや有名人、掛け声をかけるファンをネタに縦横無尽のフリートーク。
CSの番組で生まれたUNIT、紅5(くれないファイブ)で培った(?)天性の勘の良さを披露し、そこにファンの女の子に扮した大きなアヒルちゃんのような柚希さん登場。この2人の大阪弁での掛け合いから、彼女の御贔屓「れおんちゃん」のステージに。
大階段のセットのセンターでポーズをとるのは男装したTOP娘役夢咲ねね。さすがもと男役から転向しただけあってスタイルは抜群。でも無理がある感じがカワイイ。
真風くんが2番手として階段降りする姿は春野寿美礼さんかと思うほどの正統派2枚目っぷり。
ファンである柚希さん、花束を持ってデマチするも、待ち切れず、紅子の制止を振り切って楽屋へ・・・。
ノバボサの3角各関係の音楽で3人がひっぱりあうカオスに・・・。そこで突然電撃ショックで入れ替わり発生の画像が流れて、TOPコンビがいつものゴージャスな姿でデュエットダンスを披露します。

ここからは怒涛の柚希礼音ON STAGE.
ここまでのグダグダが無駄に長いのが星組クオリティ(笑)←嫌いじゃないです。大劇場ではあり得ない、内輪感は小劇場公演ならでは。むしろ、今、一番大劇場のチケットセールスが良いメンバーが今更のようにこんなこじんまりとした舞台を・・・という贅沢が嬉しい。

紅くんを芯に、若手が獣の扮装で歌う小場面「MIDNIGHT BEAST」の次は
柚希さんをセンターに、ドレス姿の男役2人を交えた女性7人に囲まれてワイルドなア―ミ―ジャケットスタイルで次々に相手の女性を変えて踊る「LOVE HUNTER」

次は「バードランドの子守唄」でいきなりしっとりと大人っぽいJAZZクラブの場面に。
男役の黒タキシードに紫の蝶タイとカマーバンドがステキ。と、そこでも、SEXYなナンバー「ChocolateShake」で盛り上がります。
そのまま、柚希さんセンターで長身の美女2人・・・が真風と紅くん。
紅くんはクレオパトラ風の黒髪ロングボブ、真風くんは金髪のボリュームショート。前髪長めのアレンジが、良く似合っています。

そして、TOP就任直前から今までの代表的な作品のメドレー。

TOPコンビ初顔合わせの作品、「ブエノスアイレスの風」からのタンゴナンバー。
まだ若手娘役だった夢咲ねねちゃんにとって、すでにTOP候補として経験を積んだ、名ダンサー柚希さんと組んでタンゴのステップを踏むのは至難の技だったことでしょう・・・が、今や鮮やかなステップと抜群のスタイル、美脚ぶりで観客を魅了。
前半の御笑いパートを演じていた2人とは思えません。このGAPがステキ。

まだ記憶に新しい、「オーシャンズ11」の「JackPot」
ここは紅・真風、そして男役陣も参加して、華やかに。ねねちゃんと真風くんが組んで踊る珍しい瞬間もあり、色々と新鮮。

そして、2番手として、敵役ショーブランを好演した、「スカ-レット・ピンパーネル」のナンバー「君はどこに」
この場面、シンプルなロングドレスにシニヨンの娘役群舞がつきます。
この曲そのものも好きですが、表現力が増した今、あのハスキーボイスで聴くとより名曲だなぁと。

ここで再び、ソロ・ダンス。
第一部終了のときは黒い衣装でしたが、ここでは真っ白のブラウスとパンツ。
柚希さんがロミオのナンバーを踊ります。

そして・・・
公演Tシャツ、白とフュ―シャピンクがあるのですが、柚希さんだけ白ONピンクの重ね着、他はピンクでジーンズの飾らない姿で「美しい人」などを歌い、
最後は柚希さん作詞第2弾、直球の(笑)「MESSAGE」。
自分1人ではこんなまぶしい場所に立てていないんだ、と支えてくれる人全てへの感謝。

いや、全く、本当に盛りだくさんで楽しくて、可愛くてゴージャスで。
客席のあちこちから大阪弁が聞こえてきましたが、東京の星組ファンもまた、青年館公演の前に待ちきれなくて梅芸に行っていましたし、熱いリピート客が多かったかと。
幕間で、熱心に語りあう観客の姿も多数お見受けし、25名にも関わらず、この充実感・・・
しかも、ウラ?で公演中の「天使のはしご」も良作でしたし、解体前の充実期を堪能できてラッキーだったなぁとしみじみ。

一通り、おさらいしましたが、今度は各場面についてもう少し詳しく(え、これ以上^^;)語ります