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お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

モナコ公国・モンテカルロ・バレエ団Bプロ「シンデレラ」 千秋楽

2012-03-12 05:47:37 | BALLET
2012年3月11日(日)14:30~

モンテカルロバレエ団、日本公演千秋楽、
Bプロ「シンデレラ」を観て参りました。

ちょうど1年前の14:46に東日本大震災に見舞われた、ということで、
通訳付きでのジャン=クリストフ・マイヨ―氏の挨拶、
モナコ公国日本総領事による、モナコ公国プリンス・アルベール2世からの挨拶の翻訳文の読み上げ、
そして、バレエ団、プリンシパルの小池ミモザさんによる振付の、オリジナル作品「La Vie」が
本公演の上演に先立ちまして、披露されました。

白いサテンの短いワンピースを身に付けた、ハーフアップの黒髪を降ろした小池さんが、
ガエタノ・モレッティのボイスハ―プに合わせて踊ります。
最初は伸びやかに手足を伸ばそうとして、でも、ためらい、萎縮し・・・だんだんと本来の伸びやかさを取り戻していく・・・という振付。
最後は2人が向き合い、静かにハグする、という直接的でシンプルな、心に届きやすい作品でした。



 / 会場:東京文化会館

モナコ公国モンテカルロ・バレエ団 2012年日本公演<Bプロ> 
「シンデレラ」プロローグ付き全3幕


振付: ジャン=クリストフ・マイヨー
音楽: セルゲイ・プロコフィエフ
装置: エルネスト・ピニョン=エルネスト
衣裳: ジェローム・カプラン
照明: ドミニク・ドゥリヨいvc


仙女:小池ミモザ
父:クリス・ローラント
シンデレラ:ノエラニ・パンタスティコ
王子:アシエ・ウリアゼレカ
継母:カロリン・ローズ
義理の姉たち:モード・サボラン、アンヌ=ラウラ・セイラン
儀典長たち:アシエ・エデソ、ラファエル・ボシャール
4人の友だち:
ピョートル・ツォボヴィッチ、ブルーノ・ロケ、
ラモン・ゴメス・レイス、エディス・アルゴチ
4人のマネキン:
ジョヴァンニ・モンジェリ、ジェローン・ヴェルブルジャン、
ダニエレ・デルヴェッキオ、サブリ・ガレム=シェリフ
異国の人たち:
カタジェナ・クチャルスカ、カルメン・アンドレス、
シモーヌ・ウェブスター、レネケ・ヴォス
舞踏会:モンテカルロ・バレエ団


※音楽は特別録音によるテープを使用します。



◆上演時間◆

<第1幕> (14 :30~特別セレモニー) - 15 : 40

 休憩 20分

<第2幕・第3幕> 16 : 00 - 16 : 50


モナコ公国モンテカルロ・バレエ団 Aプロ 初日

2012-03-12 05:31:00 | BALLET
2012年3月6日火曜日、19:00~
クリストフ・マイヨ―率いる、モンテカルロバレエ団、東京公演のAプロ初日を観て参りました。



会場:東京文化会館

モナコ公国モンテカルロ・バレエ団 2012年日本公演<Aプロ> 
(「シェエラザード」「ダフニスとクロエ」「アルトロカント1」



「シェエラザード」
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー (ミハイル・フォーキンへのオマージュ)
音楽:ニコライ・A. リムスキー=コルサコフ
美術・衣裳:ジェローム・カプラン
舞台装置部分:レオン・バクスト
照明: ドミニク・ドゥリヨ

愛妾ゾベイダ:小池ミモザ
シャリアール王:ジェローム・マルシャン
シャゼーマン (王弟):レアルト・デュラク
宦官長:サブリ・ガレム=シェリフ
金の奴隷:アレクシス・オリヴェイラ、ジェオルジェ・オリヴェイラ
お気に入りの奴隷:
ステファン・ボルゴン、ジェローン・ヴェルブルジャン、ラファエル・ボシャール、アシエ・ウリアゼレカ
お気に入りのハーレムの女たち:
モード・サボラン、アンハラ・バルステロス、カロリン・ローズ
奴隷:
ラファエル・ボシャール、ステファン・ボルゴン、ピョートル・ツォボヴィッチ、アシエ・エデソ、
エディス・アルゴチ、ジュリアン・ゲラン、イアン・パーソンズ、アルヴァロ・プリート、ステファン・
スチュアート、ダニエレ・デルヴェッキオ、ジェローン・ヴェルブルジャン、アシエ・ウリアゼレカ
ハーレムの女たち:
エイプリル・バール、アンヌ=ラウラ・セイラン、クイン・ペンドルトン、シヴァン・ブリッツォーヴァ、
フランセス・マーフィ、ヴァネッサ・ヘンリケス、ノエラニ・パンタスティコ、モード・サボラン、
サラ・ジェーン・メドレー、アンハラ・バルステロス、カロリン・ローズ、ガエラ・リウ、
ベアトリス・ウァルテ、レネケ・ヴォス、シモーヌ・ウェブスター



「ダフニスとクロエ」
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー
装置、ドローイング:エルネスト・ピニョン=エルネスト
衣裳:ジェローム・カプラン
音楽:モーリス・ラヴェル

アンハラ・バルステロス-ジェローン・ヴェルブルジャン
ベルニス・コピエテルス-ガエタン・モルロッティ



「アルトロ・カント 1」
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー
音楽:クラウディオ・モンテヴェルディ、ビアジオ・マリーニ、ジョバンニ・ジローラモ・カプスベルガー
(演奏:アカデミア、指揮:フランソワーズ・ラセール)
衣裳:カール・ラガーフェルド
装置デザイン:ロルフ・サックス
照明:ドミニク・ドゥリヨ


「その憐れみは」 Et Misericordia 
カロリン・ローズ、小池ミモザ

「主は御腕にて力をあらわし」 Fecit potentiam
サラ・ジェーン・メドレー、シヴァン・ブリッツォーヴァ、アンハラ・バルステロス、エイプリル・バール、
カロリン・ローズ、ベアトリス・ウァルテ、ノエラニ・パンタスティコ、小池ミモザ、モード・サボラン

「権力あるものをその座よりおろし」 Deposuit
カロリン・ローズ、小池ミモザ、ノエラニ・パンタスティコ、エイプリル・バール

「主は憐れみを忘れず」 Suscepit Israel
「われらの先祖に告げたまいしごとく」 Sicut locutus est
クリス・ローラント、ジェローム・マルシャン

「父と子と聖霊に栄光あれ」 Gloria Patri
「初めにあったように今もいつも」 Sicut erat
(以上、モンテヴェルディ「マニフィカト」より))
クリス・ローラント、ジェローム・マルシャン、ラモン・ゴメス・レイス

「シンフォニア・グラーヴェ」 Sinfonia Grave
(ビアジオ・マリーニ)
ジュリアン・ゲラン、ラファエル・ボシャール、ブルーノ・ロケ、ステファン・ボルゴン、アシエ・エデソ、
ジェローン・ヴェルブルジャン、ジェオルジェ・オリヴェイラ、レアルト・デュラク

「今や天も地も」 Hor che'l il ciel e la terra
(カプスベルガー)
ベルニス・コピエテルス、クリス・ローラント、ジェローム・マルシャン、ジュリアン・ゲラン、
ラファエル・ボシャール、ブルーノ・ロケ、ステファン・ボルゴン、アシエ・エデソ、
ジェローン・ヴェルブルジャン、ジェオルジェ・オリヴェイラ、レアルト・デュラク

「コラシオーネ」 「トッカータ・アルペッジアータ」 Colascione et Toccata Arpeggiata
(カプスベルガー)
ベルニス・コピエテルス、ラモン・ゴメス・レイス

「他の者は軍神マルスのために歌う」 Altri Canti di Marte
(モンテヴェルディ)
ベアトリス・ウァルテ、ラファエル・ボシャール、小池ミモザ、ブルーノ・ロケ、カロリン・ローズ、
ジェローム・マルシャン、クリス・ローラント、サラ・ジェーン・メドレー、シヴァン・ブリッツォーヴァ、
アンハラ・バルステロス、エイプリル・バール、ノエラニ・パンタスティコ、モード・サボラン、レアルト・
デュラク、ステファン・ボルゴン、アシエ・エデソ、ジェオルジェ・オリヴィエラ、ラモン・ゴメス・レイス

「さえぎられた希望」 Interrotte speranze
(モンテヴェルディ)
モンテカルロ・バレエ団



◆上演時間◆

「シェエラザード」19 : 00 - 19 : 40

 休憩 20分

「ダフニスとクロエ」20 : 00 - 20 : 35

 休憩 20分

「アルトロ・カント1」20 : 55 - 21 : 30

■ 「シェへラザード」



これは小池ミモザさんがタイトルロール。
小池さんを観るのはこれが初めて。
長身で引き締まった滑らかなボディラインで、踊りも芯がしっかりしていてさすが、昨年
プリンシパルに抜擢された逸材だけのことはありますね。
お顔立ちは特にエキゾチックというわけではありませんが、ダウンヘアにして上だけまとめた黒髪が
存在感を発揮して、やはり海外で日本人が存在をアピールするには前髪パッツンのロングストレートが鉄板なのだなぁと改めて^^;

作品はバレエ・リュスへのオマージュらしく、レオン・バクストの装置そのままのような舞台から一転、
モダンな背景に、いきなり奴隷とハーレムの女たちの饗宴からスタート。
王様がお出かけ・・・の前振りはありません。
群舞の半分は華やかなピンクやターコイズのハーレム衣装で、半分はそれをモダンに解釈したモノトーンの衣装、というのが面白い。
ラストは王様と王弟が帰ってきて場を粛清。金の奴隷とゾベイダが果てる・・・というところは原作通り。

画像はコピエテルスです。
彼女のゾべイダも観たかった・・・><


■「ダフニスとクロエ」



この作品はとても面白かったです。

ドビュッシーの瑞々しい感覚的な音楽と、エルネスト=ピニョン・エルネストの男女の肉体をちょっとエゴンシ―レ風に
描いた官能的なドローイングをバックに、小柄で引き締まった若々しい肉体の2人=アンハラ・ヴァルステルスとジェローム・ヴェルブルジャンが初々しく不器用に、でも美しく求めあいます。
その一対の無意識の生命体に対峙する、大人のカップル=ベルニス・コピエテルスとガエタノ・モレッティの存在が若い2人の春の目覚めを更に展開させていきます。
様々な感情・・・大人の異性に包み込まれる安堵感、魅惑され翻弄される様、パートナーが他の異性に惹かれている様子に嫉妬する・・・など、複雑な恋愛感情を体験させて。

この大人カップル、コピエテルスとモレッティの存在感が素晴らしい。
若者カップルより一回り背も高く、成熟した男と女の魅力を惜しげなく、そして余裕たっぷりに見せつけてくれました。
こういう存在を観てしまうと、ヨーロッパはやはり大人の文化の社会なのだなぁと再認識しますし、いつまでも、いや、ある程度成熟してますます花開く異性へのアピール力など、観ていて流石であるな、と^^;
若者はナチュラルなアイボリーベージュの軽やかなギリシャ古典風のミニワンピで大人の女性はデコルテを見せた乾いた赤のロングドレスというジェローム・カプランの衣装も素敵でした。


■ 「アルトロ・カント 1」



カンパニー総出で、モンテヴェルディを中心とした、宗教的かつ瞑想的な音楽、暗めの照明で、男性が女性的な女性が男性的な衣装を身につけるなど、敢えてのジェンダー超えを意図したカール・ラガ―フェルドの衣装などが混然一体となってわたくしを忘我の境地に・・・

いや、先の作品で集中しすぎたせいか、やや緊張が途切れてしまい・・・(こら)^^;。

こういうこともあります




宝塚星組「天使のはしご」 日本青年館公演 初日

2012-03-12 01:59:23 | TAKARAZUKA
宝塚星組公演
バウ・ロマン
『天使のはしご』
~ジェーン・オースティン作「高慢と偏見」より~
脚本・演出/鈴木 圭



星組の3番手?涼紫央主演、ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」をべ―スに脚色された公演・・・
いかにも宝塚らしい芝居が観られそう。
しかも、2番手どころにともみんこと夢乃聖夏ちゃん、美弥るりかちゃんが入ると聞いて、一度は観なくては・・と
3月7日15:00、公演初日に観劇して参りました。
・・・で、明日はもう千秋楽なんですよね^^;
でも、今回は珍しく、東上が先で、バウが後ですので、西の本拠地で楽しみになさっている方々が羨ましかったりして・・・


これは、このポスターが勿体なかったですね。
この画像では想像できないほど素敵な舞台でした^^

お話は、小説も有名ですし、映画化もされているので今更ネタばれでもないでしょうから、ざっとあらすじを。

サマセット・モーム著「世界の十大小説」にも挙げられるイギリスの女流作家ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」は、17~18世紀のイギリスの片田舎を舞台に、当時の女性の結婚事情と、誤解と偏見から起こる恋のすれ違いを描いた恋愛小説で、幾度となく映像化もされている名作。若き日のローレンス・オリヴィエも演じた、寛容でありながら「高慢」な男と誤解されがちなニヒルで高貴なダーシー役に涼 紫央を配し、魅力的なキャラクターが揃った周囲とのユーモラスなやりとりを交えた、ウィットに富んだ上質なミュージカル作品です。

以上が公式HPからの抜粋。

主人公は貴族のダ―シ―(涼紫央)と中産階級のリジ―ことエリザベス・ベネット(音波みのり)。
5人姉妹を金持ちに嫁がせたくてたまらないベネット夫人(英真なおき)は近所に越してきた裕福な貴族ビングリー(美弥るりか)家の舞踏会を大きなチャンスと娘たちに説く。
一番美人の長女ジェーン(華雅りりか)とビングリーはめでたくお互い一目惚れ。
知的な美女で客観的な視野を持つ次女リジ―はビングリーの友人ダ―シ―に紹介されるも、友人であるビングリーの恋を階級差を理由に懸念する高慢な態度に心傷つき反発を強める。ダ―シ―は意見をハッキリと言う聡明で情の強いリジ―が気にかかる。
ベネット家の財産を管理する牧師コリンズ(天寿光希)をリジ―の夫にとベネット夫人が画策するが、リジ―は拒絶。だが、親友シャーロット(音花ゆり)はオールドミスの自分を鑑みて、打算で彼と婚約。
周囲の「結婚=生活の糧」という風潮と、幼い頃から愛読の童話、「天使のはしご」にある空からの光が差し込むように愛の降り注ぐ相手との結婚を夢見る気持ちとの間で揺れるリジ―。
一方、軍服姿の良い将校たちにぞっこんの末の娘2人のうち、末娘のリディア(綺咲愛里)は、リジ―がダ―シ―への反発で意気投合したジョージ・ウィカム(夢乃聖夏)と駆け落ち。
ウィカムは、ダ―シ―の妹ジョージアナ(優香りこ)との愛を兄に引き裂かれたと訴えたが事実は逆。
ダーシー家の執事であった父の死後、息子のように育てられた恩を忘れ、財産目当てで幼いジョージアナをだまして拉致しようとしたウィカムから妹を守ったのがダ―シ―と知らされる。
ビングリーとジェーンの縁組への懸念の背景も理解できたところで、改心したウィカムとリディアのために借金を肩代わりしたのがダ―シ―と知り、ビングリーがダ―シ―らの反対を押して、ジェーンに求婚に来たことなどを受けて、リジ―の心も氷解。
主人公2人はお互い素直に相手を見直し、HappyEnding.

涼サンは、ツンデレの素敵な2枚目。
鬘もポスターとは違う、アッシュ系のクールなスタイルで、きっと特注であつらえた、数々の貴族服と相まって、宝塚の貴公子そのもの。
1幕ではしどころがなく、2幕で突然いい人全開というバランスの悪い脚本ながら、役の精神を理解し、タカラヅカらしいスタイルを極めている演技は観ていて安定感がありますね。
本公演では、スタイル・歌やダンスの技量などであと一歩足りない感が否めないのですが、こういう宛書きの作品だと、人一倍強いタカラヅカ愛からくる完成された世界観がプラスに転じておさまりが良いデス。


美弥るりかちゃんは、金髪のセンターパーツの前髪がカールした鬘が今一つですが、涼サンのほうが男前という設定ゆえ仕方なし^^;
優しくて純粋な人柄、恋するおぼっちゃまの浮遊感はとても良く出ていて、優しそうではあるけど、美人??かなぁ?と疑問な華雅りりかちゃんをいつしか美女に見せてくれるのはるりかちゃんのウットリとした大きな瞳ゆえ・・・v
2幕では、少ない出番ながら、跪いての大げさなセリフでのプロポーズ場面、こういう大芝居もハマるのが魅力だと思わず身を乗り出してしまいます。
この作品が星組最後。Wトップの月組に異動しての「ロミオとジュリエット」では2番手として、3番手の役どころのマーキューシオかベンヴォーリオが回ってきそう・・・。
大型男役の多い星組ではそのフェアリーな持ち味は愛でられても、番手的に厳しかったから、月で役付きが良くなりますように・・・。

夢乃聖夏ちゃんのウィカムは、涼サンに合わせて小柄な出演者が多い中、突出してスタイルが良くて思わず観惚れる色悪。
しかも原作では悪い男のままなのに、この作品では、リディアの無邪気さに自分のひねくれた心を正されたと改心までして、良い人に。これは宛書き?
フィナーレ・ショーでは、涼さんセンターで、みやるりちゃんとともみんが両サイドでバリバリにきざって踊っていて眼福。
夢乃さんは雪組へ・・・。
7月の公演では、音月桂ちゃんの「フットルース」ではなく2番手早霧せいなちゃんのバウ・ミュージカル・プレイ
『双曲線上のカルテ』~渡辺淳一作「無影燈」より~の方に出演が決まりましたね。
石田先生の脚本だから、上手くまとめそう。
フットルースでベスト・ジーニスト振りを観られるかと思ったのに・・・でも、同期2番手のちぎちゃん公演の方が、期待される若手配役設定だから、活躍できることを祈りつつ・・・^^

ヒロイン、リジ―の音波みのりちゃんは、いつの間にこんな美女に!とびっくり。
いや、オーシャンズのときも可愛かったけど。
わっかのドレスがこれほどまでに似合うようになったとは・・・。
小柄ながら、立体感のある体型、お化粧映えのするキュートな小顔ではありましたが、「愛と青春の旅立ち」の頃はもっと首がしっかりしていて、女性士官候補生としてのマッチョさもそこそこあったのに、今は嘘のように滑らかなデコルテと長い首のラインがドレスに映えること!
白羽ゆりちゃんを彷彿とさせる美形の娘役で、声もきれい。
メゾソプラノの心地よい響き、心のこもった演技、押しが強すぎるわけでもないけど芯のあるセリフ回し。
ここ数作、涼さんの相手役を務めているうちに良い感じに洗練されてきたはるこちゃん。
どこの組なら・・・というわけではないですし、今、下級生の娘役さんが注目されていますが、今、輝いている完成された娘役として、TOPになっても良さそうな、そんな素敵なヒロインっぷりでした。
あ、歌は・・・そこそこです。そこは相変わらず^^;

この作品は、娘役に役が多いのが特色。
お父さん役が多かった元組長の英真さんが愛嬌のある母親役で笑いをとりつつ、フィナーレ・ショーでは男役に交じってガツガツ踊っていらして^^;
この公演から専科さんなので、こういう自由な出演の仕方は、今後は観られなくなるかも。
次の月組のロミジュリにも出演されるそうですし、人間味溢れる年配者役で、男女ともに演じられる個性でこれからも出番の多そうな方です。
対照的に貴族の中の貴族、キャサリン・デ・バ―グ公爵夫人がぴったりなのが新組長の万里柚美さん。
怜悧な美貌がこういう役どころにぴったりですね。
5人姉妹は、現代っ子役が得意かと思いきや、優しげな風情でおしとやかなジェーンでちゃんとお姉さんに見えた華雅りりかちゃんを筆頭に、3女のメガネっ子妃白ゆあちゃん、末娘と張り合う賑やかな4女妃海風ちゃん、末っ子の5女憎めない天真爛漫な綺咲愛里ちゃんと、若草物語さながらの姉妹の楽しさ。
星組の歌姫なのに、歌のシーンがないのが残念だったの音花ゆりちゃんは地に足のついた現実的なシャーロットをしっとりと演じ・・・。

キレイだけれど上手いがゆえに、脇のクセのある人物を振られがちなミッキー(天寿光希)が胴布団とマッシュルームカットの鬘をつけて自信家で悪意はないのに相手をイラっとさせてしまうコリンズ牧師を怪演^^;
演技だけで充分コリンズの個性が出せているので、ここまで胴布団を入れなくても良いかも?

士官役では、汐月しゅうくん、十碧れいやちゃん、漣レイラくん、麻央祐希くん辺りが目を惹きました。
ダンサーなしゅうくんなど、「REON!」の方に出してあげたかった人もいますが^^;

オープニングとフィナーレで、クラシックチュチュの白鳥の湖のようなバレリーナの群舞が入りますが、そのセンターを務める白鳥ゆりやちゃんは最下級生ながらの抜擢に応えての伸びやかな踊り。
バレエダンサーとしては健康的すぎかも?ですが、ジェンヌとしてはこのくらいのほうが安心かも。

演出は、1幕のラストで雷鳴の中で心情を吐露するダーシーのソロや、
ずっと音信不通?だったのに突然現れて熱烈にプロポーズするビングリーなど、男性役に、流れを作らず唐突にドラマのクライマックスを持ってくるなど、場面的にいくつか気になるところがありましたが、総じて、良作の部類に入る、後味の良い作品だったと思います


アレクサンドル・メルニコフ ショスタコーヴィチ「24の前奏曲とフーガ」

2012-03-12 01:02:37 | MUSIC
2月26日(日)13:00~
浜離宮朝日ホールにて

ロシアの俊英ピアニスト、アレクサンドル・メルニコフのコンサートに行って参りました。


ショスタコーヴィチ: 24の前奏曲とフーガ 作品87 (全曲)
Schostakovich: 24 Preludes and Fugues Op.87


第1番 ハ長調 No.1 in C major第7番イ長調 No.7 in A major

第2番 イ短調 No.2 in A minor 第8番 嬰ヘ短調 No.8 in F- sharp minor

第3番 ト長調 No.3 in G majo 第9番 ホ長調 No.9 in E major

第4番 ホ短調 No.4 in E minor 第10番 嬰ハ短調 No.10 in C- sharp minor
第5番 ニ長調 No.5 in D major 第11番 ロ長調 No.11 in B major

第6番 ロ短調 No.6 in B minor 第12番 嬰ト短調 No.12 in G- sharp minor

以上、約65分

- - - - - - 休 憩 - - - - - -

第13番 嬰ヘ長調 No.13 in F- sharp major 第15番 変ニ長調 No.15 in D- flat major

第14番 変ホ短調 No.14 in E- flat minor 第16番 変ロ短調 No.16 in B- flat minor

以上、約28分

- - - - - - 休 憩 - - - - - -

第17番 変イ長調 No.17 in A- flat major 第21番 変ロ長調 No.21 in B- flat major

第18番 ヘ短調 No.18 in F minor 第22番 ト短調 No.22 in G minor

第19番 変ホ長調 No.19 in E- flat major 第23番 ヘ長調 No.23 in F major

第20番 ハ短調 No.20 in C minor 第24番 ニ短調 No.24 in D minor

以上、約53分


ヴァイオリニスト、イザベル・ファウストとの共演でもクラシックファンの間で評判が高く、
一度聴きに行かずばなるまい・・と思っていた矢先に、この演目。

え、ショスタコでピアノ曲?
しかも、フーガ。
もちろん、ピアノの旧約聖書と言われるバッハの平均律へのオマージュで、全ての調性を使った(だんだんシャープが増えて、フラットに切り替わり、今度はどんどんフラットを減らしていく、という構成)レアな選択に心惹かれ。

2度の休憩を交えて、TOTAL約3時間。
フーガ、という形式は非常に制約が多く、作曲するには緻密で高度に知的な作業を要する、と言われ、しかもバッハがほぼ完成させてしまっているので、その後の作曲家でフーガの大作を敢えて手がけるという試みはまず行われなかったのが、20世紀の天才、ショスタコーヴィチが手掛けていた、というのが興味を掻き立てる一つの要素。

しかも、その小宇宙が、ロシア民謡風の旋律から、ムソルグスキー風の展開、そしてジャズかと思う自由な曲想から重厚壮大なクライマックスまで、変幻自在に広がりを見せ・・・
いや、ここまで面白い曲だとは思いませんでした。
・・・圧倒されました。

このロシアの作曲家がソヴィエト体制下で如何にその芸術的な資質を華開かせていたかという事実に感動するとともに、
メルニコフの深い詩情を湛えた、誠実な演奏に感嘆の念を禁じ得ませんでした。

ジャパンアーツの会員優先予約とはいえ、2列目センターという良席で・・・
その譜めくりの係の方に合図を送る様、弱音のペダル使いなどのディテールも確認でき、メルニコフの途切れることのない集中と、ダイナミックかつ繊細な演奏振りを堪能しました。
そうそう、楽譜と言えば、譜面が水色、草色、ピンク、オレンジなどの蛍光ペンで彩られているのが目につきましたが、アフタートークショーによると、対位法できっちりと構成されている曲のため、それを明確に意識するように色分けしているのだとか。もちろん、演奏中はほとんど楽譜はご覧にならないそうですが^^

終演後の大きな拍手に応えて、ジャケットの前を開けると、op.87の文字が白く染め抜かれた黒Tシャツが誇らしげに・・・

特注でしょうか?
欲しいんですけど^^;