maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

ミンコフスキ指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢東京定期公演

2012-07-27 04:56:13 | MUSIC
2012年7月26日(木)19:00~
サントリーホール 大ホールにて。

岩城宏之氏が創設された、日本最初の室内楽オーケストラである、
オーケストラ・アンサンブル・金沢(以下OEK)の東京公演に行って参りました。

今回の目玉!は、2009年ルーブル宮音楽隊を率いて来日公演を行い話題をさらった
指揮者、マルク・ミンコフスキの初めての日本のオーケストラとの共演。



プログラムが、20世紀初頭のパリ、というテーマで、興味深いラインナップです。

7月のOEKの定期公演はマイスターシリーズ、ということで,著名な客演指揮者が続々登場。
まずはダニエル・ハーディングとのベート-ベン。
続いて金沢、この日のサントリーホール、そして28日にみなとみらいで共演するのがマルク・ミンコフスキ。
ラ・フォル・ジュルネでもお馴染みのシンフォニア・ヴァルソヴィアの音楽監督も務めている方なので、バロックから古典派の専門家、というイメージが強く、今回の演目はかなり意外な感じもありましたが・・・。

いただいたパンフレットの曲紹介が詳しくてわかりやすかったので、そこから引用しつつ雑感を。



■ヴァイル:交響曲 第2番 

ブロードウェイ・ミュージカルやハリウッド映画で有名なクルト・ヴァイル(ワイル)。
1900年ドイツ生まれの彼ですが、「三文オペラ」で成功した後、1935年にアメリカに渡る前に、2年間パリで過ごしているんですね。
そのパリ時代に書かれた珍しい交響曲です。

初演はブルーノ・ワルター指揮、アムステルダム・コンセルトへボウ・オーケストラ。
第1楽章:ソステヌ―ト~アレグロ・モルト
「陰欝な序奏部で開始され、トランペットの悲痛なソロ。続く主部は闘争的な性格を持ち、t執拗なリズムの反復の合間に管楽器のソロが交代して現れ、合奏協奏曲風の印象を残す」
第2楽章: ラルゴ
「ノスタルジーを喚起させる葬送行進曲。しかし悲劇性の中に諧謔と機知が混在して複雑な表情を描き出す」
第3楽章: アレグロ・ヴィヴァーチェ~プレスト。
「軽やかな舞踏に愁いとアイロニーがつきまとい、解決されない気分のまま前進し、性急なコ―ダによって曲を閉じる」

確かに、独特のメロディライン、ジャズを想起させる展開など、クルト・ワイルらしい曲想があり、それがこういう交響曲のスタイルをとっている、というのがなんとも興味深い。
OEKの演奏は引き締まっていてレベルが高くしかも程よくつつましやかな品の良さがあり、これは・・・と居住まいを正して次にも期待。


■プーランク:2台のピアノのための協奏曲 ニ短調

2台のピアノのために書かれた協奏曲、ということで、珍しい演奏なのかと思いきや、このオーケストラにとっては定番の一曲らしいです。
逆に指揮者やソリストで化学反応に変化が生じるのを楽しむ、というのがOEKファンのスタンスだとか^^

ピアノは、ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」で注目を集めたという若き天才と名高いギョーム・ヴァンサン21歳と
地元金沢出身のピアニスト田島睦子さん。

ヴァンサンは、演奏の小休止の最後の音のあと、パッと手足をばね仕掛けの人形のように伸ばしたり、軽快な感情表現が肉体的に連動して目に見えるタイプのピアニスト。
楽曲への親和性が機知に満ちた演奏と喜びに溢れた表現に現れていて、プ―ランクのフランス人らしいエスプリに満ちたこの作品に良く合った軽やかな演奏振り。
対する田島さんは、クールでエレガントなお姿なれどはんなりとした演奏で、好バランス。

初演は1932年。ヴェネツィア国際現代音楽祭にて、ソリストは作曲者自身とジャック・ファブリエ。
デジレ・デフォー指揮。ミラノ・スカラ座管弦楽団。

第1楽章: アレグロ・マ・ノン・トロッポ
「軽快で洒脱な楽想が次々に連続する中に時折思わせぶりなメランコリーが漂う。
ストラヴィンスキーやモーツァルトを想起させながら、意外性のある静謐な終結部へとたどり着く。」
第2楽章: アンダンテ・コン・モート。
「モーツァルトのピアノ協奏曲第21番ハ長調K467の第2楽章のパロディあるいはオマージュと呼ぶべきか」
第3楽章: アレグロ・モルト
「突き抜けた能天気さ、クールな詩情、快活さと陽気さを交錯させながら、ブリリアントなフィナーレを迎える」

これは名演。
客席の拍手も長く続き、第3楽章をまるまるアンコール。

ここで休憩20分。

サントリーホールはホワイエでもお茶が出来ますが、目の前のオ―バカナルに走って好きなもので喉を湿すことが出来るのがありがたいです

■ラヴェル:マ・メール・ロア(全曲)

タイトルは「マザーグース」で、フランスのおとぎ話ダイジェストの趣。
とはいっても子供だましではもちろんなく、ラヴェルらしい色彩豊かな幻想に心地よく酔わせてくれる作品。

はじめは友人夫婦の子供のための連弾曲として書かれたそうですが、その翌年1911年に連弾版を管弦楽化した組曲版、さらに曲順を入れ替えて場面と間奏を付け加えたバレエ版に進化。

>曲は満ち足りた「前奏曲」で開始され、「紡ぎ歌の踊りと情景」に進む。
王女は紡ぎ車の紡錐で手を刺し、魔法使いの呪いによって眠りに落ちる。
ゆったりとしたフルートのソロに導かれて「眠りの森の美女のパヴァーヌが奏でられる。

続いて「美女と野獣の対話」
クラリネットの美女にファゴットの野獣が応える。
囚われの美女が野獣の求婚に応えると野獣は王子に・・・。

「親指小僧」は森に捨てられた親指のように小さな男の子のお話。パン屑を撒いて帰り道を示したのに小鳥が食べてしまいます。迷子になって行った先には恐ろしい場所が・・・

「パゴダの王女レドロネット」中国の陶器の首振り人形がパゴダ。
呪いで観にくくなったレドロネット姫。見知らぬ城にたどりつくと人形たちが王女を歓待。

最後は「妖精の園」。
「眠れる森の美女」の終幕。王子が美女の目を覚まし大団円。
繊細で彩り豊かな管弦楽が終幕を盛り上げます。


こちらも色彩感溢れる良い演奏でした!
緻密に作り上げられた上で、曲の世界を大切に楽しみながら演奏している様子がソリストのみならず楽団員全員から感じられて、ステキなラヴェル。
アンコールは「パゴダの王女」。
中国風の銅鑼の音など、バレエ音楽でのデイベルティスマン部分でしょうか。エキゾチックで素敵でした



夏着物 西麻布でピエモンテ料理

2012-07-27 03:58:00 | きもの
7月22日の日曜日、久しぶりで「お着物を愛でる会」のメンバーでの着物の集いを致しました。

集合したのは西麻布のTORNAVENTO。
ピエモンテ料理が有名で、一度行きたかったお店です^^

お料理がチーズや木の実を複雑に絡み合わせたお肉料理、きのこのクリームソースを絡めた手打ちのパスタ、自家製のプロシュートなど、北イタリアのお料理らしく、ちょっと夏にはこってりめかな?と思わないでもありませんでしたが、静かな店内でやさしいマダムの接客で滑らかに進行するコース料理は、本場で修業されたシェフのこだわりが感じられ、大変美味でした。

イタリア好きの友人に後日伺ったところ、シェフは表参道のKAPPASにいらした方だとか。
そういえば、KAPPASも好きで以前、ちょくちょく伺っておりました



残念ながら、店内は写真撮影禁止ということで、お料理のご紹介はありませんが、
お店の前での美女3人!?
夏着物、というだけで、特にお題を決めていたわけではありませんが、
なぜかなんとなく集まるとバランスが取れている・・・というわたくしたちです^^(自画自賛)



どなさんは、今年あつらえられた新しい浴衣で・・・。
浴衣と言っても、しっかりとした生地で、ちょっとピーチスキンのような素材の絞りなのですが、
ブルーと白のランダムな配置が、どことなく夏の青空を想起させる、ステキな夏着物です。
そこに、CIEL=「空」と白抜きされたラフィアのトートバッグとライトグリーンの博多帯とベージュのレースの半幅2枚を組合わせた帯に、焦げ茶の帯締め、ブルーの立体的なヴィンテージブローチをアシンメトリーにあしらった帯周りなど、どなさんらしい細やかにバランスを考えられたお洒落なコーディネート。
夏素材で、ベージュ・焦げ茶・ブルー・グリーンを重ねることで、青空にすっくと伸びたヒマワリを思い起こさせるようなどなさんの着姿でした
ちょっと陽に灼けた小麦色の健康そうな肌色によく映えていらっしゃいましたv



宮本さんは、またヘアスタイルを変えられて・・・
美人さんはなんでもお似合いで羨ましい限り!
ライトアクアの絹紅梅がふんわりとハリのある質感で風をはらんで涼しげ。
大人の夏着物とはかくあるべし・・・なお手本のようなエレガントで爽やかなコーディネート。
白地に黒でランダムな網模様の入った羅の名古屋帯を黒赤の3分紐で引き締めて、帯止めは若鮎。
白地に黒と赤の糸でトンボを縫い取った半襟とのバランスが絶妙です。
黒とブルーのトートバッグでお昼の女性同士の気の置けない集まりにふさわしいリラックス感もプラスされて・・・



ここでお二人の帯をご紹介。
ふんわりと結ばれた宮本さんの帯もさることながら、今回の帯名人はどなさんの2枚の半幅帯でのこの作品!
上下にバランスを取りながらパタパタと折っていき、センターを押さえて半分に折り・・・というところまでを鏡を見ながら前で行い、出来上がったらぐるりと後ろに回す、というやり方で作られたとか!
とても立体的で複雑味のある飾り結びではありますが、ちょうどお太鼓と同じくらいの分量とシルエットになるせいか、奇抜すぎず、大人のお洒落結びとして、応用が効きそうな結び方ですね



わたくしは・・・ですね、実はナント2年ぶりの着物なので・・・
リハビリです^^;
で、こういうリハビリにぴったりなのが、デザイナーの横森美奈子先生監修の、名古屋帯の付け帯とセットになった夏着物兼浴衣のこのSET.
今まで、SETで着たことはあまりなかったのですが、今回は、簡単着付けのために頼ってしまいました^^;
それにしても初心者でも着物を楽しめるように・・・というコンセプトで作られただけあって、着付けが楽!
帯止めにセンターにグリーン、周囲にアクアブルーのスワロフスキーを散りばめたアンティークブローチを置いて、淡い水色ビーズの半襟、ターコイズブルーの下駄、紫陽花ピンクのエナメルの和光のバッグ、紅水晶のシルバーリングなど、とにかくピンクとターコイズ!で合わせたコーディネートです。
どなさんとの小さなお揃いが2つ。
下駄の鼻緒がベージュのレース(ひなたやさん)。どなさんはパナマにすげていらっしゃいましたけど、鼻緒がお揃い^^
あと、見えませんが帯上げをライトグリーンにしており、どなさんの博多帯でチラ見せにされているライトグリーンとなんとなくおソロ気分^^

このあと、銀座のややさんでショッピング。
アンリ・シャルパンティエでお茶。



震災後、なんとなく着物に手を通す気分になれず・・・月に一度と言わずとも季節ごとに一度は着るようにと心がけていたのに、このところズルズルと着る機会を作らずに来てしまっていたのですが、今回お二人の着物の楽しさを存分に満喫されている着姿を拝見して、とても良い刺激をいただきました
まるまる一日、お付き合いいただきましてありがとうございました
このところ猛暑の日々でしたが、ふとエアポケットのように、涼しい一日。
キモノ日和の日曜日、でした



宝塚宙組 「華やかなりし日々」 千秋楽

2012-07-02 01:51:53 | TAKARAZUKA
2012年7月1日(日)13:30~
東京宝塚劇場にて



ありがたいことに、宙組東京公演の千秋楽を観ることができました。

大空祐飛、野々すみ花のTOPコンビのFINAL STAGE。

ともに退団する風莉じん、花露すみか、藤崎えり、百千糸
組替えで雪組生となる鳳翔大、専科に所属する北翔海莉

彼女たちは次の公演からは宙組公演の舞台の上にはいないのだなぁと、改めて。
(北翔さんは、次々回からはわかりませんが)

次期TOPの2番手、凰稀かなめを追ってきて、自分の組として観るようになった宙組。
なので、せっかくのサヨナラショーも、観ていない公演の部分はあぁ、こういう作品もあったのよね、知ってはいるけどなるほどこうだったのか、・・・とちょっと距離があったのが勿体なかったのですけれども。

「三成」、「ルナロッサ」、「クラシコイタリア―ノ」、「ヴァレンチノ」(アランチャの場面ではペンライトも振りました・・・人生初ペンライト!)「仮面のロマネスク」・・・本当にいいものを観せてくれてありがとう!

「大王四神記」のホゲ様・・・これで、祐飛さんをなんというVISUAL!リアル・フィギュアだわ!と認識して、ついでにタカラヅカ歌劇自体についての認識が大きく変わったわたくしの中では大きな意味を持つ作品。
この作品を劇場で観たときには、まさか、今、こうして花と星の両ホゲ役者が宙組でTOPの引き継ぎをすることになるとは夢にも思わなかったのですが。

「カサブランカ」、「誰がために鐘が鳴る」・・・これは、客観的にサラリと観ていました。
渋さと優しさ。度量のある大人の男を演じられる、大空さんの貴重な個性が印象的。
すみ花ちゃんは頑張っていた、という印象。
それよりも、宙組にひしめく路線スターの扱いが他組と比べて気の毒でした。
原作がある場合は致し方ないことではあるのですが、路線スター、ベテラン別格の多さに比べて役が少なくて。
1人1人の印象がまだこの頃は薄かったかも・・・。

観ておけばよかった!と今更のように後悔するのが「トラファルガ―」「ファンキーサンシャイン」
あのひまわりサングラスを頭に載せた祐飛さんの姿が衝撃的すぎて・・・。
ホゲ様のクール・ビューティ―なイメージが強かったので、あんなキッチュな美術の舞台に出されて・・おいたわしや、と思っていたのですが、今では、あのかわいこちゃんっぷりも、また、彼女の魅力の一つと理解しておりますv
そして銀ちゃん!!
「蒲田行進曲」 こんなに愛された、そして、組子たちも熱演だった作品。
全国ツアーで演じたのもきっといい思い出だったのだろうなぁと、宙組生のこの作品のときのなんとも良い表情をみて思ったことでした。

わたくし同様(?)、公演当初は星組生だった贔屓も、実際には経験していないので、温度差があるのは当然ながら、「ファンキーサンシャイン」ではキラキラ衣装を着せていただいて、後方階段中央のポジションに向いながらノリノリで下級生たちにハイタッチ。
混ぜていただいてありがとう・・・;;
そして、「トラファルガ―」
VICTORY~!!と歌い上げる勇壮な曲。
祐飛さんがまず銀橋を渡り、上下に分かれて北翔さんと歌い継ぎ、そしてハモる・・・。
あの歌ウマの北翔さんと肩を並べて、遜色ない(と聞こえるファン耳)存在感。
こんなにグイグイと前に出る歌い方をする凰稀さんを観るのは初めてかも、と胸が熱くなりました

さよならショーの最後の方で印象深かったのは、「引き潮」。南の島?海辺で戯れる3組のカップルの場面。
ゆるやかでロマンチックでリラックス感満載のステキなシーン。
祐飛・すみ花、大ちゃん(鳳翔)とれーれ(すみれの麗)、ちーちゃん(蓮水ゆうや)のお相手はちょっと良く見えなかったけれど・・・あとでえびちゃん(綾瀬あきな)と判明。白シャツに中途半端丈のパンツ、の男役、白いたっぷりとしたフリルがカワイイリゾートワンピの娘役。
大ちゃんれ―れカップルが意外なカップリングで、でもとても可愛かったのが印象的。
今回の公演で、大ちゃんの魅力がよぉくわかりました。
雪組にもついていきます(あぁ、こうしてどんどん観劇回数が増えて行く・・・)!

組替え者のご挨拶は、緞帳前で。
上手に組長のすっしーさん(寿つかさ)。
下手に北翔さんと大ちゃん。
大ちゃんがマイクの位置に付くと、客席から「しっかりしゃべれよ~」と声援?
確か、大劇場での千秋楽のときに噛んじゃったかしたのでしょうね^^;
大ちゃんしっかりと御挨拶。
次、北翔さん・・・のタイミングで、「北翔!」「はい?」と言う感じで顔を向けるみっちゃん。
「言わぬが花だよ!」・・・うーん、これは微妙な牽制ですね^^;
確か、大劇場では専科行きに対しての思い、宙組を作り上げてきた自負のような、素の思いをにじませたように聞こえていますので、誤解や曲解をされる可能性のある発言は自分のためにならないよということなのでしょうけど。
みっちゃんの御挨拶は感謝と、今後の精進という定型文でした。
自分も組替えの当事者という自覚なく(?)盛大に拍手する大ちゃんがカワイイ・・・
客席の拍手に応えるかどうかちょっと躊躇する変な間を作ってしまって挙動不審になる流れが大ちゃんらし過ぎました^^

退団者の御挨拶は・・・。
百千糸ちゃんは、芸名の由来を使った上手な御挨拶。100本1,000本の糸のようにしっかりと絆が生まれ、自分を支えてくれている今、と、あこがれだったエトワールを含め充実した宝塚生活を送ったことへの感謝を。
お花は、かわいいピンク系のブーケ。れーれから。

藤崎えりちゃんは、楽しいことも砂をかむような虚しい思いをすることもあったが、充実したときを過ごすことが出来たと。役作りにもがきつつ真剣に宝塚人生を送ったことを大阪弁のイントネーションも交えたきっぱりとした口調で。
えりちゃんは控え目でかわいらしい娘役さんの印象がありますが、実はしっかりもので男前な性格なんですよね^^
お花は大海亜呼ちゃんと同期の天玲美音ちゃんから、ピンク系のブーケ。

花露すみかちゃんは、やさしいお人柄が出ていてとても感じが良く、様々な役柄を本当に楽しんで、組子たちにも愛し愛されていたんだなと改めて思いました。
アンコールでなにか言い残したことは、とゆうひさんにふられたときに、同期アピールが・・・^^
「雪組に組み替えになる鳳翔大、まだまだ宙組で輝き続けてくれる蓮水ゆうや、花組からやってくる朝夏まなと、舞台が大好きな88期をこれからもどうぞよろしくお願いします!」と懸命に頼む様子に同期愛を感じました。
お花は同期の大、ちーとともちん(悠未ひろ)から。路線男役に囲まれて華やかに。
ソフトな色合いのピンク系のブーケ。

風莉じんさんは、なんといっても略歴紹介の映像が・・・。
映像だけで笑いをとるという技は彼女ならでは。
こういう歌えるほっこり系のおじ様役者がいなくなるのは寂しいですね。
お花は白いユリ?かしらと中心に。北翔さんと美風舞良さんから。

すみ花ちゃんは、とても彼女らしい、自分の言葉でしっかりと宝塚人生を語ってくれました。
ゆうひさんから、舞台だけでなく人として、たくさんのことを学んだと。
白ベースのパステルブ―ケ。
あゆみさん(鈴奈沙也)と花里まなちゃんから。
すみ花ちゃんは、御挨拶ではとても凛としていたのに、アンコールで、祐飛さんと2人銀橋に立って、夫婦漫才みたいに喋ろうか、と振られたら突然赤くなってグダグダになってゆうひさんに突っ込まれていたのがいつものすみ花ちゃんクォリティで・・・可愛らしかったです。
どう、今の気持ち、と尋かれて暑いデス、と答え、そこ?!と突っ込まれるすみ花ちゃん。
かと思えば、突然、ゆうひさん大好き~と。あなた、立ち位置が違うでしょ、と突っ込まれ^^
退団者全員が銀橋上に固まった時だったので皆、わたしもわたしも、となって微笑ましい限り

祐飛さんは、さすがの挨拶キング。
「男役、大空祐飛、これをもって宝塚を卒業いたします。長い間、応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。私の歩んだ道は歩きやすい道ではなかったですが、自分自身で切り開いた最高の道でした。」

「奇跡という言葉は簡単に使ってはいけない言葉と分かっていますが、今、私が置かれている状況に奇跡を感じずにはいられません。これまで大空祐飛に携わって下さいました皆様に心からの感謝をこめて、本当にありがとうございました。」

「これからも私の愛した宝塚を、私の愛した宙組を、凰稀率いる宙組をどうぞよろしくお願します。」

緞帳が閉まり銀橋へ。まずはすみ花と2人。
ここで、暑いデスのすみ花ちゃんおとぼけ発言で和む客席。
ゆうひさんは?と聞かれて、スタンディングオベーション、総立ちの客席を前に、
「近いですね。みんなが立ってるから?皆さんが立ってる時に銀橋にいるのは初めてかも。圧迫感がありますね」

上手前方席が、古くからのお客様席だったのでしょうか?
「78期生はわたしで最後となります。長い間御声援ありがとうございました」に対して、
「楽しかったよ~」・・・ご年配の方のお声だったので、この言葉にはしんみりしてしまいました。
挨拶初めにも、「ゆうひさんカッコいい」「ゆうひちゃん大好き」「ゆうひさん、ありがとう」の声が入り乱れ、一瞬カオス^^;
よろしいでしょうか、と笑顔で納めて話し始める祐飛さんがステキでした^^

銀橋を皆でセンターから戻るときに、どっちから戻る?と一瞬躊躇。
祐飛さんのリードで、まず、下手のお客様に御挨拶・・・と下手側に移動。そして上手に戻って、皆を緞帳脇から掃けさせて、最後にひとり、上手端に立ち、最後の一言は
「宝塚を愛して下さる皆様に幸せがいっぱいありますよう祈ってます。本当にありがとうございました!」でした。

記憶ですので、正確ではないかもしれませんが・・・。
取りあえずの記録として。



本公演での、千秋楽アドリブは

■ アドリブではないのですが、ウォリスキー氏が市長の愛人に指輪を贈る場面、「あなたのような方に」のところ、「あなたの、ような方に」とセリフ回しを間違えた祐飛さん。それまで6回の観劇では噛んだことも一度もなかったので、流石にお疲れなのだろうかと案じましたが、その後は歌も伸びやかに くもりのない演技でした。

■ 同じくアドリブではないのですが、ウォリスキー邸でのパーティ、チャールストンを踊る紳士淑女、
  退団者の花露すみかちゃんがセンターを取った時に、客席から自然と拍手が・・・。
  千秋楽ならではの温かい客席を感じてうるっとしました;;

■ かちゃ(凪七瑠海)刑事が、すっしー組長警部に叱られて、「捜査に行ってきまーす」と調子よくはける場面。
  「そうですよね~近頃の若い者は・・・って俺か」、とアドリブ入れてから「行ってきまーす」に^^

■ あっきー(澄輝さやと)振付師がジ―クフェルドガールズに稽古をつける場面。
  出来ない子でよく叱られていた百千が、ちゃんと皆と同じ振りで踊っていて、
  今日はいいぞ!出来るじゃないか!と褒められていました^^

■ 公演最初の頃は、しっかりものの手下どもにリードされていたように見えたギャングの親玉、
  キング・グラント(鳳翔大)ですが、だんだんと自在にアドリブで笑いを取る作戦に・・・^^
  千秋楽の今日は、なんと大きな舞台写真!?を掲げて、「ジュディの写真買ったぜ!」
  観て「かわいい・・・」とにやける。署まで来てもらおうか、と連行されて、
  いつもは「ショ?!」と慌てるところ、慌てつつも横目でジュディの写真を見てにやけているので、
  すっしー警部に取り上げられていました^^;
  もう、大ちゃん、最高です!

公演は、最後まで完璧で・・・。
本当に、今の宙組、大好きでしたし、芝居・ショーとも、大空祐飛さんに似合う洒落た作品で、組子の個性も発揮できて色々と楽しく堪能しました。
これからの宙組にも期待したいと思います



宝塚宙組公演 「クライマックス」

2012-07-02 01:49:07 | TAKARAZUKA
グランド・ショー
『クライマックス』-Cry‐Max-
作・演出/三木章雄


[解 説]
 “ショーはクライマックスの連続がふさわしい”―そんな思いを込め、華やかにバラエティ豊かに展開するショー。大空祐飛の魅力をあらゆる角度から引き出し、充実期にある男役の魅力をマックスでお届けします。



宝塚宙組 「華やかなりし日々」 東京宝塚劇場

2012-07-01 08:59:48 | TAKARAZUKA
*この記事は未完ですが、超・長文になりそうなの覚悟で^^;、毎日少しずつ書き足していくつもりです。
完成したら、そのお知らせを、ここに書きますので、全部揃ったところでお読みになりたい方は、こちらをチェックなさってくださいませ*



ついに書きます。って千秋楽の朝に何も・・・^^;



ミュージカル
『華やかなりし日々』
作・演出/原田 諒

■主演・・・大空 祐飛・野々 すみ花

【公演期間】
宝塚大劇場   2012年4月13日(金)~5月14日(月)
東京宝塚劇場   2012年6月1日(金)~7月1日(日)

【解説】
「狂騒の時代」と称された1920年代のニューヨークを舞台に、ヨーロッパから渡ってきた移民の青年の愛と野望の軌跡をドラマティックに描いたミュージカル。貧しい移民街からのし上がり稀代の詐欺師となって巨万の富を築いた男は、ショー・ビジネスの世界を次なる標的とし、劇場を手に入れようと画策するが……。大空祐飛が謎を秘めた詐欺師に扮し、独自のダンディズムと哀愁を十二分に魅せます。また、かつて一世を風靡した“ジーグフェルド・フォーリーズ”の豪華絢爛なレビューシーンも、見どころの一つです。尚、この作品は演出家・原田諒の宝塚大劇場デビュー作となります。 <以上、宝塚公式HPより>



「ニジンスキー」「ロバート・キャパ」とバウの佳作を続けて出し、ついに大劇場デビューの原田先生。
しかも人気トップコンビの退団公演・・・となるといきなり高い期待値で、そのハードルをどう乗り越えるか・・が注目されてきた作品でしたが、結果として、成功だったのではないかと思います。
いや、わたくしが、人物描写が薄い、とか、展開がご都合主義で、色々なフラグの回収をキチンとせず、放りっぱなしだとか言われる欠点とされる部分よりも、意外と下級生まで得意分野を良く見て振リ分ける配役のバランス感、背景・衣装の色彩的なセンスの良さ、というプラス面を評価していることが大きいのですが^^

初日はシュツットガルトを優先した結果逃しましたが、6月3日(日)の宝塚立見席初体験の初見から、2回目の神席(1列目センター!)を経て、6月30日(土)11:00公演まで、6回観て、今日の千秋楽でLAST.
それでも観足りない、観れば観るほど楽しくなる作品でした。

物語は、1927年、NY 天才詐欺師ロナウド・フィリップス(大空祐飛)がロシアの亡命貴族、アレクサンドル・ウォリスキーとして栄華を極めた生活をしている場面から始まり、彼が実は移民の孤児で、レビューのジ―クフェルド・フォーリーズで有名なニュー・アムステルダム劇場を手に入れる夢を抱くところまで振りかえります。そして20年後に実現に王手をかけるところまで到達。しかし、幼馴染の死から足がつき、捕まる寸前で、また、一から出直す・・・・という展開。

以上がロナウド視線のストーリーですが、彼に絡むラブストーリーも用意されています。
というよりも、彼が愛に目覚めたことから計画に微妙な軌道修正が入り・・・運命が変わった、と言えるのかも。

フォーリーズを目指して一度は挫折、もぐり酒場でのショーガールとしてデビューしたところで、ロナウドと出会い、彼の後押しでフォーリーズの主役の座を射止めるショーガール、ジュディ・レイン(野々すみ花)の存在が恋愛モードでの大きな要素です。
フォーリーズのオーディションで、友達ポ―ラ(すみれの麗)をかばって看板女優アンナ・ヘルド(純矢ちとせ)と大喧嘩。流れた先のクラブでは、顔役のギャング キング・グラント(鳳翔大)に目をつけられるが、毅然と拒否。
そのせいで、騒ぎを起こしてクラブに戻れなくなるが、助け出してくれたロナウドが、自分がスポンサーになったばかりのフォーリ―ズの主役に推薦。だが、大恩人のロナウドにも、庇護者としての態度をとられると反発してしまう・・・。
常に夢に向かって一途に突き進みながらも毅然と自己を高く保つためにはの不器用なまでに強く主張をしてしまうジュディ。それでも 実力とその志に嘘のなさを見て見どころアリと心を開く協力者は後を絶たず、成功への階段を駆け上る・・・というのがまさにすみ花クオリティ。
クラブのショーでの妖艶な大人っぽさ、フォーリーズのショーで、華やかきわまる舞台のセンターを務められるだけの品格ある可憐さと華、演技派女優、野々すみ花の実は自在に大人のムードを醸し出すことのできる能力は、芸風も学年的にも大人なスター大空祐飛の相手役として務めてきた中で彼女自身が獲得してきたもの。そのショースターとしての彼女の魅力を芝居でも存分にみせた原田演出に、内心拍手。

登場人物をざっとご紹介しつつ寸評を。

1) アレクサンドル・ウォリスキー(=ロナウド・フィリップス)チーム

・ ロナウド 大空祐飛

とにかくカッコいい!大邸宅のパーティーにタキシードで主人役として登場する姿はどこのギャツビ―?
ふだんの仕立ての良いストライプスーツ姿のVゾーンが、広めの襟にウエストを絞ったジャケットに品の良いネクタイ、ベストに内襟に添わせた着物の半襟のようなスカーフづかいがエレガント。
詐欺師として活躍するハリウッド仕込みの辣腕エージェントとして登場する時の帽子と髭、メガネをはずして客席降りありで銀橋を渡りながら「詐欺師に用心したまえ!」と歌うちょっとコミカルなナンバーが特にラスト2日は絶品でした!「汝、男に注意したまえ!」と指さされたい!と客席で熱望(笑) 歌い始めに十字を切る仕草と手がまた絶品でした・・・
ジュディがギャングに絡まれたのを助けて、逃げた先の銀橋で、舞台衣装の上に着せかけられたコートを彼女が返そうと脱ぐのを、「着てろよ」(この言い方が・・・押しつけがましくもなくさりげなく優しい)と肩からしっかりと着せかけてあげるのもとても紳士的で・・・これぞ宝塚の男役。
スポンサーとして稽古の進み具合を視察に来た時に仲間のいじめで嘘の時間を教えられたジュディが遅刻して騒ぎになる間、さりげなくレッスンピアノの方に歩いてジュディが1人になったところで声をかけるまでのその場での身の処し方がなんともさりげなくて。こういう自分が芯になっていない場面でのあり方も上手い。
最後、フォーリーズのショーを客席通路から登場して赤い薔薇の花束を肩にのせて持ちつつゆっくりと銀橋に。
その舞台の上で輝くジュディと組子たちを眺める目の優しさとカッコよさ。銀橋センターにその花束を置いてかがんで2本の指を揃えて目元からちょっと挨拶するように振ってサッとオーケストラピットに降りる瞬間の粋さたるや!
(はい、一度これを眼の前1mの距離で観たときには死ぬかと思いました
ラスト、一文無しか、とコインを投げ上げてキャッチ。流れる動作でコートを脱いで肩にひっかけ、そのまま後ろ姿を見せて軽快に舞台後方に去っていくその足が消えるまで・・・見つめてしまいますね!

・ ロナウドの子供時代 星吹彩翔

最近気になるジェンヌさんなので、みっさまを差し置いて先に(笑)
20年前を思い出すロナウド・・・の回想シーン。親友ロイ(月映樹茉)とともにニュー・アムステルダム劇場の前で新聞とプログラムを売って日銭を稼ぐ孤児。寒さとひもじさに耐えながら一度でいいから・・とレビューに憧れるロナウドにロイが秘密の抜け道を教えると約束。これがラストの脱出劇につながるのが上手い伏線。
小銭を恵む観劇の紳士の後ろ姿に「俺たちは物乞いじゃない!」と瞳を燃やして悔しがる演技がスゴイ。
ここで「這い上がって見せる!」とこぶしを固めるプチロナウドがいるからこそ、その後の展開の一つ一つが重みを持ってくる。
ラストシーンで全てをリセットするロナウドの目の前に物売りの少年(百千糸)が。かつての自分だ。
あの紳士のように、差し出すリンゴを断ると、少年は物乞いじゃないんだと怒りに燃える。
すかさず、「それは君への投資だ。」と。あのロナウドあってこそ、これが次世代へのエールになるのですよね・・・。
CUTEなリスのような容姿と宙組の中では小柄(169cm)なので子役の多いモンチ(星吹)ですが、いつも演技に心が入っている割に嫌みがないのと、目の輝きが人目を引くのと意外とプロポーションのバランスが良くて全ての技術に穴のない優等生なところで、今後も活躍が期待出来るのでは・・・と注目しています。
このシーンの後は、必ず客席から自然発生的に拍手が起こりました。

・ 子分のニック 北翔海莉  

詐欺師としてのロナウドの舎弟?テキサス出身。銀橋での歌から家族はいるが離散家庭で都会での成功を夢見てきたことがわかる。この歌は北翔さんらしいドラマチックな力強いもので本領発揮。
あと、2度ある刑事アーサーとロナウドの心理戦のシーンでは、それぞれ、その場で密かに表情を変えて、胸に一物あるたくらむニック、つかまったけど、兄貴仕方なかったんだ、でも裏切ってない・・・という手を広げたジェスチャーで、セリフはなくても雄弁。
清楚な、病気の母思いの恋人、タイピストのキャサリン(愛花ちさき)とまじめなお付き合い。多分彼女のためにそのうち堅気に・・・と思っていそう。
色々と背景が書き込まれた美味しい役ではありますが、彼女にプレゼントしたジュエリーから足がついて、「次に会う時には付けてきて!」「ええ!」→質屋に入れてアシがつき、刑事登場 とは・・・;;可哀そう。
ニックのその後に幸多かれと祈ります^^;

・ ダニエル 風羽玲亜

ロナウドのスタッフ?市長の愛人(藤咲えり)に指輪を贈るために、「ダニエル」と合図されて、ジュエリーボックスをさっと開けて見せる、美しき執事。思わず、「あなた、だれ?」と(アンナのセリフ口調でお願いします^^)調べました^^;
174cmで美形。ただ、フォーリーズの紳士では登場するも、徹底してセリフなし。
ショーでも、ビリヤードのキューを使ってのダンスが印象的なクラブのシーンで、静かにバ―テンとして祐飛さんにキューを渡したりしていました。
存在することに価値のあるタイプとして美味しく使われているものの、演技口調にでも弱点があるのでしょうか?惜しいですね^^;

2) 刑事チーム

・ アーサー・シェルドン 凰稀かなめ

2番手の役としては、大空さんと組ませていただいた今までの3作の中で一番軽い役かもしれませんが、孤児院でジュディの初恋相手で彼女が主役と新聞で観て楽屋を訪ね、そこでパーティでの狙撃未遂事件の被害者ロシア貴族の大富豪ウォリスキー氏と再会。
彼の登場でジュディへの告白の腰を折られ気まずい思いをするが、スポンサーである彼がジュディに残した花束に添えられたメッセージから、自殺した狙撃事件犯人の昔の写真に残されたサイン、「ロナウド・フィリップス」=ウォリスキ―氏では?と解決への糸口を得ます。
事件に駆けつけるも、パーティ客に茶番の芝居と言い訳をして場を収めるウォリスキー氏から、口止め料の小切手を切られるが目の前で破り捨てる出会い、そしてジュディの楽屋での再会、最後に偽ジュエリーでアシがついたニックを伴っての、ウォリスキー邸での直接対決(=セリフの応酬による心理戦)と、大空氏とのがっつり芝居の見せ場というメインの他、ジュディとの再会場面での甘い顔、刑事部屋での普段の姿、銀橋の歌、と様々な面を見せる場をしっかりと与えられ、それぞれの場面にふさわしい存在感を発揮。
刑事、という地味めな役どころながら、ロングコート姿が「リラ壁」の頃とは比べ物にならないくらい着こなせて、男らしい色気が出ていたのがファン的には感動でした。
あと、銀橋の歌も、都会の憂愁を歌う雰囲気のある歌で、ちょっと甘さのある声と安定してきた歌唱力をアピール出来て出色の出来映えだったかと。。。
すみ花ちゃんとの思い出語りで、彼女の鼻をつまんで、「鼻っ柱の強いところは」変わらないね、と笑い合うところは彼女の演技力もあってほのぼのムードいっぱい。
大空さんをじわじわ追い詰めていきようやく自白にこぎつけたとホッと笑顔が出かかったところで、ジュディの初日というキ―で逆転されたときの流れも見どころ。遠雷の音がわざとらしいと言えばそうですが、BGMの曲調もいい雰囲気を醸し出していて、全体に明るく華やかな場面の多いお芝居のいいアクセントになっていたかと。
ラスト、ロナウドの残した花束を見つけ、メッセージカードを眼のあたりでひと振りしてしてやられた・・・の表情が大空さんリスペクトっぷりを出した良いお顔で退団公演2番手としてGOOD JOBでした

・ 同僚のビリー 凪七瑠海

都会っ子。金髪で細身で足が速くて頭の回転も速くて軽くて。
ぼけと突っ込みならツッコミ担当。
カチャ(凪七)は中日の「仮面のロマネスク」の従者アゾランで、なんてピッタリの役!と思ったものですが、(世知に長けたスマートな都会っ子。ちょっと調子に乗ってる^^;けど憎めない)
今回も同様な印象の役で、のってましたね。
かちゃの隣だと、宙男の横では基本ほっそり可憐にみえる凰稀さんがやたらと落ち着いたしっかりものに見える効果(笑)!

このチームは他に、上司に警部すっしーさん(寿つかさ)、同僚にりくちゃん(蒼羽りく)がいます。
すっしーさんは安心のクォリティ。りくちゃんはその補佐役的な感じ?
りくちゃんについては、ショーで語ります^^


3) フォーリーズ・チーム

・ ジュディ・レイン  野々すみ花

ほとんど冒頭で語りつくしましたが^^
彼女は3回啖呵を切ります。
最初はフォーリーズのオーディションで。親友ポーラがジ―グフェルドに褒められると、それが面白くない妻で一座のスターのアンナが難題をふっかけてポーラをおとしめますが、そこでアンナに対して。
「スターとしてのあなたに憧れてきたけれど・・・人間としてのあなたは尊敬できないわ」
次は、フォーリーズをあきらめて拾われたクラブ・ヴィーナスでのデビューショーで、目をつけて絡んできたマフィアの顔役、キング・グラントに対して。
「虫けらにしか見えないわ」
そして、ロナウドに見込まれて再度フォーリーズの主役として稽古に入り、同僚の嫌がらせにあっても、へこたれない気丈な姿に「思った以上に気が強いな」と笑うロナウドに対して。
「あなたには感謝しているけれど・・・わたしはあなたの玩具じゃないわ」
不器用で真っすぐな生き方しかできないけれど、才能とその性格が見込まれて・・・・
クラブ・ヴィーナスでのショーの媚びない大人びた妖艶さ、そして、フォーリーズ初日の舞台のセンターで、ソプラノで夢の世界の女王を華やかに可憐に品格をもって演じる彼女の晴れ舞台が2つ。
あまりにも大空さんがカッコよく描かれているので、すみ花ちゃんも退団なのに可哀そうという声がありますが、いえいえどうして、原田先生の、下級生時代から臆せずに演技力を発揮して「宝塚の北島マヤ」と言われた女優娘役野々すみ花に対するリスペクト感じられる良いお役だと。
しかも、相手役の大空さんだけでなく、2番手の凰稀かなめさんとは幼馴染で初恋相手。路線の男役でもっとも美貌の鳳翔大ちゃんまですっかりジュディファン設定のこのモテモテっぷりも含めて、原田先生の愛を感じますv


・ フローレンツ・ジ―グフェルド 悠未ひろ

公称178実寸(目測)183cm、宙組の誇る長身男役ともちん(悠未)。芝居心があって、黒い役(Valentinoのギャング)もユーモラスな役も自在にこなせる人ですが、この稀代の興行師ジ―グフェルドはまさにハマり役。
夢を追い、大劇場を起こして成功させた度量の広さと押し出し、そして妻アンナの尻に敷かれ、金策に悩んで片腕ピーターの前ではへタレまくり、詐欺師ロナウドにしてやられるカワイイダメ男っぷりがまた絶品。
銀行からの取りたてか、と小柄な(とはいっても174cmあるんですけど^^;)ピーターの陰に隠れようとする様がなんとも可愛らしい。

・ フォーリーズのマネージャー ピーター 蓮水ゆうや

芝居の上手い人ですが、今回はジ―グフェルドの掛け合い漫才の相手方として(え?)ヴィジュアルもコミカルに作り込んできました!大きくロールした前髪。ジ―グフェルドに引っ張られて大きく手足を大の字にして空中から戻されるデフォルメされたアニメーションのような動きなど自然ですが、地味に上手い!
ジュディの親友ポーラとは密かにこれから職場恋愛が進展??というフリがあり、結末までは描きこまれていませんが、こういう匂わせて膨らませる役の設定はアリだと思います^^

・ ダンス教師・振付師 ジェームス 澄輝さやと

姿の良い人で、ノ―ジャケットのベストスーツ姿でタップの見本を見せるのが、キレイに決まっていました。
ただ脇に控えているだけの時でも、キレイにスッと背筋を伸ばして、胸を心持ち敢えて強調して張っている立ち姿がすでにダンス教師っぽい。
ひょこひょこしている(笑)ちーちゃん(ピーター)と、好対照で、この3人の並びがなんとも良い感じ^^

・ フォ―リ―ズ・ガールズ

オーディションシーンに入る冒頭、下手に集まったレトロなワンピース姿の女の子たち10数名、頭に分厚い本を載せて、バランスを取りながらしずしずと銀橋を渡ります。
音楽は勿論、テーマ曲のような a pretty girl is like a melody~

ダンサー大海亜呼ちゃんは自信たっぷり、百千はちょっぴりダメな子?
美少女池銀ガール玲美うららちゃんはやっぱりこういう女の子たち、の中にあってもすぐにわかりますねv
ジュディの親友ポーラ役のれーれ(すみれ乃麗)はレモンイエローのローウエストワンピに黒いヘアリボンが良く似合って、愛らしい。その愛らしさでジ―グフェルドに気に入られ、妻である大スタ―、アンナ・ヘルドの不興を買い、後の移籍騒ぎとジュディとの因縁につながる・・・という伏線のキーパーソン。ピーターとの淡い恋もちょっぴり描かれている美味しい役。スタイルが悪いとか(センターには)何かが足りないとか、散々な言われようではありますが^^;

アンナがライバルに引き抜かれた!と、慌てる経営陣の様子をエアードアの向こうに押し寄せて全員で聴き耳をた
てるシーンの演出もいい。
グレタ・ガルボ、マレーネ・ディートリッヒとそうそうたるスターが取りざたされ一喜一憂する彼女たちの反応と合わせてテンポよく最後ドアが開くと雪崩を打って固まっているのをあっきーに叱られる・・・の流れも。

・ スター歌手 アンナ・ヘルド 純矢ちとせ