第2幕 第2場 フローラの夜会にて
第2幕第2場
色彩設計の美しい印象的な舞台。
スパニッシュがドレスコードの夜会。
センターに大きな丸テーブル。占い女のジプシーたち、そして闘牛士たちが6人口でこのテーブルの上で
パフォーマンスをするのが効果的。
赤と黒、そしてテーブルのグリーンが鮮やか。
別れたらしいよ、あの二人。
噂のヴィオレッタはパトロンのドゥフォール男爵とよりを戻しての出席。
アルフレードは黒燕尾での登場です。
並みいる正装の紳士たちの中にあって、一際映える長身。
ヴィオレッタは、ドレスコードに合わせて赤と黒のドレスの淑女たちの中にあってひとり黒のドレス。
ひっそりとその場に存在しつつもアルフレードの刺すような眼差しが彼女を執拗に追いかけます。
ゲストダンサーたちで盛り上がった後、テーブルを囲んでのカードゲーム。
やけを起こしたように大胆に賭け、なぜか勝ち続けるアルフレード。
食事のために皆が席を立ったところで、二人きりに。
心変わりを責めたてつつ、声高に皆を呼びつけ、衆目の中であろうことか、
賭けで手にしたチップをヴィオレッタに投げつけるアルフレード。。。
なんという無作法さ!無慈悲さ!衆人の非難を一身に受け止めることになるアルフレード。
ヴィオレッタはあまりのことに息も絶え絶え。
ここまで比較的内にこもった演技だったヴァレンティ、一気にはじけ、そして声にも感情が宿るようになり、グッと良くなりました。
いつの間にかテーブルを伝って前方に出てきたのは父ジェルモン。
婦人を侮辱するお前はもはやわたしの息子ではない!
打ちのめされ、茫然と後悔するアルフレード。
自分だけが真実を知っている・・・それを伝えるべきだろうか・・・問いかけるようにヴィオレッタに向き合う父ジェルモン。
ヴィオレッタは顔をそむけて拒否します。
くずおれた彼女の腕をとり、下手奥にエスコートする父ジェルモン。
上手手前ではヴィオレッタの保護者として決闘を申し込もうとする男爵とアルフレードがフリーズ。
それぞれの思いが交錯するクライマックス、パッパーノの指揮は的確にその到達点に向けて疾走させます。
お見事!
第3幕
ヴィオレッタの部屋。
簡素なベッドが2つ。小さなテーブルには薬瓶が並び、枕には吐血の跡が痛々しい。
白い夜着をはおったヴィオレッタをアンニ―ナが甲斐甲斐しく世話をしていますが、どうもおもわしくない様子。
ブラインドで構成されたような壁面から、白々とした光が射し込みます。
医者の問診のために起き出すヴィオレッタ。
父ジェルモンからの手紙を読みます。
外国に旅立ったアルフレードに真実を告げました。あなたのもとに向かいます。
その言葉を心の支えに待っていたのでしょうが、容態の変化に焦る心から、その手紙を投げつけて叫びます。
「遅いわ!」
絶望と嘆き。悪化する容態。
そこにアルフレード登場。
ドラマチックな再会。
ここからほとばしるような感情が二人を突き動かし、素晴らしいラストへと息をもつがせぬ展開に。
彼が帰ってきた!元気が出たから外出したいわ。
着替えを用意させるも、身体は自由になりません。
激しい絶望の表現。
アルフレードはヴィオレッタを抱き上げて、そっとベッドに横たえます。
医者を呼んできたアンニ―ナ。
そこに父ジェルモンも到着します。
衰弱したヴィオレッタを前にした父ジェルモンの後悔。
こわばった表情で佇み、自分が引き裂いた恋人たちの末路を苦悶の表情を眼に浮かべて見守ることになります。
アルフレードを呼びよせて、自分の肖像画の入ったロケットを渡すヴィオレッタ。
いつかあなたもまた恋をして・・・その方とあなたの二人をわたしは天から見守っています。
死期を悟ったヴィオレッタの健気なことば。
そして、突然の「E strano・・・(不思議だわ)」から始まる最後の歌唱が素晴らしかった!
最後の力が湧きあがり、「わたし、生きるのよ!」と叫んで立ちあがり、両手を広げて舞台をぐるりと駆け巡り、
アルフレードの腕に身を投げて絶命。
歌唱、演技、演奏・・・全てがピタリと噛み合った見事な幕切れ。
哀れで涙を誘う・・・というよりは、どこか全てを出し切ったカタルシスに心地よく身を委ねる自分がいました。
BRAVI !!
第2幕第2場
色彩設計の美しい印象的な舞台。
スパニッシュがドレスコードの夜会。
センターに大きな丸テーブル。占い女のジプシーたち、そして闘牛士たちが6人口でこのテーブルの上で
パフォーマンスをするのが効果的。
赤と黒、そしてテーブルのグリーンが鮮やか。
別れたらしいよ、あの二人。
噂のヴィオレッタはパトロンのドゥフォール男爵とよりを戻しての出席。
アルフレードは黒燕尾での登場です。
並みいる正装の紳士たちの中にあって、一際映える長身。
ヴィオレッタは、ドレスコードに合わせて赤と黒のドレスの淑女たちの中にあってひとり黒のドレス。
ひっそりとその場に存在しつつもアルフレードの刺すような眼差しが彼女を執拗に追いかけます。
ゲストダンサーたちで盛り上がった後、テーブルを囲んでのカードゲーム。
やけを起こしたように大胆に賭け、なぜか勝ち続けるアルフレード。
食事のために皆が席を立ったところで、二人きりに。
心変わりを責めたてつつ、声高に皆を呼びつけ、衆目の中であろうことか、
賭けで手にしたチップをヴィオレッタに投げつけるアルフレード。。。
なんという無作法さ!無慈悲さ!衆人の非難を一身に受け止めることになるアルフレード。
ヴィオレッタはあまりのことに息も絶え絶え。
ここまで比較的内にこもった演技だったヴァレンティ、一気にはじけ、そして声にも感情が宿るようになり、グッと良くなりました。
いつの間にかテーブルを伝って前方に出てきたのは父ジェルモン。
婦人を侮辱するお前はもはやわたしの息子ではない!
打ちのめされ、茫然と後悔するアルフレード。
自分だけが真実を知っている・・・それを伝えるべきだろうか・・・問いかけるようにヴィオレッタに向き合う父ジェルモン。
ヴィオレッタは顔をそむけて拒否します。
くずおれた彼女の腕をとり、下手奥にエスコートする父ジェルモン。
上手手前ではヴィオレッタの保護者として決闘を申し込もうとする男爵とアルフレードがフリーズ。
それぞれの思いが交錯するクライマックス、パッパーノの指揮は的確にその到達点に向けて疾走させます。
お見事!
第3幕
ヴィオレッタの部屋。
簡素なベッドが2つ。小さなテーブルには薬瓶が並び、枕には吐血の跡が痛々しい。
白い夜着をはおったヴィオレッタをアンニ―ナが甲斐甲斐しく世話をしていますが、どうもおもわしくない様子。
ブラインドで構成されたような壁面から、白々とした光が射し込みます。
医者の問診のために起き出すヴィオレッタ。
父ジェルモンからの手紙を読みます。
外国に旅立ったアルフレードに真実を告げました。あなたのもとに向かいます。
その言葉を心の支えに待っていたのでしょうが、容態の変化に焦る心から、その手紙を投げつけて叫びます。
「遅いわ!」
絶望と嘆き。悪化する容態。
そこにアルフレード登場。
ドラマチックな再会。
ここからほとばしるような感情が二人を突き動かし、素晴らしいラストへと息をもつがせぬ展開に。
彼が帰ってきた!元気が出たから外出したいわ。
着替えを用意させるも、身体は自由になりません。
激しい絶望の表現。
アルフレードはヴィオレッタを抱き上げて、そっとベッドに横たえます。
医者を呼んできたアンニ―ナ。
そこに父ジェルモンも到着します。
衰弱したヴィオレッタを前にした父ジェルモンの後悔。
こわばった表情で佇み、自分が引き裂いた恋人たちの末路を苦悶の表情を眼に浮かべて見守ることになります。
アルフレードを呼びよせて、自分の肖像画の入ったロケットを渡すヴィオレッタ。
いつかあなたもまた恋をして・・・その方とあなたの二人をわたしは天から見守っています。
死期を悟ったヴィオレッタの健気なことば。
そして、突然の「E strano・・・(不思議だわ)」から始まる最後の歌唱が素晴らしかった!
最後の力が湧きあがり、「わたし、生きるのよ!」と叫んで立ちあがり、両手を広げて舞台をぐるりと駆け巡り、
アルフレードの腕に身を投げて絶命。
歌唱、演技、演奏・・・全てがピタリと噛み合った見事な幕切れ。
哀れで涙を誘う・・・というよりは、どこか全てを出し切ったカタルシスに心地よく身を委ねる自分がいました。
BRAVI !!