2015年4月25日(土)15:00~
水道橋の宝生能楽堂にて
宝生会主催の企画公演、「時の花」春公演にお誘いを受けて行って参りました。
出会いをめぐるストーリーということで、能楽X宝塚歌劇、というコラボレーションはまさにわたくしのような両者を愛する観客にはとても引力のある企画・・と二つ返事で赴いたのは、友人の発表会で何度か足を運んだ能楽堂。
今回の演目に宝塚を代表して参加されるのは月組屈指のダンサーとして活躍されていた姿が浮かぶ桐生園加さん。
今回のメイン演目である「鞍馬天狗」は件の友人の発表会でも観たことのある馴染み深い演目。
それを、まず、桐生さんが朗読劇風一人芝居で演じ、引き続き、お能の本舞台で同じものをみる・・・という企画です。
お能の定形で、まずは狂言から始まって・・・。
■狂言 「膏薬煉」(こうやくねり)
シテ:三宅右矩、アド:三宅近成
旅の道中でばったり出会った鎌倉と上方(京都)の膏薬煉り(薬屋)。
実はこの2人、相手の膏薬が大変にすぐれているとのうわさを聞きつけ、互いに訊ねる途中であった。色々と話しているうちに、どちらの膏薬がすぐれているか競い合うことに・・・。
■独演 「花酔」(はなよい)
出演:桐生園加 、脚本:池澤春菜
時の花のために書き下ろされた脚本を、元タカラジェンヌが一人芝居で演じます。能「鞍馬天狗」の世界をさらに広げる、新たなコラボレーション企画です。
宝塚時代は、満面の笑顔でピシッとスピーディで直線的な「男役ダンス」を得意とされる方・・・というイメージでしたが、桜色の小袖にグレイッシュオリーブの袴、前髪を下ろしてサイドとバックを巻き込んでまとめたスッキリと可愛らしいヘアスタイルの桐生さんは高い鼻梁の彫刻のような横顔とスッと芯の通った立ち姿の美しさ、そして牛若丸のパートを演じるときのあどけない柔らかな表情が印象的。
きれいに通るお声といい、立ち姿の品の良さと言い、タカラジェンヌの良さをひしひしと感じる桐生さん、退団されたのは2011年ということでしたが、一層魅力を増していらっしゃるように思いました。
桐生さんはブログをなさっているのですね^^
この舞台についても記事にされています。
着付けは内弟子さんたちがなさっているようでしたが、ヘアセットはご自分で、だそうです。るいちゃんに学んだとありますので、紫城るいさんのことかな?
■能「鞍馬天狗」
シテ:野月聡、子方:片桐賢、ワキ:則久英志ほか
京都の鞍馬山にある鞍馬寺に一人預けられていた幼い源義経(牛若丸)。
とある春の日、花盛りの宴席で疎まれた一人の山伏は牛若丸と出逢い・・・。
源義経の幼少時代の物語。大天狗の化身である無骨な山伏と、孤独な牛若丸との心の交流を、師弟の絆を中心に情緒豊かに描く。
「鞍馬天狗」の面と装束をつけての本舞台は初めて。子方がずらりと橋掛かりに並ぶ姿も壮観で・・・。
でも、謡や仕舞は何度か発表会で観たままで、その前の桐生さんによる解説?もあったので、色々と納得しながら観劇できました。
■能楽余話「美しい能装束の世界」
シテ方宝生流能楽師 東川光夫
桐生さんをモデル?に、次々と能装束を取り出して着せつけ、解説をする・・というとても興味深いコーナー。
東川さんは、こういうトークには慣れていらっしゃるご様子で軽妙に手際よく指示を出しつつスピーディにたくさんの装束をご紹介してくださいました。
ハリのある豪華な織の素材の平面の装束が、止めたりたくしあげたりするうちに見慣れたお能の舞台衣装としてのシルエットになる様子を拝見するのはナルホド・・と感心しきり。
ちなみに天狗の装束はずらりと天狗が並ぶ演目があるそうで、宝生会ではたくさんお持ちなのだとか。
天狗の羽扇は天然記念物の熊鷹?イヌワシ?の羽を使った大変貴重なもので、替えはきかないので大変大切に扱う必要があるのだとか。
装束はお家元が当日、これとこれを使いましょう、とお決めになっている、とかお話の内容もなるほど、でした^^
この企画は季節ごとにシリーズ展開されるようで、次回、夏公演は7月25日(土)「葵上」がテーマで、タカラジェンヌゲストはなんと、宙組の悠未ひろさんだとか。
行けるようなら是非また観たいと思いました
水道橋の宝生能楽堂にて
宝生会主催の企画公演、「時の花」春公演にお誘いを受けて行って参りました。
出会いをめぐるストーリーということで、能楽X宝塚歌劇、というコラボレーションはまさにわたくしのような両者を愛する観客にはとても引力のある企画・・と二つ返事で赴いたのは、友人の発表会で何度か足を運んだ能楽堂。
今回の演目に宝塚を代表して参加されるのは月組屈指のダンサーとして活躍されていた姿が浮かぶ桐生園加さん。
今回のメイン演目である「鞍馬天狗」は件の友人の発表会でも観たことのある馴染み深い演目。
それを、まず、桐生さんが朗読劇風一人芝居で演じ、引き続き、お能の本舞台で同じものをみる・・・という企画です。
お能の定形で、まずは狂言から始まって・・・。
■狂言 「膏薬煉」(こうやくねり)
シテ:三宅右矩、アド:三宅近成
旅の道中でばったり出会った鎌倉と上方(京都)の膏薬煉り(薬屋)。
実はこの2人、相手の膏薬が大変にすぐれているとのうわさを聞きつけ、互いに訊ねる途中であった。色々と話しているうちに、どちらの膏薬がすぐれているか競い合うことに・・・。
■独演 「花酔」(はなよい)
出演:桐生園加 、脚本:池澤春菜
時の花のために書き下ろされた脚本を、元タカラジェンヌが一人芝居で演じます。能「鞍馬天狗」の世界をさらに広げる、新たなコラボレーション企画です。
宝塚時代は、満面の笑顔でピシッとスピーディで直線的な「男役ダンス」を得意とされる方・・・というイメージでしたが、桜色の小袖にグレイッシュオリーブの袴、前髪を下ろしてサイドとバックを巻き込んでまとめたスッキリと可愛らしいヘアスタイルの桐生さんは高い鼻梁の彫刻のような横顔とスッと芯の通った立ち姿の美しさ、そして牛若丸のパートを演じるときのあどけない柔らかな表情が印象的。
きれいに通るお声といい、立ち姿の品の良さと言い、タカラジェンヌの良さをひしひしと感じる桐生さん、退団されたのは2011年ということでしたが、一層魅力を増していらっしゃるように思いました。
桐生さんはブログをなさっているのですね^^
この舞台についても記事にされています。
着付けは内弟子さんたちがなさっているようでしたが、ヘアセットはご自分で、だそうです。るいちゃんに学んだとありますので、紫城るいさんのことかな?
■能「鞍馬天狗」
シテ:野月聡、子方:片桐賢、ワキ:則久英志ほか
京都の鞍馬山にある鞍馬寺に一人預けられていた幼い源義経(牛若丸)。
とある春の日、花盛りの宴席で疎まれた一人の山伏は牛若丸と出逢い・・・。
源義経の幼少時代の物語。大天狗の化身である無骨な山伏と、孤独な牛若丸との心の交流を、師弟の絆を中心に情緒豊かに描く。
「鞍馬天狗」の面と装束をつけての本舞台は初めて。子方がずらりと橋掛かりに並ぶ姿も壮観で・・・。
でも、謡や仕舞は何度か発表会で観たままで、その前の桐生さんによる解説?もあったので、色々と納得しながら観劇できました。
■能楽余話「美しい能装束の世界」
シテ方宝生流能楽師 東川光夫
桐生さんをモデル?に、次々と能装束を取り出して着せつけ、解説をする・・というとても興味深いコーナー。
東川さんは、こういうトークには慣れていらっしゃるご様子で軽妙に手際よく指示を出しつつスピーディにたくさんの装束をご紹介してくださいました。
ハリのある豪華な織の素材の平面の装束が、止めたりたくしあげたりするうちに見慣れたお能の舞台衣装としてのシルエットになる様子を拝見するのはナルホド・・と感心しきり。
ちなみに天狗の装束はずらりと天狗が並ぶ演目があるそうで、宝生会ではたくさんお持ちなのだとか。
天狗の羽扇は天然記念物の熊鷹?イヌワシ?の羽を使った大変貴重なもので、替えはきかないので大変大切に扱う必要があるのだとか。
装束はお家元が当日、これとこれを使いましょう、とお決めになっている、とかお話の内容もなるほど、でした^^
この企画は季節ごとにシリーズ展開されるようで、次回、夏公演は7月25日(土)「葵上」がテーマで、タカラジェンヌゲストはなんと、宙組の悠未ひろさんだとか。
行けるようなら是非また観たいと思いました