9月も終わりに押し迫っての記録ですが・・・。
2012年8月31日の初日にスタートした新生宙組、
新・TOP、凰稀かなめと実咲凛音のお披露目公演、
9月1日(土)の11:00公演を観に、宝塚大劇場に赴きました。
初日に行きたかったのはやまやまですが、何の因果か仕事で行かれず・・・
原作者の田中芳樹氏もご観劇で、華々しくSTARTしたお披露目初日。
一夜明けて・・・の回ではありましたが、小池修一郎演出の新作であり、宇宙における2つの勢力が対立するコスチュームもの、軍服祭りという宙組らしい豪華なお披露目作品。
NTT東日本・NTT西日本フレッツシアター
スペース・ファンタジー
『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』
田中芳樹作「銀河英雄伝説」(東京創元社刊)より
脚本・演出/小池修一郎
[解 説]
人気作家・田中芳樹氏による原作「銀河英雄伝説」は、1982年11月に第1巻が刊行され、累計1500万部の売上を誇る大ベストセラーSF小説で、今なお多くのファンの心を魅了し、SFファンに語り継がれている作品です。遥かな未来、限りなく広がる銀河を舞台に、彗星のごとく現れた名将を中心に『銀河帝国』対『自由惑星同盟』の戦いと、人間ドラマを壮大なスケールで描いたストーリー。個性的な数々のキャラクターにより繰り広げられる歴史物語が、新しい魅力をたたえ宝塚歌劇の舞台に初登場です。
なお、本公演は宙組トップスター・凰稀かなめ、トップ娘役・実咲凜音のお披露目公演となります。
以上、公式HPより。
貴族連合と 主人公ラインハルトを中心とする新興勢力の対立を内包した帝国軍と、
戦争を政争の具とする政府側に対する市民の平和運動、そして軍人のクーデターと、やはり内部に抗争を抱える同盟軍の大きな2つの勢力の対立と、両勢力を陰であやつる自由貿易の緩衝地帯、フェザーン。
この3つを主軸として、帝国・同盟それぞれに時を同じくして生まれた好敵手、帝国軍のラインハルトと同盟軍のヤン・ウェンリーという2人の軍事的天才が繰り広げる宇宙戦争と、それぞれの勢力内における政争が、ダイナミックに描かれているのは原作通り。
宝塚では、欠かせないロマンス要素をプラスするために、ラインハルトと秘書官の女性、ヒルダの出会いと心の交流をややふくらませた形で描いているのと、膨大な状況説明のために、両勢力の均衡を図るフェザーンのルビンスキーと愛人ドミニクが配されています。
登場人物と一言感想を・・・。
★ラインハルト・フォン・ローエングラム(凰稀かなめ)
宇宙一の美貌!の金髪・アイスブルーの瞳の若き将軍。
もう、軍服が似合いすぎです。歌も安定。マントさばきは神業レベル。甘いですね、評価が
無二の親友キルヒアイスと、皇帝の寵妃となった姉・アンネローゼの前だけで見せる無防備な姿と、普段のクールな振る舞い、そして、宰相オーベルシュタインの目的のためには手段を選ばない手法とあくまで正道なキルヒアイスの見識との間で揺れる心を細やかに演じ分けて。
フィナーレ・ショーでのデュエットダンス、みりおんちゃんを大事そうに扱う感じや、手の表情の繊細さは甘くて良い感じです。パレードの最後の御挨拶、羽のナイアガラがバッサ―と前に翻る大きなお辞儀を3回!
まるで星組の柚希さんのようだわ・・・と目を丸くしてしまいました@@
只でさえ、30kgとか聞こえてくる大羽根をそんなにして、腰は大丈夫なのかしら~と華奢なだけに心配。
まぁ、ジェンヌは基本アスリートの体力をつちかっていらっしゃるそうなので、心配無用かもしれませんが・・・。
平時よりも長丁場のお披露目公演ゆえ、ついつい気遣ってしまいます^^;
★ジ―クフリ―ド・キルヒアイス (朝夏まなと)
花組から異動の朝夏まなとくん、赤毛で優しそうな風情が役のイメージにぴったり。
美しき姉弟に忠誠を誓い、敵側との和平交渉での人間味溢れる対応など、原作でファンの多いもうけ役をナチュラルに演じて2番手格としての存在感たっぷりです。
ラインハルトとの銀橋でのデュエットは2人の声質が合うのか、普段の1.5倍、2人とも上手く聴こえました^^
★パウル・フォン・オーベルシュタイン (悠未ひろ)
原作ファンは驚くでしょうね・・・。冷徹な軍師が、トート閣下のごとくVISUAL系の闇の支配者然としていて^^;
あーいえばこういう、でラインハルトを言いくるめ、気が付いたらキルヒアイス以上の発言権を持つ片腕として、汚い仕事も粛々と行う策士です。
これが、前作でコミカルなだまされ役、ジ―クフェルドさんだったとは・・・全く持って芸幅の広い役者さんです。
前TOPの頃から引き続き、主人公を傷めつけて観客に喜ばれるという特技を持つジェンヌ(^^;違)
★帝国軍の将校たち
オスカー・フォン・ロイエンタール (蓮水ゆうや)
ウォルフガング・ミッターマイヤー (七海ひろき)
ビッテンフェルト (澄輝さやと)
ルッツ (凛城きら)
ワーレン (愛月ひかる)
ケンプ (蒼羽りく)
もう、並んで踊ったりすると、本当にステキな長身イケメン軍団、宙組の誇る路線男役がズラリ!
・・・なのですが、基本、十把一絡げな扱いです^^。
ロイエンタールが左右の瞳の色が違う「金銀妖瞳(ヘテロクロミア)」の持ち主(右目が黒で左目が青)である、クールビューティ―で、ミッタ―マイヤ―は金髪の男気溢れる快男児など、原作に沿ったVISUAL面での役作りや、自己紹介ソングがあるものの、基本同等の扱いデス。
中では、血気盛んで失敗するビッテンの場面で演技させてもらっているあっきー(澄輝)がやや美味しい感じなれど、スッキリ顔が台なしの変な鬘が・・・。東京までに手直ししてください^^;
★子ラインハルト (彩花まり)
密かにお気に入りの彩花まりちゃん、優等生の割に役づきがあまり・・なのですが、三成(「美しき生涯」)のときに、秀吉のお小姓で常に舞台上にあるお姿が、スッとゆかしく、伏し目がちな目元の陰影が美しく、何気に注目しつづけている娘役さんです。
で、その端正なお顔が生きる、宇宙一の美貌・ラインハルト様の子供時代・・・・良かったです。演技も子供っぽく作りすぎないところが良かったです。
なのになぜ~;;
子アンネローゼお姉さまの役(瀬音リサ)が不美少女すぎる・・・;;新公ヒロイン経験もあるはずなのに・・・もっとVISUAL頑張って!ちなみに子キルヒアイスの真みや涼子ちゃんは普通でした。
あ、大人のアンネローゼさまはタラちゃん(愛花ちさき)でした。
優しそうでほっそりしているのは良いのですが、絶世の美女設定なのですから・・・。外部ではとなみちゃん(白羽ゆり)が演じたそうで、ポスターを見た限りではピッタリな感じでした。
新人公演で、伶美うらら嬢が配役されているのが似合いそうだと踏んでおりますが さて。
宙組に美少女役者があと2人いたらなぁ・・と、詮なきことを思ったり。
以上、帝国軍。
同盟側は・・・
★ヤン・ウェンリー (緒月遠麻)
軍事の天才の反戦論者。もともと歴史家志望でヒューマニスト。
紅茶にうるさいが、家事全般、事務仕事は苦手。人望があるので、スペシャリストに支えられ、自然と組織の長となる。
・・という原作では最も人気の高いキャラクター。飄々とした持ち味をどう出すか、が注目ポイントでしたが、緒月さんは温かみのある演技で、ヤンらしさが良く出ていたと思います。
先輩ラップ少佐の婚約者、ジェシカとの学生時代のエピソードなど(恋のライバルだったけれどもお似合いの2人に身を引いた)しみじみさせてくれます。
最後のエトワールは、組替え組の番手が曖昧なのを誤魔化すため?
エトワールは歌自慢の娘役に!という声が多い中、特に歌が秀でているというわけでもない緒月さんには気の毒な感じさえしますが、短くて、良かった。
★ユリアン・ミンツ (伶美うらら)
配役をみて、一番驚いたのがここ。
宙一の美女うららちゃんは、ラインハルトの姉、皇帝の寵妃アンネローゼさまだと思っていたのに・・・。
で、あまり期待もしていなかったのですが、思いがけない当たり役でした!
・・・・・美少年すぎる・・・・・
もとより長身面長美少女なので、男役でもイケるのでは、と言われていたうららちゃんですが、
ユリアンが本当に上品でスッとした、透明感のある育ちの良さそうな美少年で・・・。
素晴らしいCASTINGです!(手の平返し)
あ、ユリアンとは、戦況が長引く中、増え続ける戦災孤児を個人の庇護のもとに置くプロジェクトの一環で、ヤンのもとで育てられることになった孤児なのですが、大変優秀なお子さんで、ヤンの秘書兼主婦役を完璧に努めつつ、彼の後継者となっていく役どころです。
ジェシカとヤンが思い出を語り合うシーンでは、気を使って、さりげなく席をはずしたり、ピンチには助けに来たり、何かと頼りになる聡明なお子で、うちにも1人欲しいデス(こら)
★ジェシカ・エドワ―ズ (純矢ちとせ)
ヤンの友人。元・想い人。恋人ラップ少佐が戦死。宰相トリューニヒトの演説中に、戦争を政権のために利用する政治家の矛盾に気づき、平和運動家として活動を開始。
そのために命を落とすが、ヤンとの絡みも恋人となるフレデリカ(すみれ乃麗)以上にあり、恋人を失った悲嘆、平和への崇高な使命感、利己的な政治家への義憤など、ヒロイックな感情を吐露する歌も聞かせどころが与えられ、歌上手なせいこちゃん(純矢)にはぴったり。
娘役の中では一番美味しい役だったかも。
★トリューニト (星吹彩翔)
同盟側の宰相です。
戦争を政争の具として上手く立ち回る、空疎な大言壮語がなんとも心地悪い気分にさせられる社交的でソツない悪役・・・という難役を、可愛い弟キャラ、歌・演技・踊り全てに秀でているモンチ(星吹)がどう演じるか・・・と思っていたら、宙組の素晴らしい重層的なコーラスを背景に堂々たるソロを披露してくれました。
こういうキャラクターがでてくるところが銀英伝の魅力であり、奥深いところです。
そして、フェザーンの2人・・・
★ルビンスキー (鳳樹いち)
フェザーンの盟主。商人国家で、帝国・同盟の宇宙2大勢力の間にあって、経済力で両勢力の均衡を図り、暗躍する・・という謎めいたキャラクター。原作ではスキンヘッドですが、タカラヅカなので、黒髪を逆立てた普通のイケメンです(笑)
いちくんは、ダンサーで、演技力もあるタイプ。シュッとした容姿と勝気さを感じさせる持ち味で、滑絶良く、テキパキとこの複雑な物語と勢力図を説明する係を担当。
語りに語るのですが、歌ってくれないかな~踊ってくれないかな~と、実力を知るファンにとっては結構ストレスがたまるかも^^;
★ドミニク (大海亜呼)
ルビンスキーの愛人。ふたりで手分けして説明をします^^
大海さんも素晴らしいダンサーなので、いつ、この2人が踊り出すか、興味駸々で観ていたのですが、最後の最後に一瞬?踊ったような・・・。あぁ勿体ない^^;
番外編として・・・
帝国側の、貴族連合。
ラインハルト率いる新興勢力に対して、自分たちの貴族として既得権を守るために抵抗する勢力。
★ブラウンシュヴァイク公爵 (一樹 千尋)
リヒテンラーデ ( 磯野 千尋)
リッテンハイム侯爵 ( 風羽 玲亜)
いや~豪華な布陣ですね。
専科さんお二人はさすがの存在感。重厚で狡猾な旧世界の貴族の独善ぶりをどっしりとした演技で表現してくれました。両・千尋様はそのまま肖像画にしてもよいVISUALです。
その中にあって、美貌を存在感はタメをはる風羽玲亜ちゃんに感動。あ、勿論セリフは最小限に抑えてありましたが^^;
★アンスバッハ (凪七瑠海)
華奢ながら、大事に路線としてスター扱いされていたかちゃ(凪七)がまさかのおっさん役!と話題になったアンスバッハです。ブラウンシュバイク公の忠実な部下。
追い詰められてあがく公爵に名誉の自決を強要した上で、主君の仇打ち・・・を実行してしまう一徹な男。
敵ながらもアッパレ、とラインハルトも一定の評価を与える人物です。
マンガでみると、ずんぐりしっかりの地味なおじさんキャラですが、ほっそりとしたかちゃは、クールで押し出しの強い役作りで冷徹かつ忠義の部下を誠実に演じていました。
最後、仇討でキルヒアイスを殺してしまうのですが、即、自分も命を絶たれるに当たり、階段で、キルヒアイスのまわりに愁嘆場ができる横で、1人死体として横たわっているその姿がダンサーだけあってとても美しいポーズなのに注目してしまいました。
★オフレッサー (風馬翔)
さらに番外っぽいのですが・・・^^;
実は、まさか、この場面を@TAKARAZUKAで上演するとは夢にも思わなかった場面、
「オフレッサ―捕獲」の場面が原作に忠実に再現されていて、開いた口がふさがらないくらい感動しました(用法、明らかに間違っていますよね^^;)
原始時代の英雄だ、と切って捨てられるオフレッサ―。引火物が充満する空間において、両陣営とも火器を用いることが出来ない闘い限定の斧の達人。
見た目はまんまゴリラなので、まさか、これをジェンヌが・・・と思っていたら、ここに本気の男の中の男役、かけるくんがやってくれました・・・。見事な3次元化でした・・・。
オーベルシュタインの策略で、本当にかわいそうな最後を遂げるのですが・・・;;
銀英伝、ムラで一度観たきりですが、東京公演ではかなりの回数日比谷に日参する予定です。
感想はまだ、色々とありますが、また、東京公演が始まってから、改めて語りたいと
原作ファンにとっては間違いなく楽しい、そして、豪華な宝塚らしいVISUALを好む方も楽しめる舞台かと。
おススメです
2012年8月31日の初日にスタートした新生宙組、
新・TOP、凰稀かなめと実咲凛音のお披露目公演、
9月1日(土)の11:00公演を観に、宝塚大劇場に赴きました。
初日に行きたかったのはやまやまですが、何の因果か仕事で行かれず・・・
原作者の田中芳樹氏もご観劇で、華々しくSTARTしたお披露目初日。
一夜明けて・・・の回ではありましたが、小池修一郎演出の新作であり、宇宙における2つの勢力が対立するコスチュームもの、軍服祭りという宙組らしい豪華なお披露目作品。
NTT東日本・NTT西日本フレッツシアター
スペース・ファンタジー
『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』
田中芳樹作「銀河英雄伝説」(東京創元社刊)より
脚本・演出/小池修一郎
[解 説]
人気作家・田中芳樹氏による原作「銀河英雄伝説」は、1982年11月に第1巻が刊行され、累計1500万部の売上を誇る大ベストセラーSF小説で、今なお多くのファンの心を魅了し、SFファンに語り継がれている作品です。遥かな未来、限りなく広がる銀河を舞台に、彗星のごとく現れた名将を中心に『銀河帝国』対『自由惑星同盟』の戦いと、人間ドラマを壮大なスケールで描いたストーリー。個性的な数々のキャラクターにより繰り広げられる歴史物語が、新しい魅力をたたえ宝塚歌劇の舞台に初登場です。
なお、本公演は宙組トップスター・凰稀かなめ、トップ娘役・実咲凜音のお披露目公演となります。
以上、公式HPより。
貴族連合と 主人公ラインハルトを中心とする新興勢力の対立を内包した帝国軍と、
戦争を政争の具とする政府側に対する市民の平和運動、そして軍人のクーデターと、やはり内部に抗争を抱える同盟軍の大きな2つの勢力の対立と、両勢力を陰であやつる自由貿易の緩衝地帯、フェザーン。
この3つを主軸として、帝国・同盟それぞれに時を同じくして生まれた好敵手、帝国軍のラインハルトと同盟軍のヤン・ウェンリーという2人の軍事的天才が繰り広げる宇宙戦争と、それぞれの勢力内における政争が、ダイナミックに描かれているのは原作通り。
宝塚では、欠かせないロマンス要素をプラスするために、ラインハルトと秘書官の女性、ヒルダの出会いと心の交流をややふくらませた形で描いているのと、膨大な状況説明のために、両勢力の均衡を図るフェザーンのルビンスキーと愛人ドミニクが配されています。
登場人物と一言感想を・・・。
★ラインハルト・フォン・ローエングラム(凰稀かなめ)
宇宙一の美貌!の金髪・アイスブルーの瞳の若き将軍。
もう、軍服が似合いすぎです。歌も安定。マントさばきは神業レベル。甘いですね、評価が
無二の親友キルヒアイスと、皇帝の寵妃となった姉・アンネローゼの前だけで見せる無防備な姿と、普段のクールな振る舞い、そして、宰相オーベルシュタインの目的のためには手段を選ばない手法とあくまで正道なキルヒアイスの見識との間で揺れる心を細やかに演じ分けて。
フィナーレ・ショーでのデュエットダンス、みりおんちゃんを大事そうに扱う感じや、手の表情の繊細さは甘くて良い感じです。パレードの最後の御挨拶、羽のナイアガラがバッサ―と前に翻る大きなお辞儀を3回!
まるで星組の柚希さんのようだわ・・・と目を丸くしてしまいました@@
只でさえ、30kgとか聞こえてくる大羽根をそんなにして、腰は大丈夫なのかしら~と華奢なだけに心配。
まぁ、ジェンヌは基本アスリートの体力をつちかっていらっしゃるそうなので、心配無用かもしれませんが・・・。
平時よりも長丁場のお披露目公演ゆえ、ついつい気遣ってしまいます^^;
★ジ―クフリ―ド・キルヒアイス (朝夏まなと)
花組から異動の朝夏まなとくん、赤毛で優しそうな風情が役のイメージにぴったり。
美しき姉弟に忠誠を誓い、敵側との和平交渉での人間味溢れる対応など、原作でファンの多いもうけ役をナチュラルに演じて2番手格としての存在感たっぷりです。
ラインハルトとの銀橋でのデュエットは2人の声質が合うのか、普段の1.5倍、2人とも上手く聴こえました^^
★パウル・フォン・オーベルシュタイン (悠未ひろ)
原作ファンは驚くでしょうね・・・。冷徹な軍師が、トート閣下のごとくVISUAL系の闇の支配者然としていて^^;
あーいえばこういう、でラインハルトを言いくるめ、気が付いたらキルヒアイス以上の発言権を持つ片腕として、汚い仕事も粛々と行う策士です。
これが、前作でコミカルなだまされ役、ジ―クフェルドさんだったとは・・・全く持って芸幅の広い役者さんです。
前TOPの頃から引き続き、主人公を傷めつけて観客に喜ばれるという特技を持つジェンヌ(^^;違)
★帝国軍の将校たち
オスカー・フォン・ロイエンタール (蓮水ゆうや)
ウォルフガング・ミッターマイヤー (七海ひろき)
ビッテンフェルト (澄輝さやと)
ルッツ (凛城きら)
ワーレン (愛月ひかる)
ケンプ (蒼羽りく)
もう、並んで踊ったりすると、本当にステキな長身イケメン軍団、宙組の誇る路線男役がズラリ!
・・・なのですが、基本、十把一絡げな扱いです^^。
ロイエンタールが左右の瞳の色が違う「金銀妖瞳(ヘテロクロミア)」の持ち主(右目が黒で左目が青)である、クールビューティ―で、ミッタ―マイヤ―は金髪の男気溢れる快男児など、原作に沿ったVISUAL面での役作りや、自己紹介ソングがあるものの、基本同等の扱いデス。
中では、血気盛んで失敗するビッテンの場面で演技させてもらっているあっきー(澄輝)がやや美味しい感じなれど、スッキリ顔が台なしの変な鬘が・・・。東京までに手直ししてください^^;
★子ラインハルト (彩花まり)
密かにお気に入りの彩花まりちゃん、優等生の割に役づきがあまり・・なのですが、三成(「美しき生涯」)のときに、秀吉のお小姓で常に舞台上にあるお姿が、スッとゆかしく、伏し目がちな目元の陰影が美しく、何気に注目しつづけている娘役さんです。
で、その端正なお顔が生きる、宇宙一の美貌・ラインハルト様の子供時代・・・・良かったです。演技も子供っぽく作りすぎないところが良かったです。
なのになぜ~;;
子アンネローゼお姉さまの役(瀬音リサ)が不美少女すぎる・・・;;新公ヒロイン経験もあるはずなのに・・・もっとVISUAL頑張って!ちなみに子キルヒアイスの真みや涼子ちゃんは普通でした。
あ、大人のアンネローゼさまはタラちゃん(愛花ちさき)でした。
優しそうでほっそりしているのは良いのですが、絶世の美女設定なのですから・・・。外部ではとなみちゃん(白羽ゆり)が演じたそうで、ポスターを見た限りではピッタリな感じでした。
新人公演で、伶美うらら嬢が配役されているのが似合いそうだと踏んでおりますが さて。
宙組に美少女役者があと2人いたらなぁ・・と、詮なきことを思ったり。
以上、帝国軍。
同盟側は・・・
★ヤン・ウェンリー (緒月遠麻)
軍事の天才の反戦論者。もともと歴史家志望でヒューマニスト。
紅茶にうるさいが、家事全般、事務仕事は苦手。人望があるので、スペシャリストに支えられ、自然と組織の長となる。
・・という原作では最も人気の高いキャラクター。飄々とした持ち味をどう出すか、が注目ポイントでしたが、緒月さんは温かみのある演技で、ヤンらしさが良く出ていたと思います。
先輩ラップ少佐の婚約者、ジェシカとの学生時代のエピソードなど(恋のライバルだったけれどもお似合いの2人に身を引いた)しみじみさせてくれます。
最後のエトワールは、組替え組の番手が曖昧なのを誤魔化すため?
エトワールは歌自慢の娘役に!という声が多い中、特に歌が秀でているというわけでもない緒月さんには気の毒な感じさえしますが、短くて、良かった。
★ユリアン・ミンツ (伶美うらら)
配役をみて、一番驚いたのがここ。
宙一の美女うららちゃんは、ラインハルトの姉、皇帝の寵妃アンネローゼさまだと思っていたのに・・・。
で、あまり期待もしていなかったのですが、思いがけない当たり役でした!
・・・・・美少年すぎる・・・・・
もとより長身面長美少女なので、男役でもイケるのでは、と言われていたうららちゃんですが、
ユリアンが本当に上品でスッとした、透明感のある育ちの良さそうな美少年で・・・。
素晴らしいCASTINGです!(手の平返し)
あ、ユリアンとは、戦況が長引く中、増え続ける戦災孤児を個人の庇護のもとに置くプロジェクトの一環で、ヤンのもとで育てられることになった孤児なのですが、大変優秀なお子さんで、ヤンの秘書兼主婦役を完璧に努めつつ、彼の後継者となっていく役どころです。
ジェシカとヤンが思い出を語り合うシーンでは、気を使って、さりげなく席をはずしたり、ピンチには助けに来たり、何かと頼りになる聡明なお子で、うちにも1人欲しいデス(こら)
★ジェシカ・エドワ―ズ (純矢ちとせ)
ヤンの友人。元・想い人。恋人ラップ少佐が戦死。宰相トリューニヒトの演説中に、戦争を政権のために利用する政治家の矛盾に気づき、平和運動家として活動を開始。
そのために命を落とすが、ヤンとの絡みも恋人となるフレデリカ(すみれ乃麗)以上にあり、恋人を失った悲嘆、平和への崇高な使命感、利己的な政治家への義憤など、ヒロイックな感情を吐露する歌も聞かせどころが与えられ、歌上手なせいこちゃん(純矢)にはぴったり。
娘役の中では一番美味しい役だったかも。
★トリューニト (星吹彩翔)
同盟側の宰相です。
戦争を政争の具として上手く立ち回る、空疎な大言壮語がなんとも心地悪い気分にさせられる社交的でソツない悪役・・・という難役を、可愛い弟キャラ、歌・演技・踊り全てに秀でているモンチ(星吹)がどう演じるか・・・と思っていたら、宙組の素晴らしい重層的なコーラスを背景に堂々たるソロを披露してくれました。
こういうキャラクターがでてくるところが銀英伝の魅力であり、奥深いところです。
そして、フェザーンの2人・・・
★ルビンスキー (鳳樹いち)
フェザーンの盟主。商人国家で、帝国・同盟の宇宙2大勢力の間にあって、経済力で両勢力の均衡を図り、暗躍する・・という謎めいたキャラクター。原作ではスキンヘッドですが、タカラヅカなので、黒髪を逆立てた普通のイケメンです(笑)
いちくんは、ダンサーで、演技力もあるタイプ。シュッとした容姿と勝気さを感じさせる持ち味で、滑絶良く、テキパキとこの複雑な物語と勢力図を説明する係を担当。
語りに語るのですが、歌ってくれないかな~踊ってくれないかな~と、実力を知るファンにとっては結構ストレスがたまるかも^^;
★ドミニク (大海亜呼)
ルビンスキーの愛人。ふたりで手分けして説明をします^^
大海さんも素晴らしいダンサーなので、いつ、この2人が踊り出すか、興味駸々で観ていたのですが、最後の最後に一瞬?踊ったような・・・。あぁ勿体ない^^;
番外編として・・・
帝国側の、貴族連合。
ラインハルト率いる新興勢力に対して、自分たちの貴族として既得権を守るために抵抗する勢力。
★ブラウンシュヴァイク公爵 (一樹 千尋)
リヒテンラーデ ( 磯野 千尋)
リッテンハイム侯爵 ( 風羽 玲亜)
いや~豪華な布陣ですね。
専科さんお二人はさすがの存在感。重厚で狡猾な旧世界の貴族の独善ぶりをどっしりとした演技で表現してくれました。両・千尋様はそのまま肖像画にしてもよいVISUALです。
その中にあって、美貌を存在感はタメをはる風羽玲亜ちゃんに感動。あ、勿論セリフは最小限に抑えてありましたが^^;
★アンスバッハ (凪七瑠海)
華奢ながら、大事に路線としてスター扱いされていたかちゃ(凪七)がまさかのおっさん役!と話題になったアンスバッハです。ブラウンシュバイク公の忠実な部下。
追い詰められてあがく公爵に名誉の自決を強要した上で、主君の仇打ち・・・を実行してしまう一徹な男。
敵ながらもアッパレ、とラインハルトも一定の評価を与える人物です。
マンガでみると、ずんぐりしっかりの地味なおじさんキャラですが、ほっそりとしたかちゃは、クールで押し出しの強い役作りで冷徹かつ忠義の部下を誠実に演じていました。
最後、仇討でキルヒアイスを殺してしまうのですが、即、自分も命を絶たれるに当たり、階段で、キルヒアイスのまわりに愁嘆場ができる横で、1人死体として横たわっているその姿がダンサーだけあってとても美しいポーズなのに注目してしまいました。
★オフレッサー (風馬翔)
さらに番外っぽいのですが・・・^^;
実は、まさか、この場面を@TAKARAZUKAで上演するとは夢にも思わなかった場面、
「オフレッサ―捕獲」の場面が原作に忠実に再現されていて、開いた口がふさがらないくらい感動しました(用法、明らかに間違っていますよね^^;)
原始時代の英雄だ、と切って捨てられるオフレッサ―。引火物が充満する空間において、両陣営とも火器を用いることが出来ない闘い限定の斧の達人。
見た目はまんまゴリラなので、まさか、これをジェンヌが・・・と思っていたら、ここに本気の男の中の男役、かけるくんがやってくれました・・・。見事な3次元化でした・・・。
オーベルシュタインの策略で、本当にかわいそうな最後を遂げるのですが・・・;;
銀英伝、ムラで一度観たきりですが、東京公演ではかなりの回数日比谷に日参する予定です。
感想はまだ、色々とありますが、また、東京公演が始まってから、改めて語りたいと
原作ファンにとっては間違いなく楽しい、そして、豪華な宝塚らしいVISUALを好む方も楽しめる舞台かと。
おススメです