ハマちゃんのひとり言

鉄道と地図を趣味とする、元地図屋さんだった団塊人です。

戦前の上大岡駅の写真!

2014年01月13日 | 鉄道

昭和5年4月1日に湘南電鉄(京急の前身)の上大岡駅は開業しました。記録によりますと開業当初は島式ホーム一面、信号所があるだけで駅舎もなく(?)、一日の利用者は20人程度で今では想像すら出来ない状況だった様です。

ここに戦前の上大岡駅を写した写真が二枚あります。一枚目は上大岡駅に一番近い桜岡小学校に保存されていた写真です。広い駅構内中央の島式ホームには、湘南電鉄の最初の電車である「デ1形」が二両編成で停車中で、反対側の折り返し用のホームには数人の人達が電車を待っている様です。また昭和27年頃の写真にも写っている「大見湯」がこの写真にもはっきり写っています。まさに上大岡のランドマークですね!遠方には最戸の山並みが見通せます。緩傾斜の丘の上に出来た上大岡駅の為、展望はよろしかった様ですね!笹下の横浜刑務所の当時の職員回顧録によると「無人駅を思わせる小さな上大岡駅より一目で刑務所の所在が知る事が出来た」とある位、駅からの見通りは良かった様です。撮影時期はおそらく品川駅~上大岡駅間折り返し運転の急行電車が運行を開始した昭和11年から間が無い頃の写真だと思われます。

【写真① 昭和10年前後と思われる上大岡駅の写真 (桜岡小学校蔵)】

もう一枚は上大岡駅前から撮った写真です。撮影時期としては前の写真とほぼ同じ年代だと思われます。
この写真は笹下・関から出征兵士を見送りに来た人々を撮った写真で、①の写真の電車の後ろに写っている背の高い建物が、この写真の中央にはっきり写っていて駅の信号所の建物です。さらに左隣に小さな建物が写っていますが、この建物が初代の上大岡駅で信号所との間が改札口になる様です。如何にもローカル色豊かな雰囲気が感じられます。

【写真② 駅前の空き地から小さな駅舎と大きな信号所の前の写真 (渡辺渥美氏提供写真)】

この当時の地図が発見されました。この地図は先年中区役所から発見され、横浜市史資料室に移管された「火災保険地図」と言われるもので、作成機関は不明ながら昭和5年に作図され、旧中区内の建物がまとまって建っている地区のみ作られた様です。その中に上大岡駅周辺の地図入っていて縮尺は1/1000となっていますが、測量的な精度は疑問です。しかし、少し以前の住宅地図と同様に建物の数・前後関係などは詳細に書かれ、当時の街並みを知る上では貴重な地図です。この地図に開通直後の上大岡駅周辺が記録されていて、上記の写真の位置関係を確認する事ができました。

 【開通直後の上大岡駅周辺の地図 (「火災保険地図」横浜市史資料室蔵)】

ちなみにこの小さな改札口のあった場所は、現在でも改札口として利用されています。その場所は「ヨドシカメラ」のDPE受付横の改札口です。しかし高さは現在の駅ビル二階にあたります。(丘を削って現在の駅は作られた為)


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