ハマちゃんのひとり言

鉄道と地図を趣味とする、元地図屋さんだった団塊人です。

名勝・史蹟四十五佳撰の「白滝不動尊」

2011年11月24日 | 街で見つけた物

昨日知人のブログに誘われて横浜・根岸の「白滝不動尊」周辺を散策して来ました。根岸駅から見事な急峻な海蝕崖を目指し進む。

見事な根岸海蝕崖を望む (白砂青松の往時を忍ばせる!)

10分程でブログに掲載されていた明治時代の写真と同じ急な階段が見えて来た。その階段を少し登ると大きな石碑が建っていて、そこには名勝・史蹟四十五佳撰「白滝不動尊」と書かれたいた。以前私のブログで同じく名勝・史蹟四十五佳撰の一つであった港南区の「日限地蔵尊」同様にここもその一つであった様である。

 貿易新報社が建立した名勝・史蹟四十五佳撰「白滝不動尊」の石碑

昭和10年当時創業四十五周年を迎えた横浜貿易新報社(現・神奈川新聞の前身)がそれを記念しおこなった神奈川県内の名勝・史蹟を四十五周年にちなんで四十五箇所を新聞の読者に投票で選んでもらうという事業であった。投票用紙は新聞の紙面に刷り込んだものを切り取って投票するもので、これによって当時の販売部数を1.5倍ほどに上乗せする事が出来たそうである。当時の情報伝達方法としてほぼ唯一の新聞はまさに打って付けであって、県下各地のさほど名の通っていなかった名勝・史蹟を抱える地元民はこぞって組織的に新聞を購入し投票した事が記録に残っている。   

  

往時のままの石段・左が石碑                   

 

今でも糸の様な一筋の水が流れる「白滝」

 階段上から根岸湾を望む。(今は工場地帯!)

その結果この「白滝不動尊」は三万七千票を獲得し選洩れ寸前の四十一位に入り、辛うじて入選した様である。(ちなみに「日限地蔵尊」は四十四位、一位は中津川渓谷の石小屋だった)選定された名勝・史蹟には貿易新報社により記念に記念碑の建立が行われたそうで、それが今でもこの地に残っていた様です。ちなみにこの当選時には「祝賀訪問隊」が組まれ各地を、当時横浜の地でダットサンを製造し始めた「日産自動車」の車が使用され、各地で大歓迎されたそうです。 (市史通信・第六号参照)