ハマちゃんのひとり言

鉄道と地図を趣味とする、元地図屋さんだった団塊人です。

秘密が筒抜けに!

2013年11月17日 | 最近の話題

今特定秘密保護法案が話題になっています。戦前の日本でも多くの事項が秘密扱いになり国民の眼から隠されていました。地図の世界でも同様に秘密にする為、地図上から抹消されてしまった場所がありました。

【1/5万地形図「横浜」 昭和10年第二回修正測量 右下部分は要塞地帯の為白部になっている地図】

しかしいくら秘密にしても無駄であった証拠があります。米軍は開戦前に手に入れていた日本の地形図を元にし撮影した航空写真を使用して地図化、その空白部を埋めていました。更に日本側の地形図は殆ど修正されてなく、現状とはかけ離れて地形図であったのに対して、米軍側は最新の地図を使う事ができたのです。

【米軍1/5万地図「YOKOHAMA」 1945年作成 白部の箇所が詳細な地図になっている】

また日本軍の暗号を米軍は解読していました。日本軍側は秘密にしていた機密情報を安心して送っていたのです。この様に日本の官僚はどうも秘密の扱いは絶対に漏れないものと思い込むところがある様です。おそらく特定秘密保護法ができても、穴の開いたバケツの如くきっとどこからか洩れてしまう事でしょう。


国会図書館地図室は住宅地図室か?

2013年11月11日 | 地図

土曜日に久しぶりに国会図書館に行って来ました。少々行く間隔が空くと浦島太郎感覚で、その都度係の人に教えてもらいながら、おろおろしながらの閲覧でご迷惑をおかけしました?!

【「知識の館」に相応しい重量感あふれる国立国会図書館】

このところ図書館のシステム化が進み、検索・申込・複写等すべてキーボードを操作しなければならず、PCに不慣れな者にはとっては少々辛いところとなってしまった。PCを使用する度に閲覧者カードをセットする為、終わった後カードを取り忘れてしまう人が多い様で、注意書きが書かれていた。(実は自分もやってしまった!)

地図室に入ると入室者の多くが住宅地図を閲覧している人が占め、ゼンリンの分室だったのかと思う程であった。実際地図室の多くのスペースを住宅地図が占めており以前より増えている。利用者は金融機関・不動産業等の関係者だと思われ、業務に使うために必要な部分の住宅地図を多量にコピーしていた。(実は私も会社時代に利用させていただきました。感謝!)

【国会図書館の印が入った地形図 (AMS1/2.5万地図 「YAKU-SIMA NW」より】

聞くところによると、現在国会図書館地図室の予算は縮小傾向にあって、人材派遣的な人達が多くを占め、地図資料に関する知識豊富な人は少なくなってしまったそうである。私の様な地形図を閲覧する人は殆ど見かける事は少なく、本来の地図室が持っている貴重な歴史遺産である地形図・地図類を管理・保存・公開を重点的に推し進めて貰いたいものである。(少なくても地図の廃棄処分だけはご勘弁くださいね!)


「カーナビ」で道を憶えなくなった?!

2013年11月04日 | 街で見つけた物

先日所用で埼玉県に行ったおり、最初の所用先でタクシーを呼んでもらい、道すがら運転手さんから面白い話を聞かせていただきました。それは最近「カーナビ」が装備されていらい、道を憶えなくなったとの事でした。私は車の運転ができないので、滅多に車に乗る事もなく現在の車社会の現状には疎い為、ただそうなのかと感心して話を聞いておりました。

【今では標準装備されているのが当たり前の「カーナビシステム」】(グーグル写真より)

乗車すると運転手さんは目的地の電話番号を聞き「カーナビ」に入力すると、あっと言う間に画面上の地図に目的地までのルートが表示され、なんと「50m先を右折」等の指示まで表示されまさに至れり尽くせりで、アレヨアレヨと驚いている間に目的地に到着した。

【電話番号を入力すると直ぐに目的地までのルートが表示された!】(グーグル写真より)

運転手さんの話だと「カーナビ」が導入される前までは、街々の目標となる建物や道路形状等を頭にたたみ込み、地域の地図が記憶されていたとの事。それが導入後はまったくそれらを憶える必要がなくなり、すっかり機械に頼る様になってしまったそうです。

【地図を見てるのではなくて、た表示された「ルート」と「屈曲点」情報のみを注視!】(グーグル写真より)

そう言えば以前は運転席の横に分厚い道路地図の本を置き、「郵便局の先を右に曲って・・・」など、街々の主な建物の場所や道路の位置関係を「頭の中の地図」に記憶させていました。そうする事でいつの間にか街の概要を憶えていった様に思います。「カーナビ」全盛時代の今、いざという時果たしてこれからの日本人は「カーナビ」がもし利用できない様な事態になった時、方向感覚を失ったモルモットの様になるのではないかと頭の隅を過ぎったものでした。