今特定秘密保護法案が話題になっています。戦前の日本でも多くの事項が秘密扱いになり国民の眼から隠されていました。地図の世界でも同様に秘密にする為、地図上から抹消されてしまった場所がありました。
【1/5万地形図「横浜」 昭和10年第二回修正測量 右下部分は要塞地帯の為白部になっている地図】
しかしいくら秘密にしても無駄であった証拠があります。米軍は開戦前に手に入れていた日本の地形図を元にし撮影した航空写真を使用して地図化、その空白部を埋めていました。更に日本側の地形図は殆ど修正されてなく、現状とはかけ離れて地形図であったのに対して、米軍側は最新の地図を使う事ができたのです。
【米軍1/5万地図「YOKOHAMA」 1945年作成 白部の箇所が詳細な地図になっている】
また日本軍の暗号を米軍は解読していました。日本軍側は秘密にしていた機密情報を安心して送っていたのです。この様に日本の官僚はどうも秘密の扱いは絶対に漏れないものと思い込むところがある様です。おそらく特定秘密保護法ができても、穴の開いたバケツの如くきっとどこからか洩れてしまう事でしょう。