ハマちゃんのひとり言

鉄道と地図を趣味とする、元地図屋さんだった団塊人です。

地理院にあったGHQ指令作業の資料!

2014年06月29日 | 地図

先週金曜日日本地図センターから毎週送られてくるメール通信に「戦後復興を支えた地図と測量」展と題した展示会が開かれているとあり、偶然クリックしたところ終戦前後の陸地測量部から地理調査所に渡る時期の混乱期について資料を展示していると書かれていた。会期がなんと明後日までとあるではないか!さっそく昨日「つくばEX」に乗って駆け付けて来ました。(3月からやっていたとは今まで知らなかった!)

【企画展「戦後復興を支えた地図と測量」のご案内パネル】

特に気になったのが展示内容に書かれていた「GHQ指令による作業と成果(実物および複製)」についてでした。以前直接地理院に電話でGHQ指令作業の資料を閲覧したいと話したところ、その様な資料はありませんとの事で諦めておりました。それがもしかすると私の閲覧したいと思っていた資料にお目にかかる事ができると期待に胸を膨らませて地理院の門をくぐりました。

【GHQ指令作業の基準点点検作業で作成された「基準点カード」】

【米軍が作成した日本の1/25万地形図ごとにファイリングされた「基準点カード」ファイル】

会場は地理院内にある「地図と測量の科学館」二階の特別展示室で、他に閲覧者はおらずじっくりと見る事ができました。(少々寂しい!?)部屋の入口に開催のあいさつ文に終戦時陸軍参謀本部の参謀であった渡邉正氏が昨年11月に死去され、以前地理院に寄託されていた当時の貴重な資料を初めて展示公開するのに合わせて、終戦前後の地図・測量関係の事について展示会が開かれたとの事でした。

【GHQ指令作業の地名調査作業の「地名調査カード」:このローマ字名が米軍の1/5万地形図に掲載された】

【地名調査カードの付図で連番はカードの番号に対応】

会場に入り特に目的にしていたGHQ指令作業についてのコーナーにいったところ、期待通り基準点調査カード・地名調査カードが展示されておりました。日本語とローマ字・英語でシンプルだが実に機能的にまとめられたカードで、後にこれを参考にして地理院の資料形式に利用された。別段「極秘」にしておく必要性もないと思われるが、今まで地理院としてはGHQ・米軍との関連したものについて異常なほどアレルギーがあり、出来るだけ触れたくないものとなっていたのでしょう!?

【常設展示室にあった「図化機 A8」:若き時代にさんざんお世話になった名器。今でも心地よいハンドルやプロッターの音が懐かしい】

おそらく現在の地理院内において過去の歴史的変遷についてあまり良くご存じない人達が主流になり、アレルギーもなくなったのでしょうか?それにしてもメールに気が付かなければ見る事ができなかった事になり、何か因縁めいた気持ちを感じつつ帰宅の途につきました。