小さな日記

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ボーダー

2008年05月27日 | Weblog
ユダヤ人排斥を掲げたヒトラーが当時のドイツ人に熱狂的支持を受けた因は、失業率が増大したドイツでユダヤ人に職を奪われたことに理不尽を感じていたからだ。

南アフリカで数週間続いていた外国人排斥の暴動も、アパルトヘイト撤廃以降、経済格差がますます広がった中で、近隣国からの難民、出稼ぎ労働者に職を奪われたと感じる低所得者の憤懣が暴発したものだ。ナタやナイフを持って一軒一軒襲って火をつけるとニュースで読み、まるでKKKのようだと震撼した。やっと少し収まってきたようだけれど失業率30%、しかも、富裕層はW杯景気で増大していくからどんな手立てを打つのだろう。南アフリカ政府は、日本と同じく、汚職と賄賂がはびこっていると聞く。せっかくアパルトヘイト撤廃と多人種共存を掲げたのに、残念なことだ。

わたしの知る南アフリカ人でW杯を喜ばしく思っているひとは一人もいない。みんな、そとづらは「ぜひ南アにW杯を見に来てください」とニコニコするが、陰では「げっそりだ。悪人がどんどん増えてきてひどいことばっかり起こっている。これからどんなことになるのか、ぞっとするよ」と嘆く。

白人の中にはアパルトヘイト撤廃以降の有色人種優遇政策を過剰と感じている者もいて、けれど、わたしから見ても黒人の貧困層はもっともっと優遇支援されなければいけない状況だ。貧富の格差は、日本の比ではない。

その貧困層が、ジンバブエやモザンビークなどから貧困にあえいで出稼ぎに来た外国人労働者を襲ったのだ。襲うのではなく、連携して組合を作って不当な雇用条件を改善するよう交渉したらどうだろう。人種でボーダーをひかれたひとたちが、国籍でボーダーをひいたこの事件。やるせない。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/94806.html
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2396116/2965284