録画しておいたNHKスペシャル、沸騰都市ヨハネスブルグを見た。アパルトヘイト撤廃後、法の優遇制度によって生まれた少数黒人富裕層がブラックダイアモンドとして羽振りをきかせてはいるものの、富豪白人が経済の大部分を牛耳り、黒人貧困層は2倍に膨れ上がっているという。
アパルトヘイト反対運動の闘士たちが、黒人富裕層となっている。それを彼らは、自分たちの努力、献身の対価と言うのが印象的。つまり、実力、能力、体力、気力があるかれらは、アパルトヘイト時代は闘志としてリーダーであったし、その後は経済のリーダーとなって元白人居住区のプール、テニスコート付の豪邸に住むことを、恥とも思わないのだ。脇にはブリキ小屋のスラムが多くあるのに。
アパルトヘイト反対とスクラムを組んだ黒人白人たちは、夢見る社会がそれぞれ違ったのだろう。西欧のように自由競争できる環境が欲しかった黒人、アパルトヘイトさえなければ、トイレくらいはある生活ができるようになると信じた黒人、白人社会で好かれなくても、黒人社会で尊敬されると期待した白人、、、、
けれど、南アフリカの現状は、ただ、グローバルに経済活動をできるようになった実力競争社会。貧富の格差はますます進み、治安は悪化するばかり。以前は狙われなかった黒人も狙われるようになっていて、今や、アパルトヘイト時代の悲惨を知らない10代の黒人の若者は、片やブランド品に身をつつみ、日本やアメリカのような「もっともっと病」に感染し、片や食うために暖をとるために、財布や電気を当然のように盗む。
地下資源、生態系資源の豊富な南アフリカを、世界中が狙っている。利用したつもりが利用されるありふれた歴史に組み込まれていくようだ。わたしの知っている南アフリカの若者も、多くが「もっともっと病」だ。そして、それが夢のある上昇志向で、良いことと信じて疑わない。
アパルトヘイト撤廃は、もちろんすごくよいことだったけれど、この現状を見ると、そこに、西欧社会のなにかしらの思惑と力が働いていたのだろうと思わざるをえない。「思惑とおり。順調!」とほくそえんでいる者はきっといる。戦後日本のこの劇的変化を喜ばしく歓迎し利用するアメリカのように。
画像は、家族で住んでいる家。電気も水道もトイレもないこういう家が、見渡す限り続く地域がたくさんある南アフリカ。南アフリカには、その気になればこれらスラムを全部壊し小さい2LDKにする財力は十分あるのだ。そんなことは後廻しで、株主配当金を一億円にしてかつての闘争仲間が豪邸に住めるようにする元闘士の実業家。個人の思惑が国を作る。日本もまた然り。
世界中が沸き立った輝けるマンデラ大統領就任。オバマ大統領就任と重ね合わせて、表向きの輝きに目がくらみ、見えなくさせられている現実こそが、歴史の方向を決めていくのかと思う。
アパルトヘイト反対運動の闘士たちが、黒人富裕層となっている。それを彼らは、自分たちの努力、献身の対価と言うのが印象的。つまり、実力、能力、体力、気力があるかれらは、アパルトヘイト時代は闘志としてリーダーであったし、その後は経済のリーダーとなって元白人居住区のプール、テニスコート付の豪邸に住むことを、恥とも思わないのだ。脇にはブリキ小屋のスラムが多くあるのに。
アパルトヘイト反対とスクラムを組んだ黒人白人たちは、夢見る社会がそれぞれ違ったのだろう。西欧のように自由競争できる環境が欲しかった黒人、アパルトヘイトさえなければ、トイレくらいはある生活ができるようになると信じた黒人、白人社会で好かれなくても、黒人社会で尊敬されると期待した白人、、、、
けれど、南アフリカの現状は、ただ、グローバルに経済活動をできるようになった実力競争社会。貧富の格差はますます進み、治安は悪化するばかり。以前は狙われなかった黒人も狙われるようになっていて、今や、アパルトヘイト時代の悲惨を知らない10代の黒人の若者は、片やブランド品に身をつつみ、日本やアメリカのような「もっともっと病」に感染し、片や食うために暖をとるために、財布や電気を当然のように盗む。
地下資源、生態系資源の豊富な南アフリカを、世界中が狙っている。利用したつもりが利用されるありふれた歴史に組み込まれていくようだ。わたしの知っている南アフリカの若者も、多くが「もっともっと病」だ。そして、それが夢のある上昇志向で、良いことと信じて疑わない。
アパルトヘイト撤廃は、もちろんすごくよいことだったけれど、この現状を見ると、そこに、西欧社会のなにかしらの思惑と力が働いていたのだろうと思わざるをえない。「思惑とおり。順調!」とほくそえんでいる者はきっといる。戦後日本のこの劇的変化を喜ばしく歓迎し利用するアメリカのように。
画像は、家族で住んでいる家。電気も水道もトイレもないこういう家が、見渡す限り続く地域がたくさんある南アフリカ。南アフリカには、その気になればこれらスラムを全部壊し小さい2LDKにする財力は十分あるのだ。そんなことは後廻しで、株主配当金を一億円にしてかつての闘争仲間が豪邸に住めるようにする元闘士の実業家。個人の思惑が国を作る。日本もまた然り。
世界中が沸き立った輝けるマンデラ大統領就任。オバマ大統領就任と重ね合わせて、表向きの輝きに目がくらみ、見えなくさせられている現実こそが、歴史の方向を決めていくのかと思う。