週末は所用で信州の南の端、飯田市の山の中にある旧 南信濃村へ。
ここは田中前知事の住民票問題で一時話題になった過疎の村、秦阜村よりも更に南に位置していて、山一つ越えればそこは静岡県という場所。
この周辺は、一昨年2月に行われたスペシャル・オリンピックスの“法執行者によるトーチラン”という、知的障害者の選手代表とアメリカ人消防士、警察官からなる
ランナー達が、いわゆるオリンピックでの聖火リレーにも似たスペシャルオリンピックスの聖火を持って町の中を駆ける、というイベントの先導役で訪問して以来。
その際にケガ人を搬送するため近くの阿南町にある県立病院までは来たことがあったけれど、そこから先は@幕張にとって初めて足を踏み入れる土地だった。
天竜川に沿って曲がりくねった国道151号線から山中の国道152号~国道418号線へ入ると、そこは国道とは名ばかりの車のすれ違いもままならない細く険しい道が続く。
左は崖、右は谷というような細い道を教えられた通り走ったものの、旧信濃村の村里に到着する頃には山の峰に日が暮れて、すっかり暗くなった中を迷いながら車を進めた。
目指すお店
「星野屋」さんは、村里の旧道から更に細い道を奥へ入ったところにあった。
今日の目当ては猪や鹿の肉、いわゆる山肉料理の専門店。
信州の南側では狩猟の中でも熊や猪、鹿などの大物猟が盛んで、それら獲物の肉を使った美味しい料理だ。
獣肉・・・というと即座に拒否反応を示す人がいるけれど、実は獣の肉はとってもヘルシーで美味しい。
冬のフランス料理などでは兎肉や鹿肉を中心に、獣肉がジビエと呼ばれて欠かせないジャンルの食材となっている。
そんな獣の肉料理の中から、今日は猪肉を使ったぼたん鍋と鹿肉料理の出る『満腹コース』(3,150円)をオーダー。
地元の芋の揚げ物なんかを摘まみながら、料理を待っているとぼたん鍋(猪鍋)登場。
東京の両国「ももんじゃ」で食べた猪鍋はいわゆるボタン鍋じゃなくて猪肉のすき焼き風仕立ての鍋料理でちょっとがっかりしたけれど、
ここ星野屋さんの猪鍋は@幕張の大好きな馴染みのある味噌仕立てのぼたん鍋。
昔、父が狩猟をやっていた頃は数年に一度、冬になると食べることができた懐かしい味。
獣肉特有の臭みを消し、豚肉よりも味の濃い猪肉の旨味を引き立てるには、やっぱり味噌仕立ての味が一番。
鍋が煮え立つのを待っている間に、鹿肉のステーキとメンチカツが運ばれてきた。
ビールを飲みたくなるほど肉三昧なんだけど、運転のある今回もビールはお預けなのがホントに残念。
最初に鹿肉のステーキを一口。
鹿肉は兎肉に次いで脂肪が少なくて柔らかい、高タンパク低カロリーの健康食。
兎肉は肉の脂が少なすぎて焼くとパサパサしやすいのに、鹿肉は焼いても適度に肉汁が出てきてステーキなんかにも合う。
歯応えでいえば馬肉や赤身の牛肉にちょっと似ているけれど、刺身などの生肉で食べても脂が少ないから口の中がしつこくならない。
味は鯨肉に似ていて、特に良く焼いた肉汁たっぷりの鹿肉は鯨肉ステーキを彷彿させる懐かしい味。
ステーキはミディアムレアに焼いてあって、肉の中心は半生状態。なのでとっても柔らかくて美味しい。
ステーキソースが甘酸っぱくて、なんだかフレンチテイスト。
ワインとニンニクとブルーベリーの味は識別できるんだけど、他に何を使っているんだろう・・・?
鹿肉ステーキによく合うこのソース、あとでレシピを聞いてみよっと。
メンチカツの方はサクサクの揚げ立てで、赤身の鹿肉はとってもジューシィー。
残念なのが、ソースと一緒にたっぷりのマヨネーズがかけられていたこと。
鹿肉は味にクセが少ないから、できたらソースだけで味わってみたかったんだけど・・・
鹿肉料理を味わっているうちに、ぼたん鍋が煮立ってきたので鍋の中を軽くかき混ぜ、中火に落として煮込む。
猪の肉は豚肉と違い、かなり歯応えがある。
肉が筋肉質なので、熊肉と同じで煮たり焼いたりすると肉の繊維質が縮んでかたくなるため、人によっては豚肉よりも不味いという人もいたりする。
でも肉の味っていうのは、歯応えのある肉をガシガシ噛んでこそ味わえるものだと@幕張は考えているから、
歯応えのある猪の肉は肉の旨さを堪能できる肉だと思っている。
しかも猪の肉の脂身はとっても旨い。
豚肉の脂身は、煮るとスカスカになって箸でも裂けるようになるけれども、猪肉の脂身はそこまで柔らかにはならない。
おまけにちょっと厚めに切った脂身だと、豚肉のそれに比べてもかなりの歯応えを感じるし、脂身独特の甘味が感じられる。
だから鍋物にする時は猪肉のバラ肉を混ぜると、すごく甘くてコクのあるスープになって@幕張的には何杯でも食べられてしまったりする。
信州の田舎料理独特のちょっとしょっぱめの味付けでご飯が進む。
鍋の中には猪肉の他に野菜がたっぷり入っているので、ご飯のおかずにも良し、鍋だけ食べてもまた良し。
正直なところ、ビールか日本酒があれば鍋の旨さが二倍にも三倍にも膨らんだかもしれない。
鍋を食べる合間に、店の女将さんがサービスしてくれたイナゴの佃煮を摘まむと余計に酒のないのが残念。
南信州は熊や猪、鹿などの獣肉の他にも、イナゴやザザムシ、蜂の子の佃煮なんかが美味しい、別名“信州ゲテモノ王国”。
ここで@幕張のカミングアウトをひとつ。
@幕張、イナゴやザザムシ、蜂の子の料理が大好きです。
だって、美味しいんだもん♪
@幕張実家の旅館でも何度か経験したけど、都会から来た人の中にはこれらの料理を出すと飛び上がらんばかりに驚いて
「食事に虫を出した」って文句をいう人がいたが、悪いけどそんな人は美味しさの本質を分かってない。
土地が貧しかった昔は貴重なタンパク源として食べられていたこれらの食材も、現在は完全に好事家だけの世界かもしれないけれど、
美味しいものは美味しいとはっきり言いたい。美味しいからこそ、現代まで残った味なのだと。
それにイナゴやざざ虫は日本酒の友だし、蜂の子はご飯のおかずにたまらないのだ。
何を隠そう、@幕張はゲテモノ料理大好き!人間。

珍しくて美味しい料理を求めて添乗員になったようなもの。
北海道ではアザラシやエゾシカの肉を食み、岩手では熊肉を、宮城ではモウカザメの星(心臓)料理を探し、新潟ではマムシのハンバーグに目を白黒させ、
父島では海亀料理を食べ比べて、熊本では馬肉料理を楽しみ、大好きな沖縄ではヒージャー(やぎ)料理の珍味中の珍味、ヤギの秘所ωの刺身や
ヒージャー汁(ヤギ汁)で精力をつけ、極め付けはイラブー(海蛇)汁が気に入って市場で乾燥イラブーを購入して家で作ったほどの食欲の権化、@幕張としては
南信州の珍味は今でも酒や食事のおかずに食べたい貴重品だったりするのだ。
久し振りに食べた美味しい山肉に興奮してガツガツと食べたせいか、鹿肉のステーキ、メンチカツ、ぼたん鍋・・・と食べ終わった頃には30分程しか時間が経っていなかった。
最後にお茶をいただいて一息ついた頃には、文字通りのお腹一杯、満腹コース。
最初はご飯をお代わりしてやろう・・・なんて考えていたものの、ガッツリと食べた肉でお腹が膨らんでしまい、ちょっと苦しいくらい。
帰り際に、先代のオヤジさんに「次は泊まりがけで来ましょ」と言われ、自分の顔に「酒が飲みたい、酒が飲みたい」と書いてあったのがバレたのかと思わず赤面してしまった。
この日の夜は氷点下6度とかなり寒かったけれど、美味しいぼたん鍋と鹿肉ステーキで身も心もホックホクで、車の窓を開けて帰ってきました。
店を出てしばらくしてから夜道を間違えて変な山の中へ入ってしまい、森の中で猪よけの網が張ってある畑で道がぷっつり途絶えた時は焦ったけれど。。。
・・・あ、表題にも書いた『ビストロSMAP』のこと。
1月下旬放送予定のこの番組に、ここ星野屋さん調達の猪肉を使った料理が紹介される予定だそうです。
番組で使う肉は柔らかなメス猪の最高の肉で、『南信州産の猪ロース肉』として出されるとか。
はてさて、SMAPの面々がこの素晴らしい猪の肉を使って、どんな料理を作るのか、乞う!ご期待!!なのであります。
この機会に、@幕張的お勧めの猪肉と鹿肉、ぜひ食べてみそ!
星野屋さんでは通信販売もしているみたいです。
@幕張一押しの猪肉は、旨・い・ぞ~! デヘヘヘッ!!
SMAPxSMAP BISTORO SMAP 番組公式ホームページ
フジテレビ 番組紹介ホームページ